1年前の今日  はやぶさ2がみごとに⼩惑星リュウグウに着陸を果たす

1年前の今日  2019年7月11日


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2020年末、地球に帰還する予定。帰還カプセルの投下場所は初代はやぶさと同じくオーストラリアのウーメラ試験場を予定。

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本日の明るいニュースは何といってもこれである。リュウグウから20kmの距離を保っていたはやぶさ2が徐々にその距離を詰め、見事に、100%完璧に、リュウグウへの着陸を果たし、おそらくは天体サンプル採取にも成功したとの朗報である。

私たちは地球上、地球の表面で生活しているので、常に9.8m/s2の重力加速度を受け続けている。2階から地面へと飛び降りるとおそらくは怪我をし、10階(30m高さ)からでは間違いなく死に至る。

はやぶさ2が見事に着陸と聞くと、私たちはこの地球上での常識で物事を考えてしまうが、実際のリュウグウはちっぽけな天体である。小惑星の名前から受けるイメージはある程度(直径数10km?)の大きさを持った星であるが、実際は直径700m位(Wikipedia)あるいは値は少し異なるが、直径900m位(地球上からの観測)の非常にちっぽけな星である。

この小さな星の上(星の表面)では、その重力は非常に小さなものであると考えられる。実際に計算すると、下の表のようになる。リュウグウ上での重力加速度は、地球上での約5万分の1という小ささである。

いま仮に、はやぶさ2がリュウグウから30mの距離に静止していて、重力のみによりリュウグウに引き付けられるとすると、ハヤブサ2がリュウグウの表面に衝突するのは約550秒後で、その時の衝突速度は0.11m/s(メートル/秒)である。ちなみに地球上で同じことをすると、2.5秒後に24m/sの速度で地面に激突する。(移動距離=重力加速度×時間2/2、得られた速度=重力加速度×時間)



非常に小さな重力加速度しか持たないリュウグウに「着陸」という表現には違和感がある。「軽くタッチ」というのが適切かもしれない。さらに、「軽くタッチと同時に小球を天体表面に向けて打ち出し」を行うと、当然のことながら打ち出された小球の方向と逆向きに反作用が生じる。これは、ロケットが高圧ガスを後部に噴き出しながら加速するのと同じ原理で、非常に重力の弱いリュウグウ表面においては、はやぶさ2は小球発射と同時にリュウグウ表面から離れる力を受けることになる。このあたりは、JAXAが見事に計算に入れ、サンプル採取を実施しているものと思う。


関連記事

はやぶさ2、小惑星「リュウグウ」に2回目の着陸成功
7/11(木) 15:53配信 AFP=時事
はやぶさ2、小惑星「リュウグウ」に2回目の着陸成功
【AFP=時事】宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)が11日午前、地球から約3億キロ離れた小惑星「リュウグウ(Ryugu)」への2回目のタッチダウン(着陸)に成功した。
 着陸後、上昇に転じたはやぶさ2との通信が回復し着陸成功が確認されると、JAXAの管制室からは歓声が上がった。
 JAXA宇宙科学研究所の久保田孝(Takashi Kubota)研究総主幹は、「完璧すぎるくらい完璧」と記者団に語った。
 はやぶさ2のリュウグウ着陸は、2月に次いで2回目。リュウグウの地下には46億年前に太陽系が誕生した当時の試料が存在するとみられており、今回の着陸では、4月の人工クレーター作成で露出した地下の物質の採取を試みた。
 採取に成功していれば、太陽系の原始の姿や成り立ち、生命の起源の解明につながると期待されている。
 はやぶさ2は今後、小型探査ロボットをリュウグウの地表面に投下し、来年、地球に帰還する予定。JAXAの吉川真(Makoto Yoshikawa)准教授はAFPに対し、試料の分析が待ち遠しいと語った。【翻訳編集】 AFPBB News


リュウグウ(竜宮、Wikipedia)
発見日 1999年5月10日
発見者 LINEAR
軌道要素と性質
元期:2007年4月10日 (JD 2,454,200.5)
軌道長半径 (a) 1.189 au
近日点距離 (q) 0.963 au
遠日点距離 (Q) 1.415 au
離心率 (e) 0.190
物理的性質
直径 0.7 km(ほぼ球体)
質量 4.5×1011 kg
表面重力 0.11 – 0.15 mm/s2
発見
1999年5月10日にリンカーン研究所の自動観測プログラムLINEARによって発見された。
物理的特徴
地球近傍天体 (NEO) の中でも、特に地球に衝突する可能性が大きく、かつ衝突時に地球に与える影響が大きい「潜在的に危険な小惑星 (Potentially Hazardous Asteroid, PHA)」に分類されている。
組成
S型小惑星のイトカワよりも太陽系形成初期の有機物や含水鉱物をより多く含んでいると考えられること、地球から比較的近い軌道要素を持つことなどから、「はやぶさ2」の目標天体として選ばれた。炭素の含有量の多い炭素質コンドライトからなるC型小惑星である。また観測結果から含水シリケイトの存在も示唆されていた。
形成と進化
はやぶさ2による観測結果から、破壊された母天体の破片が再集積して形成されたラブルパイル天体である可能性がきわめて高いとされている。
「コマ型」や「そろばんの玉型」と形容される形状は、かつて高速自転していた頃に遠心力によって形成されたものと考えられている。現在の自転周期は7.6時間とゆっくりだが、自転周期を3.5時間とした場合に現在のような形状となることが明らかになった。
命名
JAXAは、名称「Ryugu」の選定について以下の理由を挙げている[14]。
「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること。
小惑星1999 JU3は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であること。


JAXA はやぶさ2プロジェクト より

地球からの観測によるリュウグウの情報
小惑星リュウグウは、1999年5月10日に米国のLINEARチームがSocorroの観測施設にて発見しました。仮符号は1999 JU3でしたが、その後の観測によって162173という確定番号が付与されました。そして、2015年7月から8月にかけて命名キャンペーンが行われて、同年9月に「リュウグウ(Ryugu)」と名付けられました。 地球からの観測によって、次のようなことが分かっていました。

大きさ     :約900 m
形       :ほぼ球形
自転周期    :約7時間38分
自転軸の向き  :黄経(λ) 325±15°  黄緯(β)-40±15°
反射率     :0.05 (黒っぽい)
タイプ     :C型(水・有機物を含む物質があると推定される)
軌道半径    :約1億8千万km
公転周期    :約1.3年


補足 神戸新聞 7月12日

説明の補足

高度30m(11日午前9時40分)から降下をはじめ、同10時6分に地表へ着陸。
上の計算では、自由落下だと550秒(約9分)のところを、慎重に制御しながら26分をかけて着陸したことになります。




図表入りの記事はこちらにあります。
http://www.alchemist.jp/Blog/190711.pdf

ブログ一覧はこちらにあります。
http://www.alchemist.jp/Blog/Blog-002.html



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