技術⼠⼀次試験・基礎科⽬  化学反応熱を求めるこの試験問題は特に時間を要する

この平成24年Ⅰ-4-1の問題は見ただけでも近寄る気持ちが失せる。

登場する化合物が6つ、与えられている熱反応式が3つ。この3つの式を足したり引いたりして、与えられた化学反応式の生成熱を求める問題である。高校ではこのように教えられる。

この高校で教えられる方法を踏襲し、数学の行列の考え方を取り入れたのが、問題文の後ろに記した解法である。しかし、この方法でも技術士一次試験・基礎科目の1問あたりの解答にかけられる時間は4分、を満足するのは難しいかと思われる。

これは化学の問題であるが、これは化学の問題ではない。6つの化合物をA、B、C、D、E、Fとすれば数学らしい式となる。AはC(炭素)、BはO2(酸素)、CはH2(水素)、DはH2O(水)、EはCO(一酸化炭素)、FはCO2(二酸化炭素)。

与えられた前提となる3つの化学式は、
  A+0.5B-E =111
  A+B-F =394
  C+0.5B-D =286

式が3つに変数が6個。従って、A~Fの数値は確定することができない。変数には3つの自由度があるので、A=0、B=0、D=0とする。そうすると、C=286、E=-111、F=-394となる。これを用いて、設問の①~⑤の反応式の生成熱量を計算する。

① E+C-A-D =-111+286-0-0 =+175
② E+D-C-F =-111+0-286-(-394) =-3
③ F-E-0.5B =-394-(-111)-0.5×0 =-283
④ A+F-2E =0-394-2×(-111) =-172
⑤ A+2D-2C-F =0+2×0-2×286-(-394) =-178

従って、発熱反応であるものは計算結果が正の値である①である。


H24年 Ⅰ-4-1


正答: ① 


(行列の考え方を取り入れた方法)
高等学校で教えられるとき型よりも簡単ではあるが、・・・・


化学反応式を書き直す。

  C+0.5O2-CO   =111kJ     式1
  C+O2-CO2     =394kJ     式2
  H2+0.5O2-H2O =286kJ     式3

そして①も書き直す。

  CO+H2-C-H2O =?kJ       式①


②~⑤も同様に書き直して、マトリックスを作る。



このマトリックスからわかることは、

?①=式3-式1      =286-111       =+175kJ
?②=-式1+式2-式3  =-111+394-286  =-3kJ
?③=式1-式2      =111-394       =-283kJ
?④=2×式1-式2    =2×111-394     =-172kJ
?⑤=式2-2×式3    =394-2×286     =-178kJ


この問題を、高校で習ったように化学式を足したり引いたりしていては答えにはなかなかたどり着けない。




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