ユーカリの葉に含まれる金を金鉱脈探索の指標に、は効果的か?
ブログの題名が「アルケミストは考えた」であるので、錬金術師としては「金」にまつわるニュースはできるだけ取り上げたい。そこで、掲題のニュースを取り上げることにした。このニュースは非常に斬新にして魅力的、しかも報文(Natureの記事)もしっかりとしている。
地中深くに存在している金鉱脈を探すのは難しい。この鉱脈を簡単に見出すための指標としてのユーカリを利用する方法の発見は画期的であるかもしれない。
原文を読んでいない時の私の疑問点は、
1.人間の毛髪直径の1/5、10~30μm、の大きさの金粒子が植物の根の細胞壁を通過したのか?
この通過はユーカリのみで起こるのか?
2.粒子の大きさを毛髪直径の1/5としているが、その粒子直径の分布はどうなっているのか?
小さな粒子や大きな粒子はたとえ根細胞を通過しても枝葉には至らないのか?
3.微量に含まれる金の分析方法は原子吸光分析法か?
分析が速やかに行われて行かないと、この論文の目的である近郊脈探しの効率が悪くなるため。
4.地下40メートルまでのボーリング法とこのユーカリ法のどちらが効率がよいか?
経済性のある近郊脈にはある程度の地理的な広がりが必要であると考えるため。
原文を読まずに疑問点を挙げましたので、原文ではすでにこれらのことには言及されている可能性もあります。
原文はこちらのNatureです。このニュースは、Natureで発表の後、世界中で大きく取り上げられたようです。
原文を読んだあとは、
1.イオン性の金化合物、キレートあるいはその他の形?、がユーカリの根から吸収され、植物中で還元を受けて金粒子となる。この理屈だと、金鉱脈中の金粒子の大きさには左右されないことになる。
2.金粒子の大きさは1~10μm。ユーカリ中の各部所における濃度が示されている。
3.分析はICP-MS、誘導結合プラズマ質量分析計、で。
4.分析にはそんなに手間がかからないのでこのユーカリ法は金鉱脈探索の良いツールとなる可能性がある。
今後の展開が楽しみです。
SankeiBiz 10月25日
ユーカリの葉から金の粒子 豪州で発見 探鉱コスト削減も
オーストラリア西部、西オーストラリア州の樹木の枝葉から、金の粒子が発見された。科学者らによると、これらの粒子は鉱床の存在を示唆している可能性があり、金を探す鉱山会社のコスト削減につながるとの期待が高まっている。
豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)がこのほど発表した文書によると、パースの東方約595キロメートルに位置する同州カルグーリー周辺地区にあるユーカリの木々が、金の粒子を含む水を吸い上げていることが分かった。
含まれている粒子は人間の毛髪の直径の約5分の1。金は植物にとって毒性を持つ可能性が高いため、木から離れ地面に落ちる枝葉に移動するという。
AFPBB News 10月23日
ユーカリの葉に微量の金、鉱脈探査の指標に 豪研究
ユーカリの木は、乾燥した地域で水を探すために地中深く根を張る。根は金を豊富に含む地層にも進入し、水分を吸い上げる際に微細な金属粒子を吸収する。研究チームは、ごく微量の金がユーカリの根に吸収され、木の内部を通って葉にまで到達することを明らかにしたという。
高さが10メートル以上に成長することもあるユーカリの木は、地下にも非常に深く広い根系を持っており、地下40メートルに達したものも記録されている。
金の濃度は、1トン当たり数百分の1から数千分の1グラムと極めて低いが、葉中の濃度が最も高いことを研究チームは明らかにした。「金はおそらく、植物にとっては毒であり、(葉などの)末端部位に移動されるのだろう」という。
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地中深くに存在している金鉱脈を探すのは難しい。この鉱脈を簡単に見出すための指標としてのユーカリを利用する方法の発見は画期的であるかもしれない。
原文を読んでいない時の私の疑問点は、
1.人間の毛髪直径の1/5、10~30μm、の大きさの金粒子が植物の根の細胞壁を通過したのか?
この通過はユーカリのみで起こるのか?
2.粒子の大きさを毛髪直径の1/5としているが、その粒子直径の分布はどうなっているのか?
小さな粒子や大きな粒子はたとえ根細胞を通過しても枝葉には至らないのか?
3.微量に含まれる金の分析方法は原子吸光分析法か?
分析が速やかに行われて行かないと、この論文の目的である近郊脈探しの効率が悪くなるため。
4.地下40メートルまでのボーリング法とこのユーカリ法のどちらが効率がよいか?
経済性のある近郊脈にはある程度の地理的な広がりが必要であると考えるため。
原文を読まずに疑問点を挙げましたので、原文ではすでにこれらのことには言及されている可能性もあります。
原文はこちらのNatureです。このニュースは、Natureで発表の後、世界中で大きく取り上げられたようです。
原文を読んだあとは、
1.イオン性の金化合物、キレートあるいはその他の形?、がユーカリの根から吸収され、植物中で還元を受けて金粒子となる。この理屈だと、金鉱脈中の金粒子の大きさには左右されないことになる。
2.金粒子の大きさは1~10μm。ユーカリ中の各部所における濃度が示されている。
3.分析はICP-MS、誘導結合プラズマ質量分析計、で。
4.分析にはそんなに手間がかからないのでこのユーカリ法は金鉱脈探索の良いツールとなる可能性がある。
今後の展開が楽しみです。
SankeiBiz 10月25日
ユーカリの葉から金の粒子 豪州で発見 探鉱コスト削減も
オーストラリア西部、西オーストラリア州の樹木の枝葉から、金の粒子が発見された。科学者らによると、これらの粒子は鉱床の存在を示唆している可能性があり、金を探す鉱山会社のコスト削減につながるとの期待が高まっている。
豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)がこのほど発表した文書によると、パースの東方約595キロメートルに位置する同州カルグーリー周辺地区にあるユーカリの木々が、金の粒子を含む水を吸い上げていることが分かった。
含まれている粒子は人間の毛髪の直径の約5分の1。金は植物にとって毒性を持つ可能性が高いため、木から離れ地面に落ちる枝葉に移動するという。
AFPBB News 10月23日
ユーカリの葉に微量の金、鉱脈探査の指標に 豪研究
ユーカリの木は、乾燥した地域で水を探すために地中深く根を張る。根は金を豊富に含む地層にも進入し、水分を吸い上げる際に微細な金属粒子を吸収する。研究チームは、ごく微量の金がユーカリの根に吸収され、木の内部を通って葉にまで到達することを明らかにしたという。
高さが10メートル以上に成長することもあるユーカリの木は、地下にも非常に深く広い根系を持っており、地下40メートルに達したものも記録されている。
金の濃度は、1トン当たり数百分の1から数千分の1グラムと極めて低いが、葉中の濃度が最も高いことを研究チームは明らかにした。「金はおそらく、植物にとっては毒であり、(葉などの)末端部位に移動されるのだろう」という。
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