アルケミストは考えた

アクセスカウンタ

zoom RSS 三菱重工、飛べない日の丸ジェットMRJ

<<   作成日時 : 2013/10/30 05:29   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 これは、日本経済新聞10月29日付けに掲載された小さな記事である。すでに165機の確定受注を得ているが、その納入時期が延び延びになって行っている、というのである。経済産業省の後押しもあり、日本単独でのジェット開発となったが、それが裏目に出ているようだ。

 記事には『MRJの部品はおよそ95万点と自動車の30倍以上で、その7割は国外から集まってくる。「詳細な仕様を教えてくれなければつくれるはずがない」とは、ある外資系部品メーカー幹部。三菱重工が「組立メーカー」の役割に不慣れなことが、遅延の原因のひとつだ。』と記されている。

 日本人はそんなに複雑でないもの、たとえば乗用車などは現場合わせで器用に作り上げる能力を持っているが、航空機などの巨大プロジェクトを遂行していくのは苦手なようだ。これは以前から言われていることである。今回、その悪い例をまた一つ作ってしまったことになる。巨大プロジェクトを実施していくためには、その実施の仕組みが明確に練り上げられていること、そして、トップダウンで仕事が計画通りに進んでいくことが必要となる。この両方にあまさがあり、今回の結果となっているのではと想像する。とくに、日本人はトップダウンが上手ではない。

 プロジェクトに関する書籍は多数出版されているが、それを実地で経験していかなければ自分のものとならない。この経験のチャンスが少ないことも、今回の結果を招いているのではないか。経済産業省に頼ることなく、民間活力を活かして自発的に経験のチャンスを作っていくことが大切となってくる。国を頼ろうとする心が失敗につながる。



三菱MRJ(Wikipedia)

 2008年9月の時点では、2011年に初飛行、2013年に納入を開始する予定だったが、2009年9月、胴体と主翼の設計変更にともない初飛行を2012年第2四半期に、初号機納入を2014年第1四半期に見直した。

 2010年9月15日に詳細設計の段階から製造段階に移行したと発表した。2012年4月には、開発並びに製造作業の進捗の遅れから、試験機初飛行を2013年度第3四半期に、量産初号機納入を2015年度半ば〜後半に延期になった。

 2013年8月22日には装備品について、パートナー各社と協力し、安全性を担保するプロセスを構築することに想定していたよりも時間が必要だとして3回目の開発スケジュール(試験機初飛行予定を2015年第2四半期に、初号機納入予定を2017年第2四半期に)の遅延を発表。しかし、装備品のパートナー各社と安全性を担保していくプロセスおよび納入時期について合意し、早期量産体制構築の準備も進め量産工程を加速し可能な限り早く市場投入する計画も発表した。



昨年6月時点の私のメモ書きより

国産ジェット旅客機MRJの完成時期がまた遅れる 巨大プロジェクトと日本人は相容れないのか?

 自動車で培った擦り合わせ技術は、航空機には利用できないのか。これはYS-11以降、本格的な航空機を造ったことのない日本の宿命なのか。宇宙産業は多くの苦しみの末に現在がある。この産みの苦しみは、経験を積み上げるに必要な代償であったのか。

 日本人は小さな工夫には長けている。また、経験をこつこつと積み上げることにも長けている。しかし、全体像をつかみ(鳥瞰)、計画し、それをプロジェクトとして動かしていくのには向いていないようにも見える。日産自動車もゴーン氏が立て直した。日産にはもともと立ち直るだけの実力があり、ゴーン氏は単に方向づけをしただけと見ることもできる。将来のあるべき姿を描いて方向づけをすること、これがプロジェクトを動かすマネジメント力である。

 今の日本の自衛隊が仮に軍隊へと代わり、そして仮に戦争を行なったとき、日本は勝利することができるであろうか。第二次世界大戦時の日本人と比べて今の日本人はその論理思考に磨きがかかったであろうか。否、竹槍でB29を突きに行く精神構造は何も変わっていないかもしれないし、無欲・無気力になった分、勝利からは遠退いたかもしれない。

 グランドデザインを作り、それをやり切れる、論理的で実行力のあるリーダーが今の日本に求められている。



産経ニュース 5月29日

“日の丸ジェット”MRJ正念場 機体開発遅れ受注劣勢

 国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が、産みの苦しみを味わっている。機体開発の遅れや部品検査工程の不備が響き、納入時期の2度目となる大幅な延期に追い込まれたからだ。海外のライバルとの実績の差はさらに広がり、これ以上の遅延は許されない。世界屈指の低燃費を売り物に市場の席巻を目指す「日の丸ジェット」が、最大の試練に直面している。

 三菱重工傘下でMRJを開発している三菱航空機(名古屋市港区)は4月25日、14年1〜3月としていた初納入の時期を、15年度半ばから後半に延期すると発表。「製造工程の見直しや開発段階でのさまざまな技術検討に多大な時間を要している」(同社)ためといい、今年6月に予定していた試験機の初飛行も13年10〜12月に延ばした。



追加情報

日本経済新聞 11月12日
 ボーイング・日本8社連合
 三菱重工などと生産革新 航空機納期を短縮
 炭素繊維・チタン効率加工。三菱重工は翼など部品の加工・生産

 ※三菱重工はジェット機をまるごと作るのには苦労していますが、部品を作るのは得意なようです。

日本経済新聞 11月19日
 MRJ来年完成
 三菱航空機はこのほど、P&W社と来春に初号機のエンジンの供給を受けることで合意。
 初飛行に一定の目処がついた。
 MRJは新型エンジンの採用などで従来機より2割ほど燃費がいい。


          ブログ一覧に戻る        ホームページ「アルケミストの小部屋」に戻る



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
三菱重工、飛べない日の丸ジェットMRJ アルケミストは考えた/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる