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zoom RSS 談合があったことは統計的に証明することはできるのだが・・・・・・

<<   作成日時 : 2014/02/22 00:09   >>

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本日のブログは日本経済新聞(2月21日)からの受け売りである。といっても、一応理解したことを記していく。

官公庁の行う工事には談合がつきものである、といわれる。公務員が予定価格を業者に漏らし(※1)、その上で業者が結託して入札を行う。業者間にはルールがあり、どの業者も利益が最大化できるように、落札業者を決めて入札に望む。

※1 官製談合である。2006年に官製談合防止法が制定されたので、このケースは最近では少なくなっていると考えられる。従って、業者は価格を手探りしながら入札することになるので、最初は高めの価格から入れ札していくことになる。その結果、図に示されるような足跡を残すことになる。
 場合分けとしては、工事の発注金額がわかっている場合と、わかっていない場合である。この問題を考え解析していくと、それだけで立派な学問領域を形成する。波及効果(応用できる範囲)も大きい。


工事の予定価格にはローワーリミット(最安値)とアッパーリミット(最高値)が設けられている。この範囲に入る一番安価な業者が指名業者となることができる。最安価はこれより安い価格では十分な工事ができないであろうと設けられた金額であり、最高値は工事費用が高くなってしまわないように設けられた金額である。

新聞記事の著者、川合慶(ニューヨーク大学助教授)と中林純(東北大学准教授)は、1回目の入札で全業者の入札価格が最高値を超え、2回目の入札で入札業者が出た8000件の入札について、その入札価格を統計的に解析し、図の結果を得た。

画像


1回目の入札で、すべての業者は最高予定価格を超えてしまったが、その中で、安い価格を提示した業者から1番目、2番目、3番目と順位をつける。そして、2回目の入札が行われた時、この1番目と2番目の業者の入札価格差がどの程度になったかを見たのが図左である。横軸は式で書けば、

  (2番目の業者の入札価格−1番目の業者の入札価格)/入札予定価格

である。競争原理が働き、1番目の業者と2番目の業者が競争すれば、入札提示価格に逆転もあり得るので、この時は上式で計算した結果はマイナス値となる。ところが、実際には、図左のように、8000件のうち97.51%がこの値がプラス値となり、2回目の入札においても、1回目の入札で1番目の業者と2番目の業者の順番は1回目の入札時と変わらなかったことが示された。1回目の入札で2番目の業者と3番目の業者間には、談合という世界においては1番目の業者に勝たせさえすれば責任がないわけで、両者が入れ替わることもあり、その結果、図右に示されるように、その分布はマイナス値とプラス値の間にきれいな山を示した。

以上のことより、統計的に談合が広く行われていることが示された。この8000件の中で実際に摘発を受けたのは80件(1%)だけということであるので、談合はどこまでも旨みがあるシステムであるということになる。談合が無くならないのは理解できる。



さて、ここからが私の感想である。

1.業者はなぜ統計で解析されてしまうような、下手な手立てを使って談合を繰り返すのであろうか。もし、最安値と最高値が最初からわかっているのであれば(※1、上で示した通りである。わかっていない場合が多いのでこのケースは考えにくい)、最初は全業者が最高値より高い札を入れ、その時に本命業者は1位、2位あるいは3位と、1番目にこだわらない順位付をしておく。そして、2回目の入札時に1番目の業者とすれば、図左のいびつ性はなくなり、左右対象の綺麗な図となる。

2.もしもこの傾向がこれからも続いていくようであれば、1回目と2回目の入札で1番目の業者名と2番目の業者名に変化のないことを確認し、1番目の業者についてこれが3回(何回でも良いのだが、一応)連続して続くようだと、談合の疑いが強いとして立入検査の対象とする。上で示した※1であれば、この取締は有効に働く可能性がある。

3.以上のルールを決めておけば、日本の業者はきっとその裏を読んで実行するから、統計的には証拠は出てこなくなり、善し悪しは別にして表面的には談合の事実はなくなる。※1であれば、談合しにくくなり、その結果、工事金額の引き下げが可能となる。


なお、今回の新聞記事にあるように、統計的に解析すると、談合は確かに行われているのだが、それでも1件1件について調査しようとしても、談合でないと言われてしまえばそれでおしまい、というのが現状だろう。アメリカ式に、内部告発した業者には罪を問わない、それ以外の関係した業者については罪を重くするという方法は良いと思うが、日本の社会ではまだ実効は出ないであろう。談合をなくするとういうことは永遠のテーマであるが、その実現は極めて難しいテーマでもある。ただし、談合を白日の下に晒せるのは内部告発よりない。


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