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zoom RSS STAP問題を受け文部科学省が研究者・学生に倫理教育を義務化

<<   作成日時 : 2014/03/30 00:04   >>

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日本経済新聞によると、今回のSTAP問題を教訓として、研究者・学生に倫理教育を義務付けるとある。ここで問題となるのが「研究者倫理」とは何かということである。この定義を明確にすることが重要であると考えるのだが、日本経済新聞には「研究論文の作成に関する基本的な知識が欠けていた恐れがあり、理研の管理能力や研究者が博士号を取得した大学における教育のあり方に批判が出ていた」とは記されているが、研究者倫理については触れられていない。

研究者として「やってはいけないこと」を「やってはいけない」と教えなさいと言っているのだと思うが、これは「人のものを無断で借用したら泥棒だよ」「嘘をついたら罰せられるよ」「人に迷惑をかけるようなことをしてはいけないよ」ということであり、何も研究者に限ったことではない。小学生の時から親や教師に事あるたびに懇懇と説教されてきたことではないか。

STAP問題に当てはめて考えると、
 人のものを無断借用・・・・・・・・・・・引用先も示さずにコピペはないだろう
 嘘をついたら罰せられるよ・・・・・・画像の編集や、使用マウス種の違いなど
 人に迷惑をかけてはダメ・・・・・・・・理研という組織が国際的に信用失墜した
となる。

文部科学省も何を今更なことを改めて言うのかと思ってしまうが、博士課程に進む人数が20年前に比べて4倍にも増えるとこのようなことにも気を配らなければならなくなるのか? 大学の先生も小学校の先生と同じことをしなければならなくなったということである。最近の博士号は博士(○○)となっているが、以前の○○博士と比べてその程度が低下したかということも、この際、文部科学省は精査する必要があるのではと、ついつい余計なことまで考えてしまう。

「研究者倫理」については、産業技術総合研究所(産総研)が独自の規定を作っている。引用すると、

研究者倫理について、

 科学研究に関する倫理の根幹は、正義性(Justice)、社会性(Social Responsibility)、高潔性・誠実性(Integrity)にあります。正義性とは一人の人間として人類に貢献する姿勢を意味し、社会性とは社会の一員として責任ある行動をとることであり、また、高潔性・誠実性とは研究者として正直で恥じることのない行動をとることです。

(中、略)

 このような研究を行う上で、研究者として対象に真摯に向き合い、実験や理論的考察等から得られる結果を最善を尽くして解釈し、それらを正直に報告することは高潔性・誠実性の最も重要な部分です。また、研究課題の提案や研究成果の発表にあたり、他者のオリジナリティーを尊重し、適切な引用等を行うことも重要です。これらは近代科学の成立以来、科学者が自らのコミュニティーの中で育み共有してきたもので、科学研究に携わる者が等しく認識すべき共通倫理であり、この行動規範で「研究者倫理」として定義するものです。

(中、略)

 研究者倫理、特に高潔性・誠実性からの逸脱として研究者コミュニティー内部のみならず広く社会からの信頼を失うものに、研究ミスコンダクトがあります。狭義には、データの捏造(Fabrication)、偽造(Falsification)、剽窃(ひょうせつ)(Plagiarism)を言います(これらは併せてFFP と呼ばれます)。データの剽窃は「他の研究者の発表結果や、未発表データあるいはアイディアを適切な手続きを踏まず、かつ、引用もせずに記述すること」です。産総研では、これらの行為に対しては、「独立行政法人産業技術総合研究所における研究ミスコンダクトへの対応に関する規程」を既に定め、研究ミスコンダクトを発見したとき、又は研究ミスコンダクトがあると思料するに至ったときの、申立手続き、予備調査の進め方、本調査の進め方等を規定しています。

 広義の「研究ミスコンダクト」は、FFP に加え、例えば論文執筆における不適切な引用や、実質的な貢献のない人を論文の著者に加えることなども含まれると考えられています。こうした例は決して特殊なことではなく、多くの研究者が何らかの形で遭遇すると考えられます。その意味では、「研究ミスコンダクト」を身近にも起こりうる“研究の病理”と捉え、より高い倫理性を確立・保持する努力が重要です。なお、研究遂行に当たり誠実な取り組みをしたにも関わらず、結果的に誤った結論を導いてしまったケースは、研究ミスコンダクトには該当しないということは強調されるべきです。

(後、略)

正にこれである。

以前のブログ「人はなぜ研究結果を捏造するのか? その心は?」で、その心には次の可能性があるのではと記した。

  1.功名心があり、有名になりたいとの欲望に負けてしまう。
  2.不正を働くことにより経済的あるいは地位的な利益を受ける。
  3.立場上、不正を働かざるを得なくなる。
  4.夢想していることを自分でも事実と信じ込んでしまう。
  5.研究結果の解釈の誤りで、結果的に誤った情報を流してしまう。

STAP細胞の存在はまだ否定された訳ではないが、日毎にその存在確率が下がってきている。もし、STAP細胞が存在しないとなると、1.〜5.の何らかの理由があった可能性が出てくる。これらが複合的に絡み合っている可能性もある。

いろいろと思いを巡らしてしまうのが人の常ではあるが、今は、現在続けられている検証の結果を静かに待つべき時である。あれこれ思ってもそれはただ邪推となるだけである。



日本経済新聞 3月28日

研究者・学生に倫理教育 文科省が義務化、STAP問題受け

 文部科学省は国内の大学や独立行政法人など研究機関に所属する大学生や研究者に倫理教育を義務付ける方針を固めた。理化学研究所が発表した「STAP細胞」の論文で問題が発覚した点を踏まえ、研究者を育てる大学時代からの教育が不可欠と判断。体制に問題があれば研究機関の人件費などの経費を削減する措置を取る。

 同省は5月にも研究活動の不正行為に関する指針を改正して研究論文に絡む問題の再発を防ぐ。

画像



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2016/05/20 22:20

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
☆ STAP細胞の存在はまだ否定された訳ではないが、日毎にその存在確率が下がってきている。☆

おっしゃる様に、この研究について期待していたのに残念な事に成って来ました。本当に出来るかどうかを早く第三者が検証して欲しいと思います。

研究者の倫理観が大切で、誠実に実験結果を受け止めて真面目に論文を執筆すれば、こんな事にはならないと思います。理研の共同執筆者が何故正しい手法で論文を投稿・発表する前に厳密に検証しなかったのか不思議です。

この話は、企業から発売される商品も同じ事が言えます。誇大広告や性能を偽って世に売り出す事です。

一言、人間の煩悩です。


華の熟年
2014/03/30 07:10
STAP細胞の論文について、理研調査委が最終報告を行いましたね。小保方さんが一人で画像やその他の不正をしたと記者会見をする。その他10人以上の共同執筆者は知らなかったと弁明しています。空いた口が塞がらないとは、こんな時に使います。美味い話しに乗って共同執筆者に名を連ねて、風向きが変われば一斉に逃げ出す。小保方さんが可哀想です。弁護士をたて不服申し立てをするそうです。科学者は名誉を求めるのでは無く、サイエンスの真理を求めるのが正しい生き方です。
華の熟年
2014/04/01 19:10

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