「こんな工学部は不要」との厳しい言葉が産業界より投げかけられ
「日経ものづくり」がアンケートをもとに「こんな工学部は不要」という記事を掲載した。工学部の卒業生に対して、企業や社会からは大きな不満、いや、不満というより「なぜそうなの」という失望が伝わってくるような内容だ。
一昔前の卒業生は「指示待ち人間」と言われたが、指示さえされると何とか仕事をこなしたのだろう。基礎力はあったと私も思う。
今問題になっているのは、おそらく、「指示されてもどうしてよいかわからない」タイプの卒業生が、大学から多く世の中に送り出されているということだろう。下にアンケート結果の上位5位(ワースト5位)までを記したが、さんざんな内容である。
一方的な私の決めつけになるが、最近卒業する学生のほとんどは、学校の授業が終わった後に学習塾に行かなければ勉強ができるようにならないと考えていたのではないだろうか。これは一種の呪縛、周りの皆と同じでなければならないという呪縛である。
塾で試験にこれが出るといわれれば一生懸命に覚え、なんとか大学に滑り込む。塾の心太(ところてん)方式学習法に毒されているのである。また、大学では真面目に授業に出て、出席点の確保と定期考査の高得点取得を遂げ、良いマークで大企業へと進む。
大学卒業まではこれでよいかもしれない。出題される問題には必ず答えがあったのだから。だが、社会においては答えのない問題が山積している。答えのない問題に立ち向かう勇気と根性、そして好奇心と工夫力。これらがなくては社会人としてはやっていけない。大学においてもこれらの能力は養成することができるが、そのためには大学においてどのように学生生活を過ごすかの心構えが問われる。学習塾でそのような心構えが教えられるなどはとても考えられない。
人間は考える葦である。考えて何ぼである。朝永振一郎(ともながしんいちろう)の次の言葉がある。
ふしぎだと思うこと これが科学の芽です
よく観察してたしかめそして考えること これが科学の茎です
そして最後になぞのとける これが科学の花です
朝永振一郎 1906.3.31 - 1979.7.8
送付されてきたメール(4月2日)より抜粋
件名: 4月号の特集は『こんな工学部は不要/ものづくりドイツの底力・開発編』
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◆日経ものづくり4月号が発行されました◆
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日経ものづくりでは2015年4月号で、日本の教育システムのあるべき姿を考える特集
を掲載することを決めました。
まず手始めとして、技術者を中心とした製造業の関係者の方々に、アンケート調査を実施しました。そのうちのいくつかをご紹介します。最初の質問は「企業の技術者を養成するという点で、工学部などの理系教育に対して不満がありますか」です。その答えに我々は驚きました。「不満がある」と回答した方々の割合が全体の約62.6%に達し、「不満がない」という回答は約11.6%しかなかったのです。
続いて、「不満がある」と回答した方々に、以下の質問を投げかけました。「理系教育に対する不満はどのようなものですか」。その回答の上位2つを以下に紹介します。第1位は「問題や新しい仕事を自ら見つけ出し、解決する能力の養成が不十分」(69.6%)、第2位は「実技・実習の経験が少ない」(50.2%)でした。
日経ものづくり 2015年4月号
こんな工学部は不要
自分で考える習慣の養成 76%
課題解決力の養成 53%
工学的基礎知識の習得 53%
新しいことに挑戦する意欲の醸成 44%
コミュニケーション能力の養成 35%
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一昔前の卒業生は「指示待ち人間」と言われたが、指示さえされると何とか仕事をこなしたのだろう。基礎力はあったと私も思う。
今問題になっているのは、おそらく、「指示されてもどうしてよいかわからない」タイプの卒業生が、大学から多く世の中に送り出されているということだろう。下にアンケート結果の上位5位(ワースト5位)までを記したが、さんざんな内容である。
一方的な私の決めつけになるが、最近卒業する学生のほとんどは、学校の授業が終わった後に学習塾に行かなければ勉強ができるようにならないと考えていたのではないだろうか。これは一種の呪縛、周りの皆と同じでなければならないという呪縛である。
塾で試験にこれが出るといわれれば一生懸命に覚え、なんとか大学に滑り込む。塾の心太(ところてん)方式学習法に毒されているのである。また、大学では真面目に授業に出て、出席点の確保と定期考査の高得点取得を遂げ、良いマークで大企業へと進む。
大学卒業まではこれでよいかもしれない。出題される問題には必ず答えがあったのだから。だが、社会においては答えのない問題が山積している。答えのない問題に立ち向かう勇気と根性、そして好奇心と工夫力。これらがなくては社会人としてはやっていけない。大学においてもこれらの能力は養成することができるが、そのためには大学においてどのように学生生活を過ごすかの心構えが問われる。学習塾でそのような心構えが教えられるなどはとても考えられない。
人間は考える葦である。考えて何ぼである。朝永振一郎(ともながしんいちろう)の次の言葉がある。
ふしぎだと思うこと これが科学の芽です
よく観察してたしかめそして考えること これが科学の茎です
そして最後になぞのとける これが科学の花です
朝永振一郎 1906.3.31 - 1979.7.8
送付されてきたメール(4月2日)より抜粋
件名: 4月号の特集は『こんな工学部は不要/ものづくりドイツの底力・開発編』
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◆日経ものづくり4月号が発行されました◆
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日経ものづくりでは2015年4月号で、日本の教育システムのあるべき姿を考える特集
を掲載することを決めました。
まず手始めとして、技術者を中心とした製造業の関係者の方々に、アンケート調査を実施しました。そのうちのいくつかをご紹介します。最初の質問は「企業の技術者を養成するという点で、工学部などの理系教育に対して不満がありますか」です。その答えに我々は驚きました。「不満がある」と回答した方々の割合が全体の約62.6%に達し、「不満がない」という回答は約11.6%しかなかったのです。
続いて、「不満がある」と回答した方々に、以下の質問を投げかけました。「理系教育に対する不満はどのようなものですか」。その回答の上位2つを以下に紹介します。第1位は「問題や新しい仕事を自ら見つけ出し、解決する能力の養成が不十分」(69.6%)、第2位は「実技・実習の経験が少ない」(50.2%)でした。
日経ものづくり 2015年4月号
こんな工学部は不要
自分で考える習慣の養成 76%
課題解決力の養成 53%
工学的基礎知識の習得 53%
新しいことに挑戦する意欲の醸成 44%
コミュニケーション能力の養成 35%
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この記事へのコメント
文部科学省の交付金もこの三つのそれぞれに多寡を付ける。
当然?倒産する大学(国公私立を問わず)も出て来る。
結果はこれ!(前年度との比較が無いけれど試験問題の意図は汲める。)
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/life/457625_2747848_misc.pdf
★ そもそも「こんな工学部は不要」の全項目は日本人やアジア人の黄色人種の欠点でもあります。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f70169/