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zoom RSS 追認 「ヤマザキパンはなぜカビないか」は蓄積した技術力の勝利

<<   作成日時 : 2014/06/02 22:13   >>

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正月に買った山崎パンがまだカビずにいる。袋の外からさわれば柔らかい。今日、売られている食パンと外見上はなんの代わりもない。

                  2014年6月1日撮影
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「カビないパン」は、「中国のカビの生えない菓子」を連想させるためか、山崎製パンがとんでもないものを食パン製造工程で使用し、その結果として「パンがカビない」と短絡的に考える人も多いようだ。あとで詳しく触れるが、渡辺雄二著「ヤマザキパンはなぜカビない」(2008年、緑風出版社)は結構販売部数を伸ばしたようだ。

この本では、山崎製パンで食パンを製造する際に、臭素酸カリウム(KBrO3)を微量に用いることを問題とし、トンデモ食品と言っている。この臭素酸カリウムが人体に悪影響を与えないことの確認をしていくのが、本ブログの目的である。

私が理解したところを結論的に言うと、山崎製パンは知識・経験が豊富で、臭素酸カリウムをうまく使いこなして食感の良い食パンを作っている。長期間置いてもカビが生えないのは無菌化が徹底しているからと考えられる。情報は得られなかったが、食パンの包装材は徹底的に無菌化され、そこに焼き上がった食パンが速やかに収められるようになっているのだろう。そうでなければ、半年以上もカビが生えずに持つわけはない。




まず、山崎製パン(Wikipedia)には次のようにある。

臭素酸カリウム問題

1992年に国際連合食糧農業機関「FAO」と世界保健機関「WHO」の合同委員会であるコーデックス委員会「CODEX ALIMENTARIUS COMMISSION」が臭素酸カリウムの発癌性(イニシエーターおよびプロモーター)を発表したことを受け、厚生省は山崎製パンの商品に臭素酸カリウム溶液を用いることを控えるよう要請し、同社はこれに従い使用を自粛していた。

2003年に厚生労働省から定量分析限界の技術向上に伴う新たな公定法が通知され、正常な製パン工程を遵守するならば焼成後のパンに臭素酸カリウムの「残存は検出されない」知見を得て、2004年に臭素酸カリウム溶液を用い製造する商品を発売している。

FAO/WHO合同食品添加物専門家会議「FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives (JECFA)」は「臭素酸カリウムの小麦処理剤としての使用は適切でない」との評価を、1992年と1995年の会議では変えていない。



このブログのタイトルに「追認」の文字を冠したが、これは、これから記述していく内容の大筋は次の記事にすでに記されているからである。記事のタイトルと、その要点は次のようである。


「ヤマザキパンはなぜカビないか」論に見る一般人に対する騙し行為 長村 洋一(鈴鹿医療科学大学) 10ページ資料

少し長くなりますが、引用を

(タイトルに挙げた書籍は)山崎パンがカビない理由を臭素酸カリウムに結論付けることを目的にしているが、臭素酸カリウム自体は防カビ剤ではなく小麦改良剤として使用されている。

「発がん性のある物質は怖い化学物質である。だからそんな物質が入っていればカビが生えない」という実験条件の設定を素人は納得するという一般人を馬鹿にした極めて悪質な騙しのテクニックがある。

(食パン中に残存している未分解の臭素酸カリウムの濃度は)0.5ppb(以下)という量が余りにも少なすぎる。(※1ppbは、1トン中に1ミリグラム含まれているということ)

パンの中の臭素酸カリウムでカビが生えないということを論じようとするならば、きちっと量に基づいた作用を論じなければいけない。そうすると臭素酸カリウムが出来上がったパンの中に検出されてはならない、という食品衛生法の縛りが大きく効いてくる。すなわち、臭素酸カリウムはパンに残っていてはいけないのである。実際に厚生労働省は現在0.5ppb以下の含有については含まれていないと認めている。

水道水の臭素酸の基準値は10ppb以下である。そして、実際の水道水には数ppbの臭素酸が含まれている。もし、0.5ppb以下の臭素酸がカビの発生を抑制するのが事実であるとしたら水道水の基準値は毒性を含めて再考を要するとんでもない高値となり今までの経過から大きな問題になっているはずである。

この限りなく無菌的な環境で製造するという点に関して、少し古い話になるが、不二家の事件のときに、その再建の手伝いを買って出たのは山崎製パン株式会社であったが、山崎製パンはそ51の技術支援をAIB(American Institute of Baking食品安全システム)という米国の食品安全管理手法によって行うことを報告している。この方法による製パンの管理は非常に優れた方法と業界では見なされている。「清潔に作られている」ことがカビの生えない大きな条件であることがまずその一因であると考えられる。

カビの生育しにくい状況をパンに作ればよいわけである。その最も手っ取り早い方法はpHを酸性側に持ってゆくことである。

                                                           引用終わり



食パン中に臭素酸カリウムが残留していないことについては次の論文中に記載されています。

食パン中の残存臭素酸量に及ぼす製パン条件および還元剤の影響(2004年)  9ページ資料

パン生地中に添加した臭素酸カリウムは小麦タンパク質中のチオール基(-SH基)を酸化し1)2),タンパク質の
三次構造を変化させ3),生地の粘弾性を高める結果4)〜6),パンの比容積が増大し,火通りがよく,歯切れと口溶けがよい食感となる.



パンのカビ発生メカニズムと保存試験の結果について(山崎製パン)

Q3.消費期限が過ぎていつまでもカビが生えないことがあるのはなぜですか?
 カビの発生は、カビの胞子がパンの表面に付着し、胞子が発芽・生育して集落(コロニー)を作ることにより、肉眼で見える大きさになります。カビが生えない理由の第一は、パン表面にカビ胞子の付着がなかったためですが、カビ胞子の付着があっても生育条件が整わなかった場合(例えば保存温度が低いとか、パン表面が乾燥していたなど)、カビの発育が遅れて生えてこないことがあります。弊社では、30℃の保存試験を行い余裕をみて消費期限を定めていますので、保管温度が低い場合、消費期限が過ぎてもカビ発生が遅れたり生えてこないことがあります。

Q7.食パンに使われている食品添加物とカビ発生との関連はありますか?
 弊社食パンで使用しております乳化剤、イーストフード、ビタミンC等の食品添加物は、保存料と日持向上剤のいずれでもなく、カビを抑制する目的をもって使われているものではありません。しかし、パン生地中ではパン酵母発酵改善効果を有する食品添加物(イーストフード、ビタミンC)により、パン酵母の発酵が促進され、アルコールや有機酸などの発酵生成物が多く生成されるため、食パンの風味が向上すると共にカビの生育抑制効果も得られます。

2.当社製品並びに他社市場買付製品のカビ発生試験結果
 詳細はURLで参照してください。



そして、山崎製パンが取り入れている AIB Food Safety とは、次のようになっています。

AIBフードセーフティ(GMP)指導・監査システムは、
 「異物混入事故の防止と低減」
 「HACCPの基礎構築と強化」
 「会社組織全体の意識強化」
 「従業員の意識改革促進」
 「自主検査の効率化」
 「顧客満足の達成」
 「流通・供給元の管理と信用」 等

 の目的として幅広く活用されています。


参考 食パンができるまで マルト神戸屋



さて、本ブログのタイトルにある、渡辺雄二著「ヤマザキパンはなぜカビないか―誰も書かない食品&添加物の秘密」(2008年、緑風出版社)です。

内容説明

ありとあらゆる加工食品には多種多様な食品添加物が使われています。また、お弁当や惣菜には防腐効果のある添加物が使われています。本書ではこうした食品や添加物を一つ一つ取り上げ、消費者の視点から見直しています。食品業界のタブーを破る。

目次

なぜ、ヤマザキをタイトルにしたのか
ヤマザキパンはなぜカビないか
コンビニの弁当・惣菜・カット野菜はなぜ傷まないか
回転寿司店のお寿司は安心して食べられるのか
グレープフルーツ、レモン、オレンジはなぜカビないか
カズノコはなぜ「黄金色」をしているのか
ハム・ソーセージ、いくら・たらこはなぜ黒ずまないか
はんぺん、ちくわ、漬け物はなぜ腐らないのか
生そば、生うどんはなぜあんなに日持ちするのか
駅弁はあぶない添加物だらけ
一目でわかる、添加物表示の見方
「食べてはいけない」添加物
食べてはいけない「以外」の添加物はどうする?
人間の体を育む食品を!


11レビュー

星5つ: (5)
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星3つ: (0)
星2つ: (1)
星1つ: (3)

本書の質に対しては賛否が真っ二つです。また、カスタマーレビューも大きく意見が分かれています。人と情報の接し方、そして情報に接した時に人がどのようにその情報を認識するか、面白い内容がこのレビュー中には含まれていると感じます。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
(※1ppbは、1トン中に1グラム含まれているということ)→1ミリグラムでは?
スズキ
2014/06/10 16:45
スズキさま
 どうもありがとうございました。本文を修正いたしました。
畑啓之
2014/06/10 22:30

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