信越化学、ポリ塩化ビニル(PVC)原料エチレンを自家生産へ
日本経済新聞(4月16日)によると、信越化学は米国でエチレン工場(年産50万トン)を建設する。建設額は1000億円を上回りそうだ。シェールガス由来の原料(シェールガスなど天然ガスに含まれるエタン)から大幅にコストを低減してエチレンを生産する体制を整え、塩化ビニル製品の競争力を高める。信越化学は国内外を含めてエチレンは外部購入に頼ってきたが、初めて自社生産に踏み込む。原料価格を数分の1に抑えられる見通しだ。工場建設地は信越化学の子会社シンテック社が所有するルイジアナの工業用地が有力と。
なお、信越化学のホームページによると、現在の信越グループのPVC全生産能力は、年間384万トンと世界最大となっている。
シェールガスはJOGMECの「石炭やシェールから天然ガスをどうやって取り出すの?」によくまとまっている。シェールガスの主成分はメタンであるが、「シェールガスはエタン・LPG・NGL(天然ガス液)成分を含むことがあり、発熱量は若干高め。」と記されている。
化学式
シェールガス(主成分はメタン、CH4)中に含まれるエタン(C2H6またはCH3CH3)を原料として用いる。
CH3CH3 → CH2=CH2 + H2
CH2=CH2 + Cl2(塩素) → CH2ClCH2Cl → CH2=CHCl(塩化ビニル) + HCl 製法参照
n CH2=CHCl → (CH2CHCl)n (PVC、ポリ塩化ビニルへの重合反応)
この反応式に従うと、ロスがないとしたとき、50万トンのエチレンから112万トンのPVCが生産できる計算となる。
エチレンを作る方法として、メタンを部分酸化する方法が知られている(特許を参照)。
2CH4 + 0.5O2 → CH2=CH2 + H2O
日本で実施されているナフサ(石油)の分解によるエチレンの製造方法は、
Web版 化学プロセス集成 エチレンプラント
日本におけるエチレンの生産能力は、
主要メーカーによるエチレンの生産量
日本のエチレン生産量の推移は、
日本の石油化学の歩み
シェールガス革命が日本に及ぼす影響は、
シェールガス革命が日本の石油化学産業に及ぼす変革(JOGMEC)
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なお、信越化学のホームページによると、現在の信越グループのPVC全生産能力は、年間384万トンと世界最大となっている。
シェールガスはJOGMECの「石炭やシェールから天然ガスをどうやって取り出すの?」によくまとまっている。シェールガスの主成分はメタンであるが、「シェールガスはエタン・LPG・NGL(天然ガス液)成分を含むことがあり、発熱量は若干高め。」と記されている。
化学式
シェールガス(主成分はメタン、CH4)中に含まれるエタン(C2H6またはCH3CH3)を原料として用いる。
CH3CH3 → CH2=CH2 + H2
CH2=CH2 + Cl2(塩素) → CH2ClCH2Cl → CH2=CHCl(塩化ビニル) + HCl 製法参照
n CH2=CHCl → (CH2CHCl)n (PVC、ポリ塩化ビニルへの重合反応)
この反応式に従うと、ロスがないとしたとき、50万トンのエチレンから112万トンのPVCが生産できる計算となる。
エチレンを作る方法として、メタンを部分酸化する方法が知られている(特許を参照)。
2CH4 + 0.5O2 → CH2=CH2 + H2O
日本で実施されているナフサ(石油)の分解によるエチレンの製造方法は、
Web版 化学プロセス集成 エチレンプラント
日本におけるエチレンの生産能力は、
主要メーカーによるエチレンの生産量
日本のエチレン生産量の推移は、
日本の石油化学の歩み
シェールガス革命が日本に及ぼす影響は、
シェールガス革命が日本の石油化学産業に及ぼす変革(JOGMEC)
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