理系大学院の定員増で高学歴化、それが能力向上と等価であるということか?

下の図は9月29日の日本経済新聞に掲載されていたものだ。大学と企業が大学院生に何を期待しているかのアンケート結果である。最近は、理系学生は大学院を終了していることが常識??となりつつあるので、このアンケートは理系学生についてのものであると考えても大きな間違いはないだろう。

記事には解説がなされているが、本ブログではその解説から離れ、このグラフから私が感じたことを書き留めていく。

まずは円グラフ。大学は大学院生の定員を増やしたがっているが、企業は別に増やしてもらわなくても困らないと言っているようだ。大学としては、先生方が大学院生を手足のごとく使わなければ論文が書けないが、企業は大学院(修士課程)の2年間には特に期待していないというのが率直なところか。修士課程を修了しました!と言っても使い物にならないことを企業は学習済みである。

その下のアンケート結果はさらに悲惨である。各設問に大学側は強い関心を示しているが、企業は無関心である。

「専門性をさらに深めるべきである」
 企業は、博士課程修了者に対してもそうであるように、専門バカはいらないと思っているのでは。会社に入ってから自社の色に染めていければと考えていることと思う。何を勉強してきたよりも、人間性とやる気と臨機応変に物事に対処できることなどが必要と思っているのでは。

「専門性にとどまらず・・・・・・」
 専門を極めなさい。その上で、他にあらゆる経験も積みなさい。スーパーマンでもあるまいに、大学院の2年間でここまで求めても。押し付けてもできないものはできない。ここに言われていることは、本人が勝ち取っていくものであるから、これが出来る人は今までもやってきただろうし、できない人にはいくら言っても実効がないのでは、と思ってしまう。

「産業界に入っても・・・」
 大学が考える基礎的な能力とは何だろう。これが行き過ぎると、「ちゃんと挨拶しましょうね」と小学生のレベルに落ちてしまう。そんな素晴らしい基礎的な能力があるのなら、わたしも今からでも磨きたいところである。そもそも、産業界の実務をご存知ない先生方が、どのように学生に「産業界で役立つ基礎的な能力」を教え植え付けていくのか、疑問に思うところである。

「知識重視ではなく・・・・」
 これはごもっともな意見である。大学院の2年間で課題達成のためにどのように考え、どのように苦しんだかは重要である。学業優秀も然ることながら、点数には現れにくい、問題設定能力や問題解決能力をのばしていくことは重要である。

「海外の研究機関との・・・・」
 これもごもっとも。日本人はシャイであるといわれるが、自分の意見を持ち、言うべきことは臆せずに言う、そんな経験を積んでいくことは大切だ。これができて成長していける人間になれると思う。企業に入ると、上司の命令に絶対服従で従うという学生も多いかもしれないが、上司などしょっちゅう誤りを犯している。やはり自分の頭で考える人材は貴重だと思う。

好き勝手に書き連ねましたが、先生の指示に従って研究を進め、何らかの成果が得られたとしても、それは先生の成果であって学生自身が得た成果ではありません。先程も触れましたが、自分の頭で考え、果敢にチャレンジし、出てきた結果の解釈やそれを受けての今後の方針などについては、指導教官に自分の意見をぶつける。そのような積み重ねが、社会に出てから役立つことになるのではないでしょうか。



日本経済新聞 9月29日より
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この記事へのコメント

匿名
2014年09月30日 08:07
先程も触れましたが、自分の頭で考え、果敢にチャレンジし、出てきた結果の解釈やそれを受けての今後の方針などについては、指導教官に自分の意見をぶつける。そのような積み重ねが、社会に出てから役立つことになるのではないでしょうか。
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★ このような個性のある学生は「使い難い」ので企業でも役所でも敬遠されませんか?
2014年09月30日 19:05
使いにくいでしょうね。まさに中村修二さんそのものですね。使いにくさを我慢するか、使いこなして成果を挙げてもらうか。どちらに進むかが会社の器量というものでしょう。
匿名
2014年09月30日 22:12
成果を挙げてから使い難くなって貰いたいでしょうね、雇う方は。成果を挙げる前から使い難くては、困ってしまいます。

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