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zoom RSS 企業発展の原動力 研究開発 すべき研究、してはならない研究

<<   作成日時 : 2014/07/13 11:46   >>

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企業は市場が求めるものを世に問い、その成果をもって評価されるものです。ニーズやウォンツの要求に応えていくこと。これが企業に求められる社会的使命のひとつです。そして、この社会からの要求に応えるために必要となってくるのが、技術の向上、ノウハウの蓄積、効率的な生産体制の構築、そして研究開発です。これらは、ヒト・モノ・カネ・情報と有機的に関連し合いながら時間の経過とともに高度化していきます。

ここでは研究開発を取り上げますが、この研究開発にもヒト・モノ・カネ・情報の全てが深く関連しています。なかでも、社会でいま何が要求されているのか、また近い将来、遠い未来において社会で何が必要となってくるのか。そのためには、今何をすれば良いのか。そのためにはどのような人材が必要となり、また研究設備が必要となってくるのか。それにかかる費用はいくらくらいで、それをどのように工面するのか。投入した費用をどのように回収していくのか。などなど、研究開発を行っていく上で考えなければならない多くの項目があります。

しかし、研究開発において根幹をなすものは、なんといっても「何を研究してどのような成果を得るか」が一番重要となってきます。もちろん、5W2Hをしっかりと規定していく必要があります。

研究開発は当然のことながら計画通りに進むはずはありません。計画通りに進む研究開発があったとすれば、多くの場合、その研究が完成した時には、その研究成果はすでに世の中で陳腐化している可能性が高くなっています。なぜならば、容易に成果に至る道を思い描き計画できるということは、他社にも同じことができるということです。日本の家電メーカーが時を同じくして同じような製品を市場に投入する。各メーカーはこれが出来た時には、がっぽり儲かるという皮算用のもとに製品開発を始めたものと推量されますが、結果的には同業他社も同じことを考え研究開発を実施した結果、製品が出来上がった頃にはその努力が報われないという結果となります。

私は研究開発においては下図に示すように、少なくとも2つの要素を考えなければならないと思っています。ひとつは縦軸に示した開発能力です。これは、いつ頃にどのような製品をいくらくらいでどのくらいの量、上市していくかというものです。この読みを誤ると先ほど示した家電メーカーのようになってしまいます。また、既に市場にある製品あるいは商品群に参入していく場合には、当社には他社にない強みが必要となります。開発に携わる人の能力が大きく問われるところです。優秀な開発マンのもとでは研究員が活かされ大きな成果を生むことになりますが、逆の場合には時間と資源の無駄遣いとなります。これは、一企業においてもそうですが社会的に見ても大きなロスになるということです。

下図の横軸は研究開発のポテンシャルです。現在持っている技術力やノウハウ、それに基づく得意分野、そしてその実力です。これが他社をはるかに凌駕しているようであれば、それに基づき開発されてくる製品には特徴があり、競争力もあることが期待できます。しかし、研究開発の宿命としては、多くの場合、この研究開発のポテンシャルの高い位置から研究がスタートすることは稀です。スタート時にはこのポテンシャルが低いところにある場合が多くあります。ただ、このポテンシャルを高い位置に持っていかないことには研究開発が成功しても、その成果物である製品が市場に受け入れられないとの認識は重要です。従って、この研究開発ポテンシャルが高い状態とはどのような状態を言うのかは、研究を開始する前に十分に議論しておく必要があります。

ここまでをまとめますと、研究開発が成功するためには、下図において開発能力が高い位置にあり、さらに、研究開発ポテンシャルが高い位置にある、そのような研究成果が、研究開発には求められているということです。

下図においてこの範疇以外の領域に属する研究開発については、再考する必要があります。開発能力については何を、あるいはどの分野をと決めているわけですので、こちらはなかなか動かしにくいと思われます。従って、最初に方向性が誤っていると致命的になります。一方、研究開発ポテンシャルについては、こちらは人の知恵の投入ですので、これ以上に優れた方法や物がないと思われていても、時間の経過とともにそれを凌駕する方法や物が出現してきます。したがって、研究開発ポテンシャルについては研究者の叡智と努力で、低から高へと変えて行ける可能性が十分にあります。


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「研究開発におけるあるべき発想」を下にまとめてみました。他にも項目はあるとは思いますが、最低限この位のことは考慮しておく必要があると思います。研究者でも、他社が当社と同じ製品を開発している、また同じような方法で実施していると聞くと、当社の研究開発の方向性は誤っていないと安心感を持つ人もいますが、これは全くの論外です。海外からの技術導入による製品上市の機会は皆無ではないとは思いますが、今の日本においては、かなり以前より特徴のある技術と製品で海外と競争する時代になっていることを認識すべきです。もっと言うと、技術輸出、製品輸出をして外貨を稼ぐ会社でなければ存在価値がなくなってくると思っています。


 研究開発におけるあるべき発想

  教科書の記載は皆が知っている事柄である。
  誰かがそう言っているなどは論外である。
  同じことをしていては勝てない。
  常識を捨てて考えてみる。
  可能性のある発想は実際に試してみる。
  失敗には、なるほどと思える失敗と、
         思ってもみなかった失敗がある。
  何故だろうと突き詰めて考えるところに発展がある


文献調査についての私の考え方です。私は、発想したことが文献にないと喜びます。その前提は、発想したことが発想した通りに進む可能性が大きい、あるいは現実味のある発想をするからということです。この現実味のある発想が、もし技術や製品として出来上がって競争力を持つとき、その技術や製品が文献にないということは非常に喜ばしいことです。研究者には、発想の範囲とその確からしさを担保する実力が求められるということです。


 文献調査

  世にある技術を知る手段ではあるが、
  発想を確認するためのリトマス紙でもある。
  発想した事柄が文献に見つからないと、ダメだという人、喜ぶ人、の双方が居る。
  研究とは、
   一面では既存の技術・知識の積み木による成果の創作であるが、
   他面では成果(利益)を得るための技術・知識の創造でもある。


最後に、私が属する化学の分野では、物質特許で物質(製品)を守ることはできますが、製法をまもることは難しいと言われています。特許を出願するかしないかはケース・バイ・ケースですが、ジレンマです。それでも、製法特許を出願しておかないことには、後に他社が当社の製法で特許を出願した時には、自由度を制限されることになります。


 製法技術の優位性は

  特許・ノウハウで守れるか?
  特殊な生産設備を必要としない製法か?
  低価格で作れるか?
  生産量が増えるとコストは低減するか?
  製品寿命は長いか?
  機能を代替する製品は存在していないか?
  環境に負荷をかけていないか?
  会社の器に合っているか?



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