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zoom RSS 急拡大するエボラ出血熱対策に、富士フイルムの抗ウイルス薬が注目される

<<   作成日時 : 2014/08/10 04:08   >>

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西アフリカでエボラ出血熱が驚異を振るっている。空気感染の可能性は少ないとされ、発症の地域は限定的であるが、その致死率の高さゆえに世界を震撼させている。世界はパンデミックを恐れている。

発症の原因となるのはウイルスで1976年に発見された。それ以降、エボラ出血熱に効果がある抗ウイルス薬の開発は行われてはいるが、現時点では決定的な「クスリ」はまだ見いだせてはいない。

この状況の中、効くのではないかとかとの「クスリ」情報が2件報じられた。

1件はタバコの葉から作られた抗体薬とされる。そして、もう一件は富士フイルムのファビピラビル。「RNAポリメラーゼ阻害剤」とある。

ファビピラブルの強みはそのウイルスを押さえ込む機構と、すでに量産技術となっていることである。日本の医薬が世界をパンデミックから救うことが期待される。


新しい作用メカニズムを有する抗インフルエンザウイルス薬「T-705」日本国内での製造販売承認申請のお知らせ(2011年3月30日)
今回開発したT-705は、ウイルスの細胞内での複製を阻害することで増殖を防ぐという新しいメカニズムを有する薬剤(RNAポリメラーゼ阻害剤)です。


抗体医薬品についてはこちらを参照。そして、RNAポリメラーゼ阻害剤についてはこちらを参照。




日本経済新聞 8月7日

エボラ未承認薬、米が2人に試験投与 課題なお多く

エボラ熱に感染したのは、リベリアで患者の治療にあたっていた米国人の男性医師と支援団体メンバーの女性。2人は「ZMapp」と呼ぶ未承認薬の投与を現地で受け、特別機で米国に戻った。

 ZMappは米カリフォルニア州の創薬ベンチャー企業が開発した新薬で、タバコの葉でつくられた3つの抗体を含む。サルの動物実験で効果はあったが、ヒトに対する効果や安全性は確認されていない。現在は薬も少量しかないという。

2人は米ジョージア州の大学病院の隔離病棟で治療を受け、体調は回復傾向にあるという。ただ未承認薬の効果があったかどうかは不明だ。



NewSphere 8月8日

富士フイルムのインフル治療薬、エボラ新薬として期待 治験例豊富、安定供給…米当局申請ヘ


エボラ新薬として最も期待されているものの1つが、富士フイルムグループの富山化学工業が開発した「ファビピラビル」だ。

ファビピラビルはインフルエンザ治療薬として開発された。他の薬が効きづらい鳥インフルエンザに対しても効果があるため、パンデミックを防ぐための備蓄薬として、日本では3月に製造が承認されている。

エボラ治療薬としての効果は、マウスでの試験例が今年2例あるほか、現在、国防総省の肝いりで、サルでの試験が進められているという。試験の暫定的な結果は9月中頃に得られる予定で、その後の審査も迅速に行われる見込みだ。

ファビピラビルの有利な点は、インフルエンザ治療薬として、ヒトでの治験例がすでに豊富なことだ。ヒトでの試験がまったく行われていない他の新薬よりも、安全性が高いと言えよう。また、備蓄薬として考慮されているので、安定供給体制を構築していくと富山化学工業がうたっていることも大きい。

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JCastNews 8月8日

富士フイルム株が急騰、年初来高値 エボラ出血熱に同社インフル薬有望で

ファビピラビルは、日本では2014年3月24日にインフルエンザ治療薬として承認されており、米国でも現在、インフルエンザ治療薬として治験の最終段階にある。

富士フイルムHDはファビピラビルの、エボラ出血熱の治療薬としての可能性について、「インフルエンザとエボラ出血熱のウイルスは、似たような型(RNAウイルス)なので、(効く)可能性があることはわかっていました」と話す。

同じインフルエンザ治療薬でも「タミフル」にその効果が見込めないのは、薬の作用(効き方)が異なるため。

インフルエンザウイルスは、感染した細胞内で遺伝子を複製し、増殖・放出することで他の細胞に感染を拡大する。「タミフル」(ノイラミニダーゼ阻害剤)の場合は、遺伝子が複製された後の「放出」を阻害して感染の拡大を防ぐ。しかし、ファビピラビルは「RNAポリメラーゼ阻害剤」といわれる、ウイルスの細胞内での遺伝子の「複製そのもの」を阻害することで増殖を防ぐ、新しいメカニズムを有する薬なのだ。

すでに鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)やA(H7N9)などに対する抗ウイルス作用でも、実験動物レベルでの効果が確認されている。





エボラ出血熱(Wikipedia)

フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症。出血熱の一つ。ヒトにも感染し、50-80%という死亡率を持つ種類も存在する。

エボラウイルスは大きさが80 - 800nmの細長いRNAウイルスであり、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず多種多様である。

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初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月。その後エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50 - 90%と非常に高い。

体細胞の構成要素であるタンパク質を分解することでほぼ最悪と言える毒性を発揮し、体内に数個のエボラウィルスが侵入しただけでも容易に発症する。そのため、エボラウィルスはWHOのリスクグループ4の病原体に指定されており、バイオセーフティーレベルは最高度の4が要求される。

症状の激しさや致死率の高さの一方で、「空気感染はせず、他人に感染する前に感染者が死に至るため、蔓延しにくい」という側面もあり。患者の血液、分泌物、排泄物や唾液などの飛沫が感染源となる。

エンベロープを持つウイルスなので、アルコール消毒や石けんによる消毒が容易であり、大きな変異がない限り先進国での大きな流行の可能性は低いと考えられている。

2014年8月4日現在(8月6日発表)4カ国合計で感染者1711名、死亡者932名となり現地の状況から考えてさらに拡大する可能性が高いので、WHOは8月8日に「緊急事態宣言」を出し、CDCは最高度の緊急体制に入った。

2014年の西アフリカエボラ大流行



In Deep 8月7日
http://oka-jp.seesaa.net/article/403325354.html

8月 5日時点までのエボラ出血熱の患者数、死者数のグラフですが、8月 5日に 887人と発表された死者数は、その翌日には「死者数 923人」と発表されています。毎日の死者の数が急激に上がっているのです。

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追加情報

msnニュース 8月16日

死者1145人

 世界保健機関(WHO)は15日、西アフリカで流行するエボラ出血熱による死者が、13日までに感染の疑い例を含め計1145人に達したと発表した。

 13日までに感染が確認されたか疑われる患者は計2127人。死者の内訳はギニア380人、リベリア413人、シエラレオネ348人、ナイジェリア4人。過去2日間に76人増加、感染の拡大傾向が続いている。

 一方、WHOは15日の声明で、開発段階の薬に副作用の恐れなど課題がいくつも残されていると強調、過度な期待にくぎを刺した。WHOは12日、エボラ熱の感染者に開発段階の未承認治療薬を条件付きで投与することを容認すると発表。しかし声明は、開発中の薬は安全性が不明で副作用の恐れも高まっていると強調した。(




追加情報



ダイヤモンド・オンライン 8月25日

富士フイルムのインフル薬 エボラ感染拡大で急浮上

富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富山化学工業が開発したインフルエンザ薬「ファビピラビル」である。ファビピラビルは「タミフル」や「リレンザ」など、従来のインフルエンザ薬とは、効き方のメカニズムが異なる薬だ。従来の薬がウイルスを細胞内に閉じ込めるのに対して、ファビピラビルはウイルスの増殖自体を防ぐ。

米国では、通常の季節性インフルエンザ薬として治験が進められており、最終段階である第3相試験に入っている。一方、新しいメカニズムを持つ抗ウイルス薬として、インフルエンザだけでなく、さまざまな類似のウイルス感染症に効く可能性もある。論文ベースでは「マウスでは、エボラ出血熱に効果があることが分かっていた」(富士フイルムHD)という。

2012年に国防総省は、富士フイルムと提携し米国でファビピラビルの開発を進める米メディベクターに約1億3800万ドル(当時のレートで約110億円)を助成している。通常のインフルエンザ薬としてだけでなく、バイオテロなどに備える薬として開発を促す側面もあったもようだ。



日本経済新聞 8月25日

エボラ未承認薬「提供の用意」 政府方針

菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で、エボラ出血熱の治療に効く可能性がある未承認薬について、世界保健機関(WHO)や医療従事者の要請があれば提供する用意があると表明した。

富士フイルムによると、エボラ熱に効果が期待されるインフルエンザ薬「アビガン」2万人分の在庫を保有する。今後も連続的に生産・供給する体制が整っているという。サルを使った有効性試験実施の準備も早急に進める。

エボラ熱とインフルエンザではウイルスのタイプが似ている。ドイツでの動物実験では、エボラ熱に感染したマウスにアビガンを投与したところ、生存率を高める効果があった。

エボラ熱ウイルスは現在、ヒトで効果が科学的に証明された治療薬やワクチンがない。感染が急拡大する中、WHOは「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と認定。12日には治療に未承認薬を使うのは「倫理的」だと認める委員会の検討結果を発表している。

アビガンはインフルエンザ治療薬として今年3月に薬事法上の製造販売承認を受けた。



2014年8月29日 16:17 (ロイター)

エボラウイルスに急速な遺伝子変化、シエラレオネの研究が指摘

シエラレオネでエボラ出血熱に感染した患者からサンプルを採取して行われた遺伝子研究によると、ウイルスがヒトからヒトへと感染する過程で300回以上の遺伝子変化が起きていたことが明らかになった。



NHK 9月26日

エボラ出血熱患者に薬 富士フイルム発表

富士フイルムは、グループ会社が開発したエボラ出血熱には未承認ですが、治療には効果が見込めるとされる薬が、緊急対応としてフランス人の患者に初めて投与されたことを発表しました。



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未承認薬ZMappがエボラ出血熱に効いた、しかし封じ込めの戦いは続く
未承認薬ZMappがエボラ出血熱に感染した人の命を救ったとのニュースが届いた。致死率の高い病気だけに、朗報である。ただし、この薬の生産には時間(数ヶ月)を要するために、残念ながら今すぐに現場に投入することはできない。患者数の指数関数的な急膨張をどうすれば食い止めることができるのか。緊急の課題である。 ...続きを見る
アルケミストは考えた
2014/08/23 06:43
富士フイルムの「アビガン錠」はこのようにして開発された その戦略の素晴らしさ
いま、西アフリカで流行のエボラ出血熱が世界の大きな関心事になっている。そのポイントは、指数関数的に増加する患者の増加を食い止めること、そして、エボラ出血熱が流行国から世界に拡散するのを防止する封じ込めることである。 ...続きを見る
アルケミストは考えた
2014/11/14 20:20

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