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zoom RSS 地球に環境負荷を与えないシェールガス由来メタンの利用方法

<<   作成日時 : 2013/10/22 05:31   >>

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 まだ正月の初夢を見るには少しばかり早いが、このようなことができれば、エネルギー問題と環境問題が一気に解決するのに、との夢物語である。今はまだ夢物語である。

 シェールガスはアメリカで大量に採掘され、その価格は日本が輸入する天然ガス価格の1/4であるという。アメリカはこの安価なシェールガスをエネルギー源に、産業競争力を強化しつつある。一方、資源のない日本はエネルギー源を輸入に頼るしかなく、福島の事故以来、発電用の化石燃料(主に天然ガス)の輸入量が年間3兆円増加した。

 シェールガスの主成分は天然ガスと同じくメタン(CH4)だ。このメタンを単純に燃やせば、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)、そして熱エネルギーに変わる。人類はこの熱エネルギーを利用する代わりに、大気中に大量の二酸化炭素を放出しているわけだ。大気に放出され、ほぼ無限に希釈された二酸化炭素を回収して固定化することは難しい。これは現在、植物のみにできる仕事だ。

 さて、このシェールガスの可採年数は、アメリカでは150年と見積もられている。これを単に燃やしてしまうだけでなく、化学製品の原料とする研究も数多く行われている。従来は分子鎖の長い原油(石油)をクラッキング(分解)して、プラスチックの原料となるエチレンやプロピレン、化学製品の原料となるベンゼンやトルエンなどを得ていたが、今度は炭素鎖の一番短いメタンを出発原料に、これらの原料を合成していくことになる。化学反応式で書くと、

  2CH4 → CH2=CH2(エチレン) + 2H2
  3CH4 → CH3CH=CH2(プロピレン) + 3H2
  6CH4 → C6H6(ベンゼン) + 9H2

 いずれの場合にも多くの水素が副生してくる。この水素を、現在考えられている水素社会に回すことができれば、二酸化炭素を発生させることなく自動車を走らせることができるし、燃料電池により電気を作ることもできる。これはひとつのアイデアではあるが、多少現実味があるように思う。ただし、製造される化学製品原料の生産量と、必要とされる副生水素量のバランスが取れるかというところに問題がある。化学製品原料を製造するにもエネルギーが必要となるため、副生水素のかなりの部分は燃焼させてエネルギー源となるのではないだろうか。さらに、製造された化学製品原料を基に作り出された化学製品も、いずれは廃棄され、マテリアル・リサイクルされるもの以外は燃焼に回され、二酸化炭素に変化していくことになる。

 別の方法として、メタンより水素を取り出した残りの炭素は個体として将来の子孫のために蓄えるというのはどうだろうか。シェールガスから石炭を作る話である。

  CH4(ガス) → C(個体) + 2H2(水素ガス)

 メタンの分解で生じる水素の約1/3(27%)を燃料源とするとエネルギーバランスは合うので、シェールガスの持っている水素の2/3は利用可能となる。なお、これを目的とした反応は現在のところまだ実現していない。おそらく研究もされていない。現在主に行われている、この種の反応は、プラズマ中でメタンを分解することにより人工ダイヤモンドを合成する反応であり、その典型的なものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)を金属表面などにコーティングする技術である。炭素は揮発性がないので、触媒などを用いて分解しようとすると触媒上に炭素が沈着(沈炭)し、その触媒活性を急激に低下させることになる。理想は高いが、技術的には大きな困難が伴う。だから、大きな夢である。

 現在、メタンから水素を取り出す方法は、エネファームでもお馴染みの次の方法が一般的である。

  CH4 + 2H2O +エネルギー → CO2 + 4H2

 メタンを分解して生じた水素で水素文明を作り上げる。人類はこちらの方向性を指向しなければならないのではと感じている。メタンから水素のみを抜き取り炭素は子孫に残す。これが理想である。セカンド・ベストとしては、化学産業で生じた副生水素を水素化社会に活かす。これで足りない分の水素は自然エネルギーを利用して得られた電力で水を電気分解することにより得る。近い将来にこのような社会はやってくるだろうか? これは白日夢ではないとは思っているのだが。


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