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zoom RSS 植物からしか得られなかった「バニラ」を、味の素と長谷川香料が糖からの微生物発酵で製造可能に

<<   作成日時 : 2017/01/11 20:47   >>

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味の素、自然由来のバニラ香料 長谷川香料と共同開発

2017/1/10 23:34日本経済新聞 電子版

 味の素はアイスクリームなどに使う自然由来の原料で作る香料、ナチュラルフレーバーの生産・販売を始める。長谷川香料と共同で糖類を発酵させて作るバニラ香料の工業化試験に成功。大量生産に道筋をつけた。2017年度中に生産ラインを整備し、国内外の食品・飲料メーカー向けにサンプル出荷を始める。

 味の素がノウハウを持つアミノ酸発酵技術を香料の製造工程に使う。同技術を用いたナチュラルフレーバーの生産は世界で初め…



このニュースは画期的な内容を伝えている(と私は思う)。バニラというと今までは全て植物由来。その加工にも手間ひまがかかっているため、高価なものであった。それを味の素と長谷川香料がなんと、糖質から発酵で作り出すというのだ。どんな方法かは、まだ特許が公開になっていないのでその詳細は分からないが、糖質からバニラ成分を作る微生物をスクリーニングにより得たことは確かだろう。

バニラに関する過去の特許を検索したが、味の素に関しては「バニラ」ではヒットがなかった。その類縁体での登録はあるかもしれない。一方、長谷川香料は「バニラ」に関する特許を昭和58年から2015年の間でも複数件出願している。ただし、いずれも植物由来のバニラの製法である。

世界に10000トンの市場、しかも高価なバニラである。これを発酵法で工業的に作り出せた暁には、大きな市場を取り込むことができる。微生物を用いる分野は、まだまだ日本の強みである。


(以下は調査情報)

バニラは世界で約1000万トン生産されていると、Wikipediaには記されている。あまりにも途方もない量なので、さらに調べてみると次の記述があった。2013年の世界市場は約10000トン、これならば妥当な数字である。


世界のバニラ生産量ベスト10 (2015年6月、出典FAO)

2013年の世界のバニラ生産量ベスト10をご紹介します!  1位 Indonesia.png インドネシア 3,200 t
2位 Madagascar.png マダガスカル 3,100 t
3位 Mexico.png メキシコ 463 t
4位 Papua-New-Guinea.png パプアニューギニア 433 t
5位 China.png 中国 335 t
6位 Turkey.png トルコ 290 t
7位 Tonga.png トンガ 198 t
8位 Uganda.png ウガンダ 161 t
9位 French-Polynesia.png フランス領ポリネシア 60 t
10位 Comoros.png コモロ 35 t


バニラ(Wikipedia)

原産地はメキシコ、中央アメリカといわれている。現在の主たる栽培地はマダガスカル、メキシコ、グアテマラ、ブラジル、パラグアイ、インドネシアなど。

蔓(茎)は樹木やそのほかのものにからんで成長していく。長いときは60 mを超える。種子は香料の原料となるが、収穫した豆(種子鞘)には香りはない。ここから発酵・乾燥を繰り返すキュアリングを行う事によって初めて独特の甘い香りがするようになる。鞘の中には非常に微細な黒色の種子が無数に含まれている。キュアリングを経た種子鞘が「バニラ・ビーンズ」として、またその成分を抽出し溶剤に溶かしこんだバニラ・エッセンスやバニラ・オイルが、アイスクリーム、ケーキ、スイーツ全般などをはじめとして様々なものに利用されている。

日本国内でも観葉植物として苗が流通することがあり、植物の入手自体はそれほど難しくない。しかし栽培には冬期に高い温度を必要とすることと、大きな株にならなければ開花しないこともあり、個人栽培で開花・結実させるのは難しい。

バニラの栽培地域
メキシコか、中央アメリカ原産であるが、現在はマダガスカルを中心に熱帯各地で栽培されている。2008年の全世界生産量980万トンのうち、インドネシア、マダガスカル、中国の3カ国で9割弱を占める。次いで、メキシコ、トンガ、トルコである。



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ウイキに因れば、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8B%E3%83%A9、天然バニラは数百種類の物質からなる混合物で主成分はバニリン、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8B%E3%83%AA%E3%83%B3、である。

いくつかの「バニラ」は既に合成されているようです。
味の素と長谷川香料の特許バニラは製法でしょうかそれともバニラ成分の合成でしょうか?

件の情報が株式関連の記事なら「まゆつば」かもしれません。
匿名
2017/01/12 15:30
匿名様

おっしゃる通り、まだ霧の中です。どの化合物化は?です。バニラという化合物は存在しないでしょう。代表として挙げるとするとバニリンでしょうが(Wikipediaのバニラの項にもバニリンの構造式が示されています)。
科学的な合成法はあるようですが(Wikipediaのバニリンに記されている)、微生物学的に合成するという話を聞いたのは、私はこれが初めてです。
糖(たとえばグルコースなど)から、芳香族(フェノール誘導体)を作る代謝経路が知られているとしても、これを発酵法で経済的に作り出すというのは技術だと思います。
ただ、まだ検討を開始したところのようですので、まだ乗り越えなければならない障壁はあると考えられます。
アルケミスト
2017/01/12 18:57
発酵法か否かは記憶があやふやですが、味の素(グルタミン酸ソーダ)を糖から造っているそうですね。https://okyakusama.ajinomoto.co.jp/qacate/material/index.html?first

関係あるか否か....1999年頃インドネシアで味の素が豚由来の酵素を使用しているので味の素はイスラム教のシャリアが禁じているので食してはならない、と宗教家が指摘して味の素回収の大問題になりました。

この事件に関してインドネシアの技術応用評価調(BPPT)の専門家が(豚由来の)酵素は味の素製品には含まれないので問題ないと解説しても世間の(言いだしっぺの宗教関係者)理解を得ることが出来ませんでした。
匿名
2017/01/12 19:40

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