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zoom RSS 著作権法に沿った引用と転載は、どこまで許されているか?

<<   作成日時 : 2013/10/26 10:17   >>

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 科学に関する論文においては、先人の研究成果を引用、場合によってはその一部を転載し、その上に新たな研究成果を加えて行く。そのことにより、今までどうであって、何が問題であったかを浮き彫りにし、それをどのように解決してきたかを明らかにすることができる。特許においてもその事情は同じである。科学・技術を発展させていくためには、引用・転載は欠かせない構成要件の一つであり、今日ではそれがない科学文献や特許の価値を認めてもらい難くなってきていることも事実です。時々、その引用や転載が、引用元を示すことなく、あたかも著者自身が成したものであるかのように装われることがあり、これが社会的な問題となる。これは間違いなく盗用です。

 科学に限らず他の分野においても引用と転載に関しては事情は同じです。引用や転載においては、その著作権は誰にあるかを明確にする必要がある。これは下に引用した著作権法32条に記されている。「引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」「国若しくは地方公共団体の〜著作物は、説明の材料として〜転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない」。全てはこれに集約されていると思います。

 判断の難しいのは新聞における報道です。事実の報道であればそこに著者の考えは含まれることはないので、これは著作権には該当しない。しかしこの範囲は非常に狭いものであると、下の文献3には示されています。この文献3はすでにWeb上からは消去されていますが、日本新聞協会の声明・見解で、著作権を検索すると2件のヒットがあります。一番新しいものは1997年のネットワーク上の著作権についてです。この結論は「(すべてのニュース記事について)原則として利用する際には承諾が必要」ということです。この声明・見解が出されてから15年以上を経ていますが、その後の声明・見解は見いだせていません。

 最初に述べた科学論文や特許の引用や転載と同様に考えると、新聞からの引用も、引用元を明記することにより、その適正範囲で可能になることになりますが、この部分についてはまだ灰色のようです。智恵が智恵を生んでいく世の中にあって、たとえ引用元を明記しても著者(新聞社)の承認を得なければそれが許されない社会というのは、その発展性とスピードにおいて大きな問題を含んでいることになります。世界の潮流はすでにビッグデータに。非常に多くの情報源をデータに情報処理を行うことにより、その出処が明らかにできないまでに情報を加工していけば、引用や転載は無関係になると言うことです。強いて言えば、引用元は関連するすべての記事や情報ということになります。新聞社がビッグデータに当社の記事内容を使わないように要請したとしても、これは事実上不可能な話であり、記事を使われたということを証明するのも事実上ほぼ不可能でしょう。このような時代に入ってきていますので、新聞記事に関する著作権の考え方も、少なくとも、科学技術や特許の世界と同じレベルになるべきではないでしょうか?

 著作権法が最上位にありますので、新聞社の見解より法が優先されると考えるのが普通だと考えます。後はその解釈の問題です。



引用(Wikipedia)より

 引用(いんよう、英語:citation, quotation)とは、広義には、他人の著作を自己の作品のなかで紹介する行為、先人の芸術作品やその要素を自己の作品に取り入れること。報道や批評、研究などの目的で、自らの著作物に他の著作物の一部を採録したり、ポストモダン建築で過去の様式を取り込んだりすることを指す。狭義には、各国の著作権法の引用の要件を満たして行われる合法な無断転載等のこと。

 引用は権利者に無断で行われるもので、法(日本では著作権法第32条)で認められた合法な行為であり、権利者は引用を拒否することはできない。権利者が拒否できるのは、著作権法の引用の要件を満たさない違法な無断転載等に限られる。

 本Wikipediaの項では著作権法で認められる引用(狭義の引用)について記述する。

 なお、科学論文においては、引用はむしろ内容そのものを参照することを指す場合が多い。


法の条文

32条(引用)1.公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2.国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。





2009年時点での私の理解

 以下に、関連情報を必要に応じ「引用」あるいは「転載」しています。

 文献1に非常に明確に引用に関するルールが記されていました。その一部のみを今回は引用させていただいていますが、この文献1の記載を守れば良いと考えられます。

 文献2は著作権法より今回必要となる個所を抜き出したものです。法第32条で(引用)の方法が担保されています。

 文献3はかなりの長文より必要と思われる個所を抜粋(「転載」)したものです。ブログを作成するときには、新聞記事の引用・一部転載も多くなります。日本新聞協会は、新聞は著作物であるので、引用の際は許可を取ってもらいたいと記しています。新聞記事は「事実の報道」以外の記事には著作権が発生していると判断されます。

 以上の文献より判断いたしますと、新たに作成する文書にとって必要となる部分をその出所を明らかにして利用していくことは著作権上許されるようです。どこまで許されるかは、その引用・転載の程度問題となります。新聞記事では「著作者の考え」が含まれている記事には著作権が発生します。

 (×)先人の文書をあたかも自分の文書であるように借用する。(×)引用先は記しているが、成果物(できあがった文書)のかなりの部分が転載文書で締められる、(○)文書の流れの中で必要に応じて出所を明らかにした引用・転載をし、その引用・転載およびその範囲が適切であること。(○)新たに作られる文書に著作権の内容に見合う内容が含まれていること。以上の条件を満たして、著作権法を遵守して出来上がった文書には新たな著作権が生まれます。



文献1
著作権法ガイド(無料引用のルール)
■ポイント(許諾なくても引用はできる)
著作権法は、
(1)著作権者の権利を守る(フルに引用するときは有料) だけでなく、
(2)公共の福祉のため、著作を無料・無許可で誰でも部分引用できるルール も定めています。
(3)さらに報道(ニュース記事)などは著作権法の例外になっていて、必要な範囲内で広く引用することができます。

文献2
著作権法 抜粋
第二章 著作者の権利
第一節 著作物
(著作物の例示)
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
  一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
  二 音楽の著作物
  三 舞踊又は無言劇の著作物
  四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
  五 建築の著作物
  六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
  七 映画の著作物
  八 写真の著作物
  九 プログラムの著作物
2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

文献3
PressNet 日本新聞協会
ネットワーク上の著作権について
――新聞・通信社が発信する情報をご利用の皆様に
                            1997(平成9)年11月6日
                             第564回編集委員会
要約 抜粋
引用開始
 新聞・通信社が発信するほとんどの情報には著作権があります。
・ 記事や写真を無断でホームページに転載すれば、著作権侵害になります
・ LANやイントラネットの上で利用するには、著作権者の承諾が必要です
・ ニュース記事には、著作権が働いています
 著作権法で「著作物に当たらない」とされている「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」とは、死亡記事、交通事故、人事往来など、単純な事実を伝える記事だけであり、ほとんどの記事には著作権が働いています。
・ 引用して利用する場合には、いろいろな条件を守る必要があります
 カギかっこを付け、出所を明示すれば引用になる、と安易に考えていませんか。引用の必然性があることや、質・量とも「主従の関係」でなければならないなどの条件を満たさないと、正しい引用とは言えません。
・ 要約紹介であっても、無断で行えば著作権を侵害することになります
 原作品を読まなくても内容が分かるような要約は、著作権法上の「翻案」に当たり、著作権者の承諾が必要です。利用が認められるのは、作品自体の存在だけを紹介するごく短い要旨程度のものに限られます。


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