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zoom RSS ムペンバ効果 実験的に再現性がないことが問題?

<<   作成日時 : 2013/11/15 00:22   >>

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 昨日の「電子レンジで氷を融かす」話につづいて、今度は氷を作る話です。常温の水から氷を作るよりも、お湯から氷を作るほうが早くできる、という、一見信じられない話です。1963年にこの現象が見出されて以来、多くの人々がこの解明に挑戦してきたようですが、その実態は未だに神秘のベールに包まれたままといったところです。

 この現象を解明した論文が投稿された、というのが下のアメーバニュースの記事です。この論文はこれから査読を受けることになりますので、雑誌に掲載されるかどうかは現時点では不明です。このニュースを読む限りにおいての私の感想は、「水分子間の水素結合距離は、その温度々々で瞬時に決まってくるものなので、ニュースが伝える説明には無理がある。従って、この投稿論文は査読には耐えられず、この論文は雑誌に掲載されることはないであろう。」というところです。これはまだ私の個人的意見ですが、一科学者の良心として言えることはここまでです。

 一方、一技術者の私は、「データに再現性がないとはいっても、一度出た最良のデータは、条件さえ整えれば再現よく実現することができる。」が仕事に望むときの私の基本的心情で、そうあって欲しいと思っています。したがって、科学者であるわたしと技術者であるわたしが、このムペンバ現象については相容れない状況下に置かれているわけです。ただし、科学者であるわたしも技術者である私も思っています。なぜムペンバ少年は、水ではなくアイスクリームミックスを使ってこの実験をしたのだろう。この現象の発見がアイスクリームミックスからであったにしても、その事実を発表するにあたっては純粋な水での実験を経てから発表すべきでしょう。ムペンバ現象が、水ではなくアイスクリームミックスの凍結に得意的な現象であるとすれば、そのつもりで解明に取り組まなければなりません。

 下に示したWikipediaによると、多くの哲学者がこの問題に挑戦してきたようですが、哲学的思考によると、「ウサギは永遠にカメに追いつけない」との答えも出せるので、科学的な問題の解決には科学者が当たるべきでしょう。そのためには、実験条件を整えて再現よく結果が得られることが最重要となります。水の冷却は難しい。容器に入れた水はその表面や、器壁に接するところから温度が下がり始めるので、容器の形も重要なファクターとなる。それを踏まえて、実験に挑む科学者がいるかどうか? 何もせずに、神秘は神秘のままに残しておくのもひとつの解決策ではあると考えます。



アメーバニュース 11月8日

お湯が水よりも早く凍る理由、解明か!?

水って不思議。

 お湯のほうが水よりも早く凍る。一見矛盾するようなこの現象、高温のアイスクリームミックスのほうが低温のものよりも早く凍ったことに気付いたタンザニアの学生にちなんで、ムペンバ効果と呼ばれています。

 何世紀もの間、著名な思想家たちが解明に挑むも、ついぞ仕組みが明かされることはなかったムペンバ効果。そこで登場したのが、シンガポールにある南洋理工大学のシー・チャンさんとその同僚たち。彼らはムペンバ効果の仕組みを解明したそうです。

 少し化学の話をすると…水分子というものは、2個の水素原子と1個の酸素原子が共有結合で結ばれています。しかし共有結合している水分子にある水素原子と、別の水分子の酸素原子が近づくと、水素結合という別の結合が発生します。例えば、同系列の他の物質と比べて沸点が異様に高いといった水の特質も、この水素結合に起因します。

 シー・チャンさん曰く、この水素結合がムペンバ効果を引き起こしているというのです。

 水の温度が上がると、水の密度は小さくなります。つまり、水分子同士が遠くに広がり、水素結合間の距離も広がります。反対に、共有結合間の距離は縮みエネルギーを蓄えるそうです。その状態から温度が下がると、水分子間の密度が大きくなり、水素結合間の距離も縮みます。

 それに伴い、狭くなっていた共有結合間の距離は広がり、蓄えていたエネルギーを手放します。このエネルギー放出のプロセスが冷却に等しいため、お湯のほうが低温の水よりも早く冷却される。この仕組みがムペンバ効果、ということ。

 チャンさんの説はまだ査読されていないため、残念ながらムペンバ効果の仕組みを紐解いたと断定はできません。真っ当な説明に聞こえますが、実際はどうなのか気になるところです。



ムペンバ効果(Wikipedia)

エラスト・B・ムペンバによる「発見」の経緯

 ムペンバ効果はタンザニアの高校生、エラスト・B・ムペンバ (Erasto B. Mpemba) が「発見」したとされる。ムペンバはマガンバ中学校の3年次当時の1963年に初めてこの現象に出くわしたという。ムペンバは調理の授業中、アイスクリームミックスを熱いまま凍らせたところ冷ましてから凍らせたものよりも先に凍ることに気付いたとされる。その後ムペンバはイリンガのムカワ高校に進学した。ムカワ高校では校長がダルエスサラームにある大学からデニス・G・オズボーン博士を招き、物理学の講演が行われた。講演終了後、ムペンバは「同じ体積の35度の水と100度のお湯を冷凍庫に入れたら、100度のお湯が先に凍りました。なぜでしょうか?」と、クラスメイトからは嘲笑の的にされるだけだった質問をしてみた。当初オズボーン博士は半信半疑だったもののムペンバの発見を検証し、ムペンバとともに1969年に研究結果をまとめ出版した(文献1文献2)。なおムペンバは2008年現在国際連合食糧農業機関 (FAO) の「アフリカ森林および野生動物委員会」で働いている。

「発見」の前史

 古代のアリストテレスやフランシス・ベーコン、ルネ・デカルトなど近世の科学者が気付いていた可能性がある。アリストテレスは彼がアンチペリスタシス(英語版)と呼んだ「ある性質の強度は、相反する性質に取り囲まれた結果として増強されうる」という (誤った) 特性によるものとした。

21世紀初頭現在の捉えられ方

 科学ライターのフィリップ・ボールは、2006年に雑誌フィジックス・ワールド(英語版)に寄稿した記事中で「問題は、この現象を効率よく再現するのが非常に難しいことにある。現象が現れることもあるし、現れないこともある。そして、もしムペンバ効果が真実である、すなわち高温の水が低温の水よりも速く凍結するとしても、現象の解釈がありきたりなものになるか素晴らしい発見となるかは明らかではない」とした。


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