テーマ:化学

「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料28 亜酸化窒素の爆発事故

 宇宙旅行への夢を賭けたスペースシップツーであるが、まだ商用飛行には至っていない。その原因の一つとして、スライドに示した爆発事故がまだ影響しているのだろう。このロケットはハイブリッドロケットで、燃料は合成ゴム、そして酸化剤は亜酸化窒素(別名は笑気)を使用し、亜酸化窒素を固体合成ゴム上に供給して燃焼を起こさせ、発生した燃焼ガスにより推力を…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料27 硝酸アンモニウムを含む爆薬

 ノーベルの発明したダイナマイトは硝酸アンモニウムを酸化剤とする爆薬に置き換えられた、スライド1)。アンホ爆薬(Ammonium Nitrate Fuel Oil explosive)は産業用爆薬の70%以上を占める。説明資料26では硝酸アンモニウムは吸湿性があるとの説明をしたが、スライド2では水を含有する含水爆薬の性能と組成について触…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料26 硝酸アンモニウムの物性と熱分解

 このスライドでは硝酸アンモニウムの物理的性質とその発熱分解について記す。  スライド1には硝酸アンモニウムが水に溶けやすいこと、また吸湿性が強いことを示している。さらに、硝酸アンモニウムの結晶は温度の変化により多くの結晶系を取り、たとえば32.5℃で結晶系が変化するとその密度も合わせて変化することから、結晶系が変わるたびに硝酸ア…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料25 硝酸アンモニウムの製法

 説明資料3ではハーバー・ボッシュ法の説明をし、アンモニアの製造が可能になったことで食糧の増産が可能となり、1900年代初頭より世界的な人口爆発が起こったことを示した。  このスライドでは、アンモニアは一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、硝酸(HNO3)を製造するための重要な原料であり、さらにアンモニアと硝酸より硝酸アンモニ…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料24 爆発・火災・事故データベース

 このスライドの出典は説明資料23と同じである。爆発・火災事故等に関連するデータベースで、説明資料11で説明した失敗知識データベースもこの表に含まれている。  本ブログの記事は、私のホームページ「アルケミストの小部屋」に掲載の「化学反応の関与する事故を中心に」より抜粋したものです。  下の(解説)では、94ページ…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料23 化学危険性を予測する方法

 下に示したスライド1~3は厚生労働省のWeb「(初学者のための)化学物質による爆発・火災等のリスクアセスメント入門ガイドブック」からの抜粋であり、代表的な危険性評価手法が紹介されている。この資料は、初学者や入門と謳いながらも実に97ページの圧巻資料であり、多くの知識を得ることができる。目次は次のようになっている。 …
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料22 大学研究室で身に着けるべき安全意識

 ここに示すスライドは、化学安全ノート(書籍)の目次である。大学等で研究をする場合には、これくらいのことには最低限、気を配ってください、との指針としてここに転載させていただいた。  本ブログの記事は、私のホームページ「アルケミストの小部屋」に掲載の「化学反応の関与する事故を中心に」より抜粋したものです。  下…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料21 化学物質使用時のリスクアセスメント

 労働安全衛生法が改正され、製品安全データシート(SDS)の発行が義務付けられている化合物640種類を取り扱う場合には、リスクアセスメントの実施が義務となった。  スライド2は化学プラントなどのリスクアセスメントでよく使われる手法はHAZOPに関する基礎知識(HAZOP&化学プラント安全促進会)あるが、これ以外にも説明資料23(後…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料20 化学物質の危険性評価方法

 スライド1とスライド2は化合物の危険物評価の方法を示している。  スライド1は危険性評価試験の全体像を示したものである。説明資料18の三菱マテリアル爆発事故でも説明したように、思いもよらぬ意外な化合物が爆発性を持つことがある。基本的には、絶対安全との保障がある化合物以外は安全であるかの評価を行うべきである。  スライド2は…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料19 爆発性分子の構造特徴

 ここに示すのは、危険な化合物の有する特徴である。化合物の形(化合物に含まれる構造)を見てその化合物の危険性を察知するところまで知識を高めたいものである。  ここには、化合物中にこのような構造が含まれると危険との情報が示されているが、逆に危険な化合物にはこのような構造が含まれている、との学習も必要である。多くの化合物についてその知…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料18 三菱マテリアルのシリコン設備爆発事故

 三菱マテリアルの冷却器爆発事故について解説する。  この事故はシリコン製造施設の多管式冷却器を取り外し、冷却管内部にこびりついた付着物を取り除く作業(非定常作業)をしていた時に、突如爆発が起こったものである。  冷却管内部にはスライド1に示されているようなSi-Si-Si・・・ポリマー鎖があり、各々のSiからはさらに2本の…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料17 日本触媒アクリル酸タンク爆発事故

 日本触媒でのアクリル酸タンクの爆発事故について解説する。  この事故は説明資料16の事故と同様、タンクの下部にしか冷却管がないにもかかわらず、液循環を怠ったために、タンク上部においてゆっくりと異常反応が進み、やがてその反応速度が加速度的に速まり爆発に至ったものである。  スライドには2つの反応式が示されているが、まず上の反…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料16 三井化学レゾルシン工場爆発事故

 三井化学のプラントがなぜ爆発に至ったかの説明である。  このプラントはスライドの反応式に示すように、ベンゼンの誘導体(カテコール、m-ジヒドロキシベンゼン)を作ることを目的としている。原料であるDIPB(m-ジイソプロピルベンゼン)を酸素酸化して黄色のハッチングで示してある過酸化物中間体を得る。この過酸化物中間体が分解して目的の…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料15 東ソー塩ビ設備爆発事故

 東ソーの化学プラント爆発がなぜ起こったのかの説明である。問題の製造設備はスライド1の右図に示す蒸留設備である。  まず、この蒸留塔に入る手前の工程では主反応と記した反応が行われる。エチレン(CH2=CH2)に塩素を付加させてジクロロエチレン(CLCH2CH2CL)とし、このジクロロエチレンを分解してクロロエチレン(CH2=CHC…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料14 化学プラントの大事故は人災?

 スライド1は「化学反応の暴走事故とその分類、および予防策」からの引用である。化学プラント事故は非定常時に起こることが多く、事前にその事故が起こる原因には思い至らなかったこと、これが最大の要因となる。化学プラント事故においてはシステムが複雑であるだけに、事故が起こってから時間をかけてその原因が究明される場合もある。しかし、多くの場合は「…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料13 触媒による反応速度加速効果

 このスライドは触媒の効果を模式的に示したものである。触媒があれば目的の反応を速く進めることができるようになる。  説明資料12においては、X+Y→Z反応の具体的例について、塩化リチウム(LiCL)が良好な触媒として働くことを説明した。  もし触媒がなければ反応は図中の黒線で示した高い山(活性化エネルギーの障壁)を越えて、左…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料12 反応温度と除熱能力

 スライド1の左図は横軸に反応温度、縦軸に熱量を取っている。曲線は反応に伴う発熱量、そして直線は除熱量を示し、この曲線と直線が交わる点CP(Critical Point)で反応熱の除熱ができなくなることを示している。この図は「化学反応の暴走事故とその分類、および予防策」より引用した。  スライド1の右図には一般的な反応器の図を示し…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料11 化学災害事例集

 失敗知識データベースの紹介である。このデータベースには次の技術分野ごとに過去の失敗事例が収められている。その編集方針は、多くの事故例を掲載することではなく、特徴的な事故例を示すことで事故の本質を知り、同様の事故発生を防止することにある。  技術分野:    機械 化学 石油 石油化学 建設 電気・電子・情報 電力・ガス 原子力…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料10 混触危険 ヒンデンブルグ号爆発事故

 混触危険についての説明をする。スライド1は消防法の危険物分類である。危険性の特徴ごとに第1類から第6類にまで分けられ、どの類とどの類の混合が危険であるかを示している。  具体的な各類の化合物例は危険物(Wikipedia)に示されているが、例えばその一例としては、第1類の酸化性固体では塩素酸カリウム、第2類の可燃性固体では赤リン…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料9 静電気による爆発事故

 下のスライドの図は有機溶媒などを仕込んだ反応器に、粉状の反応中間体を投入しているところです。  フレコンはプラスチック製であるため電気を通しにくく、その表面に静電気がたまることになります。この蓄った電気が放電するとそれが着火源となり、有機溶媒蒸気が燃焼あるいは爆発する可能性が出てきます。有機溶媒蒸気の爆発範囲の一例は説明資料5に…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料8 福島第一原発の水素爆発

 福島第一原子力発電所の水素爆発に関する説明である。  1号機、3号機、4号機で水素爆発が発生した。このうち、1号機と4号機は水素爆発、3号機は水素爆轟であったとされる。  3号機の水素爆発は「爆轟」  三月十四日に東京電力福島第一原発3号機で起きた水素爆発は、衝撃波が音速を超える「爆轟(ばくごう)」と呼ばれる爆発現象…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料7 炭鉱における重大災害

 日本の炭鉱はすでにそのすべてが閉山となってるが、かつては多くの事故が起こった。その一部が「炭鉱重大災害一覧」としてまとめられている。  ここに示されている事故の中で、化学反応に関与するものはガス爆発と粉塵爆発である。  ガス爆発は、石炭層から噴き出したメタンガスが空気と混ざり、生じた混合ガスに着火することにより起こる爆発で…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料6 液体と粉体の関与する爆発

 説明資料5では気体の爆発・爆轟について説明した。ここでは液体の爆発および固体の爆発について説明する。  液体の爆発は、液体が空気中に気化した可燃性蒸気が空気と混じり合い爆発性の混合気となることにより起こる。その爆発範囲は下のスライド1の左表に示すとおりである。爆発性混合気の爆発下限値vol%はさまざまであるが、これをg/m3でみ…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料5 ガス爆発

 ガス爆発という言葉はよく耳にする。空気に可燃性ガスがどのくらい混ざれば爆発が起こるのか。今回のスライドではその説明をする。  スライド1枚目の左の表には爆発範囲が記されている。空気-可燃性ガス混合ガス中の可燃性ガス成分の濃度が下限値以上、上限値以下の範囲となったとき、着火源があれば爆発に至る。右図は水素を例にその範囲を三角図で示…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料4 爆燃と爆轟

 火薬と爆薬の区別は難しい。火薬(Wikipedia)によると次のようになっている。  火薬と爆薬の分類方法には色々な種類があるが、日本の火薬類取締法上では「推進的爆発の用途に供せられるもの」を火薬、「破壊的爆発の用途に供せられるもの」を爆薬、火薬や爆薬を加工したもの(雷管、導火線、花火、銃砲弾、爆弾など)を火工品(かこうひん)と…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料3 アンモニア合成

アンモニアの製造方法である。「化学反応の関与する事故を事故を中心に」資料の一部分の詳細説明である。  ハーバー・ボッシュ法でのアンモニア製造の開始は約100年前である。植物の成長に必要な肥料の三要素は窒素(N)、リン酸(PO4)、カリ(K)と言われるが、その内の窒素を人類は自由に手にすることができるようになった。これにより、食料の…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料2 爆発範囲、爆轟範囲

 本資料は「化学反応の関与する事故を中心に」を順次、詳細に説明していっている。     化学の歴史における特徴的なエポックをスライドに示した。このスライドを見ると、化学が科学として本当に歩みだしたのは比較的近年(下のスライド、化学の歴史2)になってからであることが分かる。従って化学はまだ300年にも満たない新しい学問ということにな…
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「化学反応の関与する事故を中心に」 説明資料1 はじめに

ここから始める一連のブログは資料「化学反応の関与する事故を中心に」の内容を分かりやすくかみ砕いて説明していくことを目的としている。    はじめに  何事もうまく進んでいる状態が正常な状態で、その状態から逸脱すると異常となる。化学に関しては毎年どこかで工場の爆発や火災のニュースが聞かれ、これらの事故はまさしく異常の極致と…
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「化学反応の関与する事故」を集大成 公開いたしました

化学と聞くと、なぜか近寄りたくないもの、との印象を強くする人が多くいるように思います。特に「亀の甲」(ベンゼン環のこと)などというと、この話はそこまで、ということもしばしば起こります。でも、私たちは多くの化学製品に囲まれ、その恩恵を受けています。現代社会においては化学製品なくしては生活が成り立たない、といっても過言ではないでしょう。 …
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ノーベル賞の授賞式にあたり、若い世代の活躍に期待を込める

本日12月10日はノーベル賞の授賞式である。青色発光ダイオードの研究で日本人3人がノーベル物理学賞を受賞した。物理学賞ではあるが、物理学と化学の両方に関係している受賞である。 このノーベル賞の受賞は、不可能に思えることを可能にしてやろうとの強い思いの結果であった。これは受賞者らの著した書籍に感動的に記されている。 さて、私は…
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