シャープの特許出願件数 公開特許の数でカウントしている。割合はシャープの特許出願数/日本での特許出願数×100%で計算。特許出願から公開までは1.5年となっているので、現在公開となってきている公開特許は2012年の中頃に出願された特許である。従って、2012年の特許数は2011年の特許数に比べて少なくなっている。また、2014年はまだ半月が経過したばかりであるので、当然、公開特許の数は少ない。 日本の特許出願件数は年を追うごとに少なくなってきているようである。シャープの日本での出願総数に対する比率は約1.5%程度で継続している。2012年の国際出願件数は2001件となっているので、出願した特許の半数以上は海外にも出願していることになる。下に示したように、現在は経営難に直面しているといえども、技術開発には力を注いでいる様子が見て取れる。仮にではあるが、海外出願にかかる費用(出願費用・維持費用)が1件当たり500万円とすると、2001件の海外出願で1000億円と計算される。売上高(2.5兆円)に対して約5%である。ただし、途中で権利化を見合わせるものも出てくるのでこれよりも想定金額は低くなる。参考までに、シャープの国内特許が審査請求をしてその権利が認められる割合は、出願件数に対して約4割である。残りの6割は審査請求をしていないか、あるいは審査請求したとしても拒絶されたものである。 技術力のある会社であるから、経費としてつぎ込んだ特許費用(見えざる資産)を活用して、復活する日が早く来ることを期待している。 シャープ(Wikipedia) 歴史 1912年、早川徳次が東京で創業。徳尾錠というベルトのバックルの発明が始まり。 1915年、金属製繰出鉛筆(早川式繰出鉛筆)を発明。販売開始後、商品名をエバー・レディ・シャープ・ペンシルに変えた。アメリカで爆発的にヒット。現在の社名はこれに由来する。 1925年に鉱石ラジオをシャープの名前で発売。戦前の主力商品となる。 1962年、日本の家電企業で初めて電子レンジを発売(当初は業務用)、 1966年には世界初のターンテーブル方式の電子レンジを開発する。 1963年には太陽電池の量産を開始、太陽電池は現在でも世界2位のシェアを誇る。 1964年にはオールトランジスタダイオードによる電子式卓上計算機(世界初)を開発。 1973年液晶を表示装置に使ったCMOS化電卓(世界初)を開発。この経験が「液晶のシャープ」と呼ばれる現在につながっている。 他にシャープが得意とする製品としてはファクシミリ、パソコン並みにモデルチェンジをする電子辞書、電子レンジ、近年ではコピーなどの複合機、カシオと競い合う電卓、更に液晶テレビAQUOS、そこから発展したAQUOS携帯電話などユニークな製品がラインナップされている。 さらに、2009年からはLED電球の発売により家庭用照明事業にも参入している。 なお、液晶事業への投資増もあり、半導体事業はCCDなどのイメージセンサーや画像処理LSI、液晶駆動用LSIなどに集約されている。 独創的な商品開発で知られ、業界初や世界初の商品を数多く送り出している。 経営危機 シャープの危機は、発展そのものに埋め込まれていたという。「オンリーワン」「基礎材料メーカー」をめざした中で、液晶の市場規模が小さいときにトップシェアとなり、松下(パナソニック)陣営のプラズマディスプレイとの戦いに勝ち、売り上げを数十倍に伸ばし小さな町工場を世界企業に育てた。その中でおごりが生まれ、社内で「液晶」についての批判的言辞はタブーとなった。液晶に賭けた「一本足経営」と、実質的無借金経営から借金漬けの経営になったため、経営陣の内紛、戦略の失敗、経済危機などがそのまま経営危機に直結した。中興の祖の佐伯旭一族が実権を握り続けた(1959-2012年の53年間)。技術重視の姿勢が貫かれ、力を生み出すと同時に営業を軽視することにつながったと言われる。また、液晶テレビや太陽光発電など膨大な投資を必要とするものは減価償却後の利益で次の投資をするのが基本だが、シャープは新しいものを作った後が続いていないという経営の失敗が続いている。 日本経済新聞 1月16日 見えざる資産の素顔 追加情報 日本経済新聞 3月14日 特許国際出願数 パナソニック 再び首位に 世界知的所有権機関(WIPO)が13日に発表した2013年の国際出願特許件数 対象特許は特許協力条約に加盟する国に一括して特許出願する制度を得利用したもの 企業の特許出願件数は下表のとおり 国別では、米国、日本、中国、ドイツの順で、米国と日本で世界の49%を占める ブログ一覧に戻る ホームページ「アルケミストの小部屋」に戻る |
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