日本電産永守社長は「モーレツ」をやめ「生産性の高い人間」に仕事を回す

1月27日の日本経済新聞に。日本電産会長兼社長の永守重信氏のインタビュー記事が載った。タイトルはズバリ、「『モーレツ』代わる? 時間でなく成果で評価」だ。

この記事のなかで、私が一番注目したのは「今はできるだけ生産性の高い人に仕事を回し、昇進や賞与で報いるようにしている。同じ仕事をするのに能率が良く早く仕事を切り上げる人より、効率が悪く長時間働いている人に残業代がつき収入が多くなるのはおかしい」というクダリだ。日本電産もモーレツだけでは成り立たなくなってきたということだろう。

この言葉に私が敏感になるのには理由がある。もうウン十年前の話になるが、新入社員時の評価基準はズバリ労働時間であった。残業時間を見て、よく働いているかどうかが計られた。この基準では私は落ちこぼれの新入社員ということになる。

入った研究所(研究室)は10人のチームで夜遅くまで仕事をしていた。やれどもやれども良い結果が得られない状況であった。午前に反応を仕掛け、途中で操作を失敗するとまた最初からその反応を始める者もいた。こんなことをすると仕事が終わるのは夜中近くとなる。でも、ひと月を締めてみるとそんな人が一番仕事をしたと褒められる。その大きな理由(原因)は、研究自体が全く前には進んでいないので、評価基準は働いた時間しかなかったということだろう。今思うにきっとそうだ。

私は新入社員でありながら皆よりも早く帰っていたから、きっとダメ社員だったのだろう。しかし、新入社員の9月にブレークスルーする方法を見出した。その時に上司から言われた言葉が「前例があるか」「教科書に載っているか」「よその会社がやっているか」である。研究というものは新しい発見を求めるものであるから、そのようなものが無いのが普通だと思うが、私の会社生活においては、この一連の言葉にこの後にも複数回出会うことになる。そして、10月には、新入社員としては実に異例のことではあるが別の研究室に移り、その研究室からも2週間後には別の研究室に移ことになった。上司にとっては危険分子だったのだろうか?

でも、研究もそうだが、仕事は労働時間も大切だが、その前に戦略や論理思考があるべきである。職種によって違いはあるとは思うが、このあたりを活かせるような企業風土としていけば、会社は発展する。日本電産もモーレツだけではダメだということをかなり前から感じとり、仕事の仕方を変えてきているのだろう。

最近は私のいる会社もマネジメント教育が盛んになった。だが、学んだ知識は実際に使ってみてナンボである。成果に結びつかなければただの勉強である。日本電産の永守氏の言う「できるだけ生産性の高い人」とはどういう人なのかを真剣に考えてみると、教育のありようも当然のことながら変化してくるのではと、最近は冷めた目で周りを見つめている。



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