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zoom RSS 「馬券の必要経費裁判」は決着したが、なぜ脱税で懲役2月となったのか?

<<   作成日時 : 2015/03/10 21:32   >>

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はずれ馬券が必要経費であるかないかの裁判が確定しました。事件の詳細は下に記しました。結果は当然のことながら必要経費。この判例により、国税庁通達が書き換わることになるのでしょう。

しかしながら、脱税額が大幅に軽減されたからといって、結局は脱税で懲役2月(執行猶予2年)の有罪です。記録が残ってしまう情報化社会の怖さです。

でもどこが脱税なのかがWeb記事からははっきりしません。このブログの一番下には「脱税額は5000万円」とあるのですが。

「競馬で約78億円の払戻金を受け、馬券の購入費計約73億円分を差し引いた約5億7千万円を競馬の所得として申告」とあるように、入りと出の数字ははっきりとしています。そして、5億7千万円にかかる所得税は当然のことながら納入意志があったことになります。この時に、税金を納めていれば脱税とはならなかったはずです。

税務署が納税を拒否したから結果的に脱税となったのでしょうか? 9000万円税金を納めたのだけれども、なぜ、あと5000万円(懲役2月の原因)をこのとき一緒に納めなかったのでしょうか? 税務署が計算を間違えたのでしょうか? なんとも不可思議な事件です。

5000万円の原因はおそらくこれです。一時所得の認識の問題です。一時所得として納税した(通達にも一時所得と記されている)のでしょうけれども、継続して利益を出していたことから、それは一時所得ではなく、業としての(営利を目的として得られた)所得であると認識され、脱税という結果となったのでしょう。指導できなかった税務署に非があると思うのですが、おかしな話です。

まさに、国に翻弄された個人という構図です。法律を破るから「違法」と言うのですよね。「悪法もまた法」ならば諦めがつきますが、通達です。ご本人も公務員ですから、泣き寝入りということになるのでしょう。

一時所得・雑所得

一時所得
T 一時所得となるもの
一時所得とは、利子所得から譲渡所得までの所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいいます。
U 一時所得の例
 A 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等
総収入金額−支出した金額−特別控除(最高50万円)
2分の1の総合課税



所得税 基本通達   ・・・・  通達ですから法の解釈に関する指針ですね

法第34条《一時所得》関係

(一時所得の例示)

34−1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。(昭49直所2−23、昭55直所3−19、直法6−8、平11課所4−1、平17課個2−23、課資3−5、課法8−6、課審4−113、平18課個2−18、課資3−10、課審4−114、平23課個2−33、課法9−9、課審4−46改正)

(1) 懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)

(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等




時事通信 3月10日

「外れ馬券は経費」認定=大量、網羅的購入を考慮―脱税額減額の判決確定へ・最高裁

 当たり馬券の払戻金を申告せず、約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた大阪府の元会社員(41)の上告審判決で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は10日、元会社員が長期間にわたって網羅的に大量の馬券を購入していた点を考慮し、一、二審と同様に外れ馬券は経費に当たるとの判断を示した。
 その上で、検察側の上告を棄却。脱税額を大幅に減額し、懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)とした一、二審判決が確定する。


2014年4月21日ブログよりの抜粋

ギャンブルの種類と勝ち負けに関する考察

このブログの終わりに競馬での悲劇について触れておく。なまじ競馬への才能があったために、税制の落とし穴に落ち込んだ話である。賭博のテラ銭よりも問題は深刻である。



The Huffington Post 4月7日

競馬の利益5億7千万円を超える追徴課税 外れ馬券は経費じゃない?
.
北海道の公務員の男性(41)が競馬で約78億円の払戻金を受け、馬券の購入費計約73億円分を差し引いた約5億7千万円を競馬の所得として申告したところ、札幌国税局から4億円以上の申告漏れを指摘されたことが分かった。外れ馬券が経費として認められなかったためだ。

日本中央競馬会(JRA)は2002年、大量の馬券をパソコンや携帯電話で手軽に購入できるシステムを導入。男性はこれを利用し、役所が休みの土日はテレビの競馬中継を欠かさず見て、JRAに登録された8千頭の馬の能力や騎手の技術を独自に分析、ネットで年間2千回以上馬券を購入した。課税対象となった05〜10年の6年間で、計約72億7千万円の馬券を買って計約78億4千万円の払い戻しを受け、差し引き約5億7千万円の利益を得た。

国税局は国税庁通達に従い「一時所得」と認定。「収入を得るために直接かかった金額」としては外れ馬券を除いた当たり馬券の購入費だけを経費にできると指摘した。

■過去には外れ馬券を経費と認める判決も

過去にも外れ馬券をめぐり裁判が行われている。2013年5月、大阪地裁で行われた元会社員の男性被告の裁判では、競馬で得た30億円余りの払戻金を申告せずに約5億7千万円を脱税したとして所得税法違反に問われていたが、購入費全額を経費と認める判決が下された。その後、検察が控訴しており、控訴審判決は5月9日を予定している。

男性は2007〜09年、約28億7千万円を投じて得た30億円余りの払戻金を申告せず約5億7千万円を脱税したとして起訴された。

しかし、昨年5月の一審・大阪地裁判決は、購入費全額を経費と認めて課税対象所得は1億4千万円だけだと認定。脱税額は約5千万円と算出し、懲役1年の求刑に対し、懲役2カ月執行猶予2年とした。






追加情報

NHK 5月14日

「外れ馬券は経費」今度は認めず 東京地裁、請求棄却

 外れ馬券を経費と認めずに計約1億9430万円を追徴課税したのは違法だとして、北海道の公務員男性が課税の取り消しを求めて国を訴えた訴訟の判決が14日、東京地裁であった。増田稔裁判長は「男性の馬券購入は一般的な愛好家と変わらない」として経費認定せず、請求を棄却した。

 男性側は裁判で、「大量に機械的に馬券を購入し、投資の性質がある」と主張。外れ馬券は経費で、これが認められれば課税額が減額されると訴えた。しかし、判決は「男性はレースごとに個別に予想して購入し、機械的とは言えない」と判断。男性の馬券購入は経済活動とは言えないとした

 外れ馬券の購入費をめぐっては、最高裁が今年3月、大阪市の元会社員の馬券購入について「長期間、網羅的な購入で経済活動の実態がある」として経費と認めた。男性側の代理人は「購入期間や規模も最高裁判決の事例と同等か、それ以上の事案。適正な課税を求めた最高裁判決の趣旨をないがしろにしている」と控訴する意向を示した。男性に課税した札幌国税局は「主張が認められ、妥当な判決だ」とコメントした。



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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
ネット売買では馬券の売り買い履歴と損益が記録として残るのでこ馬券購入費が経費として認められるようになったのでしょう。

以前のように窓口での馬券購入では当たり馬券(現金と引き換えで手元に残らない)も外れ馬券も保管して収支を明らかにしなければなりません。

ネットでの株売買はネット証券会社が年間取引報告書を発行しそれに基づいて納税申告します。

ネット馬券も株取引と同じ扱いになったということですね。
匿名
2015/03/11 08:44

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