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zoom RSS 高らかに鳴る死刑台へのメロディー 陪審員裁判で武田製薬の運命は如何に?

<<   作成日時 : 2014/12/18 20:56   >>

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武田薬品が陪審員裁判に泣いている。陪審員裁判では陪審員の心を動かしたものが勝利を収める。よく知られている裁判にマクドナルドのケースがある。

マクドナルド事件」では、米国で当時(1992年)79歳の女性が購入したコーヒーが熱すぎてやけどを負ったとして、米ファストフード大手マクドナルドを提訴。陪審員の評決は懲罰的270万ドル、填補的16万ドルの計286万ドルの賠償をマクドナルドに求めたが、判決は懲罰的賠償を48万ドルに減額している(最終的に和解)。

なんのことはない。自分の不注意でコーヒーをズボンにこぼし、それが熱かったためにやけどを負ったというものである。熱くないコーヒーを出せば、ぬるいと文句が来るだろう。日本では「自分の不注意で・・・」と秘密にしたくなるところであるが、流石にアメリカ、ことを起こして48万ドルの大金を手に入れたことになる。

懲罰的損害賠償(Wikipedia)には次のように記されている。

主に不法行為に基づく損害賠償請求訴訟において、加害者の行為が強い非難に値すると認められる場合に、裁判所または陪審の裁量により、加害者に制裁を加えて将来の同様の行為を抑止する目的で、実際の損害の補填としての賠償に加えて上乗せして支払うことを命じられる賠償のことをいう。英米法系諸国を中心に認められている制度である。

この流れに従えば、マクドナルドは熱いコーヒーを提供したことに問題があることになる。この行為に対して陪審員の過半数が重い罰を下すべきと判断したわけだ。念の為に、Wikipediaから状況を再録する。

1992年2月、ニューメキシコ州アルバカーキのマクドナルドで、ステラ・リーベック(Stella Liebeck、1912年 - 2004年8月4日、当時79歳)とその孫がドライブ・スルーでテイクアウト用の朝食を購入した。ステラはその後、マクドナルドの駐車場で停車しているときにコーヒーを膝の間に挟み、ミルクとシュガーを入れるためにコーヒーの蓋を開けようとした。そのとき、誤ってカップが傾いてしまい、コーヒーがすべてステラの膝にこぼれた。

言葉が出ない。

アメリカという国は野蛮な国である。西武開拓時代の縛り首の世界の延長線上にいるとしか思われない。正義はどこにあるのだろう? このアメリカでビジネスをするには細心の注意力、そしてことが起こった時に備えて強力な後ろ盾が必要と感じた。

武田薬品は泣きっ面にハチである。遥か前にドル箱商品の特許が切れ、新規薬品の開発が急がれている時にこの訴訟騒ぎである。この訴訟に、裏で暗躍している勢力はいるのだろうか。例えば製薬コンペティターが裏で暗躍しているとか? 考え過ぎかもしれないが、こういうことはあってもおかしくはない。世界の武田薬品の体力を奪い、息の根を止めることができれば大成功である。西欧の合理的精神はこのくらいのことは考えても不思議ではない。訴える側にも、俄(にわか)成金になれる可能性があるわけだから、こちらも合理的である。これから7500件もの訴訟を戦っていかなければならない武田薬品は大変である。



SankeiBiz 12月18日

武田薬品の憂鬱、揺れる企業価値 米「副作用」訴訟7500件超

 武田薬品工業が、米国で糖尿病治療薬「アクトス」をめぐる製造物責任訴訟に悩まされている。米ルイジアナ州西部連邦地方裁判所は9月、アクトスの副作用でぼうこうがんを発症したとする原告の主張を認め、同社に「懲罰的損害賠償金」として60億ドル(約7000億円)の支払いを命じた陪審員の評決を支持。10月の判決では、武田の減額申し立てが認められ、2765万ドル(約32億5000万円)へと99%以上減額されたが、係争中の類似訴訟は10月末時点で7500件を超える。巨額賠償を求められるリスクをにらみ、同社の株価も揺れ動いている。

 ルイジアナ州西部連邦地裁の判決で、日本で一般的な「填補的損害賠償(被害者の実害を算定して埋め合わせる賠償)」は127万ドルにすぎなかった。これに加え、懲罰的な賠償も認める米国の法制度が巨額支払い命令につながった。懲罰的賠償は英米法を基とする法体系特有の制度。加害者への制裁や不法行為の防止を目的とするものだ。



今までの経緯

産経West 4月21日
「武田薬品」衝撃「懲罰賠償6100億円」はわずか45分で評決された…武田反発「全面対決する」糖尿病治療薬「がんリスク」隠し訴訟

日本経済新聞 9月4日
武田「アクトス」訴訟、賠償評決を支持 連邦地裁判決

医療News 9月8日
武田薬品 「アクトス」製造物責任訴訟で陪審評決に則った判決下る
10年間の疫学研究では、膀胱がん発生リスクの有意な増加は認められず

ロイター 10月28日
武田薬品のアクトス訴訟、米裁判所が賠償金を大幅減額



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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
出る杭は打たれる式に勘ぐりたくなる例は少なくないです。

TPPでは知的財産権とともにアメリカのこのような訴訟体質が標準になるそうです。
日本ではTPPは農産物関税率ばかりが脚光を浴びせられていますがTPPにアジア諸国が最も反対している理由は知的財産権とこのようなアメリカア式訴訟体質にあります。

なにしろ友達になる前に「友達になる契約」を交わさなければならないアングロサクソン人種ですから。
匿名
2014/12/19 12:40
匿名様

欧米は契約社会であり訴訟社会です。その根底は権利ということになります。結婚する前に離婚の条件を決めておくなどは、日本人には考えられないことです。
畑啓之
2014/12/19 19:17
製造者(物)責任:Product Liability」が日本で施行されたのはつい最近です。

「売れるから」とか「買わせる」というだけの消費者を虚仮にする利益追求はこのように報復(因果応報の報い)を受けるのです。

医薬品の臨床データねつ造や改竄は製薬会社だけではなく実験者の医師も相応の責任を負うべきです。

医者だけが法の網の外に居続けることは許されません。
匿名
2014/12/19 20:03

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