「京大的アホはなぜ必要か 酒井敏著(2019年)」を読んで

タイトルからはその内容が推定しにくいが、中身はいたってまじめな書である。著者は京都大学大学院人間・環境学研究科教授で、専門は地球流体力学である。そのためか、カオスとフラクタルに関する項目が入っている。本書の副題は「カオスな世界の生存競争」である。

序章 京大の危機は学術の危機
第1章 予測不能な「カオス」とは何か
第2章 カオスな世界の生存戦略と自然界の秩序
第3章 イノベーションは「ガラクタ」から生まれる
第4章 間違いだらけの大学改革
終章 アホとマジメの共同作業

この書は大阪技術振興協会の会誌2019年12月号の書評でも取り上げられている。
その一部を引用すると、

40 年前に静岡の高校から京大理学部に入学した。先生から「アホなことせ」と言われ面食らった。大学でなぜアホなことをしないといけないのか理解に苦しんだ。そのうち「アホなことせ」が理解できるようになった。ここで言う「アホ」は「賢い」の反対の「アホ」ではない。大学での研究は先人が行ったことをなぞっても大した成果は得られない。誰も気付かず,手を付けていない事柄を探し出して研究すること。これがアホなこと」である。その考え「おもろい」と評価されれば合格。京大では「おもろくない」研究はだめなのだ。「アホなことせ」の他に「無駄をせ」と言われた先生もあった。失敗しても「すんまへん,すんまへん わしアホやから堪忍してや」と低姿勢で開き直りながら,したたかに「アホ」を貫くことができるかである。昔の京大にはこの雰囲気があったが,その雰囲気が薄れてきていると指摘している。
(中略)酒井さんは,良き校風が危機に瀕していると訴えている。また,自然科学の
未知分野を切り開くためには,一見無駄と思える研究を進める「京大的アホ」の研究者を絶やしてならないと強調している。
                               (飯田 茂隆 記)

発明や発見・イノベーションは二番煎じではダメだということである。奇抜な発想をする アホと、そのアホの考えを形にするマジメがペアとなり、新しい世界を切り開いていく。 いつの世もこれが大切であると、京大的アホは再認識させてくれた。



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