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zoom RSS 子供には魚を与えますか? それとも獲り方を教えますか?

<<   作成日時 : 2014/01/27 00:02   >>

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 日本の教育はすべての教科に亘って一定以上の水準となることを要求する。文科系が得意な人は理科系の科目で苦しむし、逆に理科系の得意な人は文科系の科目で苦しむことになることが多い。

 小学校、中学校、高等学校においては、好きな部分・興味のある部分が得意な科目に結びつき、また、得意であることがよりその科目に興味を持たせる場合が多い。好きでない科目は、その時点では興味の外にあったり、その重要性が認識できていなかったりと、いろいろな理由が考えられるが、ともかくは何らかの理由があって得意ではないのである。

 この何らかの理由の中に、一生懸命に頑張るのだがなかなかその成果が現れない場合も含まれる。私の場合もそうであったが、こと記憶が入ってきたときにその学問が無味乾燥に思えた。理屈がなく、文脈がないからである。学校を卒業後に、読み本で歴史の流れなどを追うようになってからは、歴史とはそのようになった必然性があり、結構興味深いものであることを知った。

 学生時代の短い期間ではあるが、教科書を暗記のためのテンプレートとして示すか、その行間に隠れているドラマを生徒にあたかも目の前で起こっている出来事のように示せるかが、教師の力量であろう。

 さて、アメリカ、西欧の学校においては、日本の暗記方式とは逆に理解に重点をおく。理解していることの確認は、生徒の回答(解答ではない)に対してなぜそのように考えるのかの質問によりなされる。答えが合っているか違っているかも大切かもしれないが、なぜそのように考えたか?、そのプロセスを重視するのである。

 アメリカにはMBA(経営学修士)があり、日本からも多くの学生が留学した。最近では、日本国内の大学の多くがこのMBAコースを持っている。MBAにおいては、事例を通してその会社が取るべき戦略等を議論し、その議論から多くを体得する(ケース・メソッド)。デベート形式での講義となるので、深く考慮することができる。

 社会科学においては、科学の実験と異なり再現性が確保されない。社会情勢が一定であれば同じ答えとなるかもしれないが、会社を取り巻く環境は常に変化するので、常に同じ結果が得られるとは限らないわけである。したがって、回答はいくらでもあり、どれが良い悪いを判断するのは難しいことになるが、論理がしっかりしているかどうかの確認はできる。考え方のトレーニングであり、知恵の使い方のトレーニングである。

 少し古い例にはなるが、任天堂のゲーム機にWiiがあるが、他のゲームメーカーが高速できれいな画質、特定のマニアに向けて高度化を図っていたのに対し、このWiiでは、従来からある通常の技術を用いて、とくに高いゲームスキルがなくても家族がみんなで楽しめるゲームを目指して成功した。ゲームの操作方法も独特で、発売時にはこんなへんてこなコントローラを用いるゲームは売れるわけがないとの声も聞かれたが、結果は大ヒットで、ゲームを本来あるべき大衆の娯楽に引き戻した。花札の専業メーカーであった任天堂の遺伝子をしてできた快挙であろう。

 任天堂は、会社としての得意分野を認識し、世界のゲーム産業の流れに流されることなく、あえてその逆を行うことにより成功した。ここに、戦略(ブルーオーシャン戦略)がある。自分自身の強みを認識し、そこを極度に強化し、戦略的に利用したわけである。だが、その任天堂といえどもここ3ヵ年の間、売上・利益は低迷を続けている。成功体験が次の発展を邪魔したかのように思える。人も会社と同じである。成功体験に溺れることなく、これで良いのか? 次は何をすべきか? を常に自問しなければ発展性がなくなる。「チーズはどこへ消えた?」ではないが、自ら新天地を求めることを考えさせ、自らその実行に移させる決断力と強さを持たせることも教育の重要な使命である。言い換えれば、常にゼロベースで考え直せる強さが、人の成長には求められるということである。

 日本の学校における教育も、点数を何点取るかということも大切であるが、その生徒の得意と興味が何で、どのように導けばその生徒の幸せになるかの教育戦略をもって教育に当たるべきである。その戦略がないから、生徒は暗記に走り、高学年になるとその単純作業であるが忍耐が求められる暗記についていけなくなり、落ちこぼれとなるのである。そうではなく、考え方の道筋を教える教育が行われ、生徒が独自の目指したい方向に気づいた時、自律的に学習することが可能となってくる。このことがその生徒にとっての自信にもつながり、どのような環境下にあっても強い人間を形成することになると信じるのであるが。


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