技術士一次試験 H29年度 基礎科目解答 食塩でのモル沸点上昇は何℃?

10月8日に実施された技術士一次試験の基礎科目の出題が公表されました。それを受けて、その解答集を作成いたしました。全体としては波静かといった感じで、例年と大きく変化はしていないようですが、電気抵抗に関する出題があるなど、少しずつですが変化も見られます。

      技術士一次試験 基礎科目 H28~H16年

      技術士一次試験 基礎科目 H28年単独

      技術士一次試験 基礎科目 H29年単独

      H29年度 技術士一次試験 基礎科目出題

です。



このブログには、水に溶かすとイオンに分かれる無機化合物のモル沸点上昇についての掲載いたします。

1 -4-2

0.10 [mol]のNaCL, C6H1206 (ブドウ糖), CaCL2をそれぞ、れ1.0 [kgJ]の純水に溶かし3種類のO.10 [mol/kg]水溶液を作製した。これらの水溶液の沸点に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

① 3種類の水溶液の沸点はいずれも100℃よりも低い。
② 3種類の水溶液の沸点はいずれも100℃よりも高く,同じ値である。
③ O. 10 [mol/kg] のNaCL水溶液の沸点が最も低い。
④ O. 10 [mol/kg] のC6H1206 (ブドウ糖)水溶液の沸点が最も高い。
⑤ O. 10 [mol/kg] のCaCL2水溶液の沸点が最も高い。


Ⅰー4-2

 この問題は水溶液のモル沸点上昇に関する問題である。水の沸点は100℃であるが、ここに溶質が1mol/リットルの濃度で溶解すると、沸点が0.52℃上昇し、100.52℃が沸点となる。この沸点上昇の大きさは溶解している溶質のモル濃度に比例する。

 問題では、NaCL、ブドウ糖、CaCL2のいずれもが0.10モル/kg-水溶液に溶解している。この記述からすると、この3者ともにモル沸点上昇の大きさは同じであると結論してしまいそうである。しかしながら、NaCLとCaCL2は水溶液中において次のようにほぼ完全に電解してイオンとして存在している。

       NaCL  →  Na+ + CL-
       CaCL2 →  Ca2+ + 2CL-

 NaCLは0.10モル濃度で溶解しているが、実際にはモル沸点上昇には0.20モル濃度で効いてくる。同様に、CaCL2は0.30モル濃度で効いてくる。一方、ブドウ糖は電離することはないので、そのまま0.10モル濃度である。この結果より、CaCL2溶液の沸点が一番高くなる。

 なお、余談ではあるが、「NaCLを0.10モルと純水1.0kgで0.10モル/kgの水溶液を作る」は厳密には正確な表現ではない。NaCLの0.1モルは5.85gであるので出来上がった溶液は1005.85gとなる。有効数字が記されているので、良いといえば良いのだが。



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