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zoom RSS モンティ・ホール問題の罠に落ち込んでしまうと、自分自身が見えなくなる

<<   作成日時 : 2015/02/13 21:35   >>

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植島啓司著「偶然のチカラ」(集英社新書、2007年)の冒頭にモンティ・ホール問題に関する記述が出てくる。これはある商品獲得クイズ番組で、商品が得られる確率を巡ってIQ230のマリリン・V・サヴァントと数学者が争ったことでも、世論を巻き込んで有名になった出来事である。Wikipediaでは次のようになっている。


モンティ・ホール問題(Wikipedia)
モンティ・ホール (Monty Hall、本名 Monte Halperin) が司会を務めるアメリカのゲームショー番組、「Let's make a deal」の中で行われたゲームに由来する。
ゲームのルール
(1) 3つのドア (A, B, C) に(景品、ヤギ、ヤギ)がランダムに入っている。
(2) プレイヤーはドアを1つ選ぶ。
(3) モンティは残りのドアのうち1つを必ず開ける。
(4) モンティの開けるドアは、必ずヤギの入っているドアである。
(5) モンティはプレイヤーにドアを選びなおして良いと必ず言う。

モンティ・ホール問題

モンティ(司会者)によって外れ(ヤギで表示)のドア1つが開けられた後、この図の印象から残りのドアの当たりの確率はそれぞれ1/2になるように思う人が多い(モンティが行っているルールに対する正確な理解がなおざりにされやすい)。
「プレイヤー(回答者)の前に閉じられた3つのドアが用意され、そのうちの1つの後ろには景品が置かれ、2つの後ろには、外れを意味するヤギがいる。プレイヤーは景品のドアを当てると景品をもらえる。最初に、プレイヤーは1つのドアを選択するがドアは開けない。次に、当たり外れを事前に知っているモンティ(司会者)が残りのドアのうち1つの外れのドアをプレイヤーに教える(ドアを開け、外れを見せる)。ここでプレイヤーは、ドアの選択を、残っている開けられていないドアに変更しても良いとモンティから告げられる。プレイヤーはドアの選択を変更すべきだろうか?」

答え

答えは簡単である: 「プレイヤーが選択した扉、モンティが開けた扉、残りの扉のそれぞれの当たりの確率は、1/3, 0, 2/3 である。したがって選択を変更するのが得である。」

答えをめぐっての騒動

1990年9月9日発行、ニュース雑誌Paradeにて、マリリン・ボス・サヴァントが連載するコラム欄「マリリンにおまかせ」において上記の読者投稿による質問に「正解は『ドアを変更する』である。なぜなら、ドアを変更した場合には景品を当てる確率が2倍になるからだ」と回答したところ、読者から「彼女の解答は間違っている」との約1万通の投書が殺到したことにより、この問題が知られるようになった。投書には1000人近い博士号保持者からのものも含まれており「ドアを変えても確率は五分五分(2分の1)であり、3分の2にはならない」と主張。同年12月2日、サヴァントは数通の反論の手紙を紹介した。
ジョージ・メイソン大学 ロバート・サッチス博士「プロの数学者として、一般大衆の数学的知識の低さに憂慮する。自らの間違いを認める事で現状が改善されます」
フロリダ大学 スコット・スミス博士「君は明らかなヘマをした(中略)世界最高の知能指数保有者自らが数学的無知をこれ以上世間に広める愚行を直ちに止め、恥を知るように!」

サヴァントは、より簡易にした表を掲載「ドアを変えれば勝てるのは3回の内2回、負けるのは3回の内1回だけ、しかしドアを変えなければ勝てるのは3回の内1回だけ」と述べる。この問題に関する1991年2月17日付、3回目の記事の段階でサヴァントに対する反論は9割程度を占める。
E・レイ・ボボ博士「(前略)現在、憤懣やるかたない数学者を何人集めれば、貴女の考えを改める事が可能でしょうか?」



サヴァントに対して多くの意見が寄せられ中傷もされたようであるが、結果的にはサヴァントが正しかった。直感的にはドアを変更しても商品が獲得できる確率に変化はないように思えるが、理詰めで考えるとサヴァントが正しい。



私なりの説明を加えてみた。

3つの箱の一つに商品(☆印)が入っている。後ほど司会者のモンティが開く箱(ドア)も考慮すると場合の数は6通りである。挑戦者が箱を選択いした時点では、6通り(黄色の6つの箱)のうちの選んだ2通り(☆印がついた2つの箱)に商品が入っているから、商品獲得確率は1/3である。

次にモンティが商品の入っていない箱のドアを開く。×印である。ここで、選択した箱をそのままチェンジしないで選び続けると商品獲得確率はやはり1/3である。

もしここで箱の選択を、黄色からブルーに変えると、ブルーに塗られた6つの箱のうちの4つの箱に商品が入っているから、商品獲得確率は2/3となる。

司会者の誘いに乗って箱を選びなおすだけで、商品獲得確率が2倍となったわけである。

画像



この下の図は箱を4こまで増やした場合の例だ。挑戦者は同じくまず黄色の箱を選ぶが、モンティがからの箱の一つを開け放ったのちに箱を選びなおしたらどうなるかを検討したものだ。図は簡略化してすべてのケースを描き出してはいないが、これで本質はとらえている。

4つの箱の内の1つだけに商品が入っている場合には、箱を選びなおすことにより、商品獲得確率は1/4(25%)から3/8(38%)へと増加する。

同じく、4つの箱の内の2つに商品が入っている場合には、商品獲得確率は2/4(50%)から6/8(75%)へと増加する。


画像


このモンテキ・ホール問題は、直感と実際が大きく食い違うことを示すよい例である。この問題では多くの数学者や博士号保持者がサヴァントの意見に異を唱えたようである。科学的であるはずの科学者も、このような間違いは築かぬうちに多く犯していることと思う。そして、大発見の端緒を見落としていることにすら気づいていないことが多いと思われる。認識しないものは存在しないのであるから、救いようもない。自戒。



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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
数学の証明問題は証明の必要のない定理や公理に基づいて証明を始めなければならない。

正月明けに放送大学の「数学の歴史シリーズ」を見ていて「なるほど」と思いました。

番組を見ていて小学校からの算数の授業は「数学の歴史を辿っているのだ」と知りました。
匿名
2015/02/14 09:37

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