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zoom RSS 水素社会の到来を素直に捉えた東芝の水電解〜水素燃料電池システム

<<   作成日時 : 2015/01/17 19:47   >>

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水素社会がやってくると言われて久しいが、その水素の源を何に求めるかの議論は避けられてきたのではないだろうか。まず先に水素社会ありき、そして水素社会という既成事実を作ってしまえば、水素などはどこからでも湧いてくるとの考えが支配していたと思うし、まだその考えは主流であるだろう。

一般的には水素は石油のクラッキングにより生み出される。例えば、石油をオクタン(C8H18)という飽和炭化水素で代表すると、これからエチレン(CH2=CH2)を製造する際に、水素が発生してくる。

       CH3(CH2)6CH3 → 4CH2=CH2 + H2

また、最近流行りのシェールガス(その主成分はメタンCH4)からは次の式に従って水素が得られる。エネファームはこの式に従って水素を作り出し、その水素を用いて発電を行っている。

       CH4 + 2H2O → 4H2 + CO2 + 吸熱

しかしながら、この方法では水素の発生に熱エネルギーが必要となるし、CO2も生み出される。

現在、いたるところで急速に太陽電池が設置されてきている。電力会社はこの発電で得られた電力の買取義務を有するが、その最大発電量が非常に大きくしかも発電量が時間とともに大きく変化するため、電力の安定供給が保証できないと電力各社はその受け入れに何色を示している。

太陽光発電の持つこの問題点を解決する一つの手段は、大容量の蓄電池を利用することであるが、その設置費用が高いこと、また、その運用寿命にはまだ解決すべき問題点があることより、こちらの方はバラ色の解決策とは考えられていない。

今回、日本経済新聞が東芝の技術を紹介した。この技術は、太陽電池などで得られた電力で水を電気分解して水素として保存し、必要に応じてこの水素を燃料電池に送り込んで電力へと再生させるというものである。

私見ではあるが、電気分解であると水より直接に高圧の水素ガスを作ることも可能であるので魅力的である。さらに、この方法はCO2を発生しない方法であり、水素社会の本来あるべき姿を提案しているものと理解している。



日本経済新聞 1月16日

東芝、水素使い電力貯蔵 設置費用は蓄電池の半分

 東芝は水素を使い電力を大量貯蔵するシステムを2020年にも実用化する。水を電気分解していったん水素にし、必要に応じ燃料電池で酸素と反応させ電気として取り出す技術にめどをつけた。既存の蓄電池に比べ電力を長期に大量保管しやすく、設置・運用費は半減できるという。(4万キロワット蓄電設備の設置コストは20億円近くとされる。)再生可能エネルギーの発電事業者や自治体などにとって蓄電方式の選択肢が広がりそうだ。

 まず1万世帯が8時間使う電力に相当する4万キロワット時を蓄えられるシステムを提供する。
 


東芝レビュー Vol.68 No.7 (2013)

再生可能エネルギーを活用する水素電力貯蔵システム

充放電効率が80%、コスト面では大容量、長時間蓄電の適用に有利

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固体酸化物型燃料電池からなるセルスタック部は、電解膜の性能を上げるために約800℃の高温としている。

高温蓄熱装置

800℃付近に融点を持ち、コスト当たりの蓄熱量が大きい材料を調査し、NaCl(塩化ナトリウム)を選定した。NaClの高温での耐食性を考え、SiC(炭化ケイ素)のカプセルにNaClを封入している。

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コメント(5件)

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水を差すようで申し訳ないけれど、太陽光発電電力で水の電気分解により水素を得るのは良いけれど電気分解される水の精製(高純度)のエネルギー源やその費用も紹介しなければ「良いことずくめ」の眉唾でしかありません。この方法は北海道で実証試験を行うそうです。

高温蓄熱装置の最大かつ最難関の問題点は耐熱材料が無い事と高温物質の輸送が困難な事です。ましてや蓄熱材が腐食性のNaCl(塩)では蓄熱装置(材料)が蓄える熱よりもはるかに高価になり実用的ではありません。小生が以前に紹介した既に実証試験が行われている三機工業の低温(100℃くらい)蓄熱材の方が現実的です。


匿名
2015/01/18 10:01
匿名様

用いられる水はイオン交換水でしょう。イオン交換にかかる費用は大きくはないと考えられます。
材質に関しては、おっしゃるとおり高価なものになる可能性があります。SUS材では600℃が限界とされています。上で示した論文中には、500℃を超える部分はインコネル(たとえばこちら、http://www.dsml.co.jp/pdf/I-800HT.PDF)を使用すると記されています。また、腐食性のNaCl(融点800.4℃)については、上で引用したように、SiC製のカプセルに入れ、蓄熱−放熱試験を行ったとあります。イニシャルコストとランニングコストの関係となるでしょう。東芝では両者を加味し「既存の蓄電池に比べ装置・運用費用を半減できる」と日本経済新聞に記されています。
これも可能性を切り開く一つの候補ですから、実際には実証試験の結果待ちということになるとは思いますが。

畑啓之
2015/01/18 11:10
NaClを貯蔵する容器や配管や機器類はご指摘のPDFに因れば、SiCライニングを施したインコネルではなく(高温強度を増した)インコロイ800HTですね。

HT材は高炭素含有量なので結晶粒界への炭化物(主としてクロム炭化物)析出の劣化(応力腐食割れ)が起きるでしょう。この応力腐食割れ防止の為にSiC被膜を施すのだと思います。

熱膨張係数が大きいニッケル合金(この場合はインコロイ800HT)は母材の熱膨張係数が殆ど無いSiCライニングとの組み合わせは両者の層間剥離(亀裂)が起こって対NaCl耐食のSiCライニングの寿命は短いでしょう。SiCライニングの割れの隙間から高温NaClがインコロイ800HTが侵食されます。

化学が専門のアルケミストさんがご存知の通り塩素(Cl)などのハロゲン元素に起因する金属腐食は程度の差があっても防止できません。ということは機器のメンテナンス(交換頻度)がランニングコストのネックになると思います。

東芝では両者を加味し「既存の蓄電池に比べ装置・運用費用を半減できる」は、原子力発電は低コスト発電だが、核廃棄物処理などのコストを含めた原子力発電システム全体のライフサイクルコストは安くない、と同じで、メンテナンスなどのライフサイクルコストは安くないでしょう。


匿名
2015/01/18 19:21
NEDOの研究助成の全てとは言わないまでもその幾つかは重電メーカーや重工メーカーへのお年玉のものも少なくないです。

つまりそれらの企業に研究課題が無いので未来を斬り開くという口実や何が何でも研究職の暇つぶしに無理やり研究するとかもあります。
匿名
2015/01/18 19:27
太陽光発電電力で電気分解する純水をイオン交換で精製するにしても前処理の濾過などなどのコストや装置は無視できません。

高純度水製造には既に半導体製造で実績があるのでその発電装置は半導体製造工場並みの清浄さが必要になります。
匿名
2015/01/18 19:35

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