名前とは物事を識別する記号である。すべてのものに名前がついている。名前がついていないものなどはない。もし、名前がついていないものがあるとすると、人は必ずそのものに名前を付けて識別しようとする。 しかし、名前の数は無限にあるように見えて実用的な名前を付けようとするとその数は自ずと有限となる。そして重なりも出てくる。ある人の名前でGoogle検索すると、ヒットした上位情報が犯罪に関するものばかりということも起こる。同姓同名の人が犯罪を起こし、それが大きく取り上げられた結果としても、無実の本人にとってはこれは禍である。両親が良かれと思ってつけた名前がとんだ惨事に巻き込まれた形となる。 これと同じことがヨーロッパで起こった。アドルフという名前は忌み嫌われるが、戦前からこの名前を持っていた人には降ってわいた災難であっただろう。 アドルフ(Wikipedia) 第二次世界大戦頃まではよく名付けられる名前であったが、アドルフ・ヒトラーの影響により避けられるようになり、ドイツを含め各国では現在はほぼ使われていない。 同じく、もし日本の台風に「花子」なる名前が付き、その台風が大災害をもたらしたとすると、日本人は「花子」なる名前に悪い印象を持ち、花子さんという名を聞くたびに大災害を思い出すに違いない。米国においては、カトリーナという名前が同じ状況にあると思う。台風の名前についてはハリケーン(Wikipedia)に詳しい。ただし、大西洋北部のハリケーン名である。 北東太平洋で発生するハリケーンにはIsis(アイシス、豊穣の神)の名前が候補として入っていたようである。時節柄、この名前は取りやめにすると世界気象機関WMOが17日に発表した。Islamic State of Iraq and Syriaが大きく無慈悲な破壊力を持っているからである。 さて、このIsisは商品名にも使われている。トヨタ Isisである。日本人は横文字に弱いから、車名とIslamic State of Iraq and Syriaは全く別物として脳が識別していることと思う。が、探してみると「トヨタ車『Isis』にとんだ『とばっちり』 『イスラム国』表記(ISIS)巡る『誤解』」「過激派組織『イスラム国』と同名のトヨタミニバン『Isis』に海外でも同情の声」のような記事も見つかる。 朝日新聞デジタル 4月18日 ハリケーン名に「Isis」やめます 世界気象機関 世界気象機関(WMO)は17日、北東太平洋で発生する熱帯低気圧「ハリケーン」の呼び名に「Isis」を使うのを今後やめることを明らかにした。同じつづりが過激派組織「イスラム国」の略称として広く使われており、専門部会で不適当と判断したという。 「Isis」は、古代エジプトの豊穣(ほうじょう)の女神「イシス」を意味する。 ブログ一覧に戻る ホームページ「アルケミストの小部屋」に戻る |
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台風やハリケーンに付ける名前が女の名前なのは悪意のあるセクハラである。 |
匿名 2015/04/19 17:11 |
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