アベノミックスの「第3の矢」を成し遂げるキーワードは「攻撃は最大の防御」

第3の矢はイノベーションである。1911年に経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターによって提案された概念である。日本では技術革新と訳され、技術の高度化のみが競争力の源泉であるとの誤解もある。しかし、シュンペーターはイノベーションについて、技術革新であるとは一言も言っていない。

Wikipediaに示されるように、シュンペーターの言うイノベーションは、「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」により生み出される。技術革新が起こったとすると、この切り口の結果としてである。

さて、イノベーションを考えるとき、私たちは通常、日本の水準や世界の水準をリトマス紙とし、それよりも高い技術や仕組みを作り上げることを考える。ここに落とし穴がある。従来の水準をリトマス紙としたのでは、過去の延長線上に物事を考えることになり、斬新なアイデアに結びつかない場合が多い。

全くの未知から理想とする水準を作り上げることを考える。その時に私たちの思考のゆらぎはどのようになるか。多くの競争者がいるであろうが、彼らの実力は不明である。そのような時には、絶対に負けない技術や仕組みを作り上げようと考えるだろう。いいと思えたアイデアにたどり着いても、さらに良いアイデアがないかを探し求めるはずである。そして、気がつくと世界の水準をはるかに凌駕した技術なり仕組みが出来上がっていることになる。

技術革新というが、技術を例に上げると、ある製品の製法があるとする。技術者仲間からもその製法は素晴らしく、それを超える製法は出てこないであろうと思われている。しかし、そんな優れた製法であっても、いずれは他の製法に打ち負かされる。そんな他の製法は同業者により作り上げられることもあるが、他分野の技術者により作り上げられることもある。要はアイデアである。「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」。周囲の者は眉をしかめるかもしれないが、誰も発想しなかった斬新なアイデアがイノベーションを現実のものとする。

どこまで既成概念をなくしてゼロベースで物事が考えられるか。そして粘り強く考え続けることができるか。競争力を持ったイノベーションを支える創造とは、そのような日常を離れた発想により創出される。従来型の「延長線上の思考方法」を守りとするならば「ゼロベースの発想方法」は攻撃である。日本人はこの攻撃が欠如しているのではと感じられる。素晴らしいアイデアが出されたとしても、「そんなことは起こるはずがない」とか「もっと現実的な考え方があるだろう」などは「延長線上の思考方法」の典型である。

アベノミックスの第3の矢を効果的に射るためには、人の持つ能力を最大限に発揮する必要がある。モノやカネは大切であることは言うまでもないが、その両者を意義あるものとするのは人の想像力・発想であることを忘れてはならない。


イノベーション(Wikipedia)

(技術革新から転送)

イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明と誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。

イノベーションは、1911年に、オーストリア出身の経済学者であるヨーゼフ・シュンペーター[2]によって、初めて定義された。

シュンペーターはイノベーションを、経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合することと定義した[3]。そしてイノベーションのタイプとして、
新しい財貨すなわち消費者の間でまだ知られていない財貨、あるいは新しい品質の財貨の生産
新しい生産方法の導入
新しい販路の開拓
原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
新しい組織の実現

という5つを挙げている。



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