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zoom RSS アミノレブリン酸が切り拓く健康市場は将来も有望

<<   作成日時 : 2014/06/28 03:55   >>

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アミノレブリン酸という化合物がある。これは、下の図の左端の化合物であり、ポルフィリン環(PpIX)生合成の原料である。Mg(マグネシウム)が中心に来るとクロロフィルとなり葉緑素などに含まれて光合成に、Fe(鉄)が中心に来ると赤血球中のヘム鉄となり酸素運搬に重要な役割を果たす。

癌細胞(腫瘍組織)中には、このポルフィリン環が下図にあるように、金属と結合せずに蓄積されるので、これを検知することにより癌細胞位置を特定することができる。アミノレブリン酸を癌患者に投与した後、外部より励起光を当てると癌部位が赤色の蛍光を発する。非常に強い励起光を照射するとこのポルフィリン環が活性酸素を産生し、これにより癌細胞を死滅させる研究が現在続けられている。


現代化学 2014年6月、p36より
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アミノレブリン酸(Wikipedia)によると次のようになっている。

医療分野においては光増感剤として、光線性角化症やニキビの治療薬(光線力学的療法、PDT)に用いられており、近年ではレーザー照射と組み合わせて脳腫瘍の術中診断(光線力学的診断法、PDD)に用いられる。また、皮膚癌等の癌の治療も試みられている。

低濃度のアミノレブリン酸と微量のミネラルを配合した水溶液を植物に散布すると、葉緑素が増えて成長を促進させる。そのため、これを添加した液体肥料が販売されるなど、農業分野においても応用されている。逆に、光増感剤の作用を生かして除草剤としても用いられる。

現在、コスモ石油において光合成細菌による大量生産法が確立されている。



そのコスモ石油のホームページでは、アミノレブリン酸の有用性が紹介されている。

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アミノレブリン酸の製造方法は、現在は光合成細菌(微生物)による方法となっている。ここにアミノレブリン酸の紹介ビデオがあり、有用である。化学合成法は「従来、ALAは化学合成法で製造されていましたが、原料からALAを作り出すまでに多くの手間とエネルギーを必要とし、また反応の効率も悪いため、製造コストが高く、研究用試薬などの限られた用途にしか利用できませんでした。」と記されており、効率の良い製造方法ではないようだ。


それでも、有機化学を業とするものにとっては、これを合成技術で収率よく作りたいと思うのが人情である。そこで、有機合成の通常の知識を応用して考えたのが次の合成ルートである。

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このルートについて特許検索をかけると、ずばりこの方法での出願があった。特開2005−272360(5−アミノレブリン酸の製造方法、東レ株式会社)で、実施例によると、1段目の青酸塩との反応収率が90%、2段目の還元反応収率が98%となっている。なかなかに良い方法である。しかし、この特許出願はなぜか審査請求されていない。


以上、アミノレブリン酸の有用性とその製造方法について記した。



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