情実人事は人を不幸にし、会社を弱体化させる

 情実人事とは、能力のない人を、能力以外の理由引き立ててあげることです。たとえば、彼と一緒によく飲みに行きから気心が知れている。彼の家族とは懇意にしているので、など。日本の会社組織ではよく見受けられる光景です。日本の社会は、ある程度はこの情実の部分で動いていることは確かでしょう。情実の幅を少し広く考えると、コネ入社などもこれに属してきます。そして、コネで入社させた人間には、情実の念がつきまとい、彼あるいは彼女に対して入社後も情をかけてやる、すなわち情実人事が行われていく可能性があります。

 情実人事で悪いところは、実力以上にその人を評価してしまうわけですから、結果的には能力以上の無理な仕事を押し付けることになり、会社としてもマイナス、その本人も苦しいという状況が生じます。そして、彼あるいは彼女に部下がいる場合には、その部下も大きな影響を受け、仕事ができないばかりか会社内での評価が低下することも起こります。会社内での自身あるいは周りに、なるほど、と思う例は必ず2件や3件は思い当たるでしょう。このようなことではいけないのですが、これが社会の現実でしょう。

 すなわち、情実人事では次のことが起こります。
ピーターの法則(Peter Principle)とは組織構成員の労働に関する社会学の法則。
1.能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平(ひら)構成員も無能な中間管理職になる。
2.時が経つにつれて人間はみな出世していく。無能な平構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人間で埋め尽くされる。
3.その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。

 なかなか手厳しいですが、情実人事の大きな弊害はやはり能力のある人がその能力を発揮できなくなるということでしょう。まず、先程も触れましたように、無能な上司のもとではその能力の発揮のしようがないこと、そして、本来の能力を発揮するにふさわしいポジションが無能な人に占拠されていることです。情実人事が進むと無能な人間は会社にとどまり、優秀な人間は会社から飛び出してしまう事態も生じます。

 当社には情実人事などない、という会社にも必ずどこかに情実人事はあります。人事評価は能力主義で行なっているといっても、評価するのは人(上司)です。人間に関することにこれが正解というものはないかと思いますが、それでも意識的に公平ということを意識し続けることが、情実を減らし社員を正当に評価することにつながり、活力ある組織を育てていくことになります。


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