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zoom RSS 投稿論文の価値を決める文献引用回数とは何か?

<<   作成日時 : 2014/03/07 00:04   >>

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人間というものは読んで字のごとく人の間で暮らしている。そのせいか、何かにつけて人と比べたがる。たとえば、私のほうが英語がよくできるとか、私のほうが給料が高いといったように。また、会社という組織においては好むと好まざるにかかわらず、人事考課なるものにより、その仕事ぶりが評価されることになるが、これは私という人間の中身まで評価されているようで、あまり気持ちのいいものではない。

さて、大学や研究機関においては、大学の先生や研究者もなんらかの形で考課されることになる。最近では、講義の良し悪しを学生投票で決めるなどといったことも行われているようであるが、これが単に学生からの人気投票に終わらなければ良いのにと思っている。大学当局としては、学生からの不満(問題点)を摘出し、よりよい講義ができるようにしていきたいと考えてのことだとは思うのだが。

大学の先生や研究者の本分は、いかに新機軸を打ち立てることができたか、そしてそのことをどのようにアウトプットしたかで図られるべきである。論文をどの雑誌にいくつ出したかである。そしてそれが評価されたかである。だれも読んでくれない論文では新機軸とは言えない。

論文を評価する方法として、一番知られているのが、他の論文に何回引用されたか、その回数により判断する方法である。勿論、多く引用されればされるほどその論文に価値があるとみなされることになる。これは、例えてみれば、Googleで検索回数や引用回数(リンクの張られている数)の多い記事が上位に上がってくるのと同じ考え方だ。注目される記事はより注目されるようにハイライトが当たる。理にかなった考え方である。下に示したオルトメトリクスがこの考え方に近づいている。


権威ある論文に投稿したか。Natureのようにこの論文に載ればその研究は一流であるというもの。もちろん査読もしっかりしている。世界中の研究者が注目しているので、読んでもらえるし、引用もしてもらえる。

英語の論文に投稿したか。世界共通言語は英語である。たとえ良い研究内容であったとしても、日本語では見過ごされてしまい、忘れ去られる可能性がある。たとえば、大澤映二先生のフラーレン存在の提案のように。


最先端の研究は、理化学研究所の小保方晴子さんのSTAP細胞の例にも見るように、その仕事が最先端であればあるほど、他の研究者よりも早くに権威ある雑誌に投稿することが必要となる。同じ時期に世界のどこかで似たような、あるいは全く同じ発見がなされていたということはたまに起こることである。一番乗り、あるいは誰よりも早く、ということは非常に重要なことである。画期的な発見を報じた論文は多く引用されることになる。


さて、引用回数について認識しておかなければならないこともある。引用回数とは何かということである。たとえば、自分の論文に自分の過去の掲載論文を引用したら、それは引用としてカウントされるか? あるいは複数の研究者が連名で投稿した論文が引用されれば、その引用は複数の投稿者ひとりひとりに引用1回としてカウントされるか? 権威ある論文に投稿された場合も、そうでない論文に投稿された場合も、引用1回は同じ1回であると考えて良いか? など、上で述べた人事考課と同じく、論文の引用回数についても多くの問題を孕んでいると考えられる。


引用回数については次の考え方がある。

インパクトファクター:
 これは雑誌が引用された頻度を計測する指標であって、個人の論文が引用された頻度を計測するものではない。雑誌の属する分野により、インパクトファクターは大きく異なる。インパクトファクターの大きな分野から順に並べると、たとえば、細胞生物学、有機化学、地球科学、化学工学、物性物理、数学の順となる。
 インパクトファクター(Wikipedia) Web of Scienceの収録雑誌の3年分のデータを用いて計算される。たとえばある雑誌の2004年のインパクトファクターは2002年と2003年の論文数、2004年のその雑誌の被引用回数から次のように求める。
   A = 対象の雑誌が2002年に掲載した論文数
   B = 対象の雑誌が2003年に掲載した論文数
   C = 対象の雑誌が2002年・2003年に掲載した論文が、2004年に引用された延べ回数
   C ÷ (A+B) = 2004年のインパクトファクター

h指数:
 h指数(Wikipedia)から引用する。
 科学者の研究評価は、研究の内容や重要性など様々な要素が絡んでいるため難しい。そのため、分かりやすい客観的な基準として研究の成果である論文数が使用されている。単純な論文の数だけでは、論文の質が保証されないので、論文が他の論文に引用された数(被引用数)を規準にすることが一般的である。
 ある研究者のh指数は、「その研究者が公刊した論文のうち、被引用数がh以上であるものがh以上あることを満たすような数値」となる。具体的には、h指数が30である研究者は、被引用数30以上の論文が少なくとも30編あることを示す。この指標は、当該研究者の論文の量(論文数)と論文の質(被引用数)とを同時に1つの数値で表すことができるという利点を持つ。
    h指数の計算例 (カッコ内は被引用数)
    論文A(10), 論文B(8), 論文C(5), 論文D(4), 論文E(3) →h指数=4
    論文A(25), 論文B(8), 論文C(5), 論文D(3), 論文E(3) →h指数=3

オルトメトリクス:
 オルトメトリクス(Wikipedia)より引用する。
 インパクトファクターやh指数は他の論文から引用された回数のみにより算出されるものであるが、これではいわば同業者による評価のみによっていることになるなど、後述するいくつかの問題が指摘されている。そこでオルトメトリクスはそれにとどまらず、知識ベースからの参照・閲覧回数・ダウンロード回数・ソーシャルメディアやマスコミによる言及など、論文の社会的な影響度を示す様々な点を組み入れることにより、社会に及ぼした影響度を包括的かつ瞬間的に(引用者の論文の出版を待たずに)可視化することのできる指標である。
 オルトメトリクスは非常に包括的な指標群であり、論文や研究が及ぼしうる影響を様々な切り口から捉えようとするものである。代表的なオルトメトリクス計測サービスのImpactStoryは、オルトメトリクスの計測に用いられる要素を以下のように分類している。公共科学図書館 (PLOS) もこれとよく似た分類を行っている。
 閲覧 (Viewed) - ウェブページの閲覧回数・PDFダウンロード回数
 話題 (Discussed) - ジャーナルコメント・科学ブログ・ウィキペディア・Twitter・Facebook・
             その他ソーシャルメディアでの言及
 保存 (Saved) - Mendeley・CiteULike(英語版)・その他ソーシャルブックマーク利用者が保存した回数
 引用 (Cited) - 学術出版物での被引用回数。Web of Science・Scopus(英語版)・CrossRef(英語版)
          などでトラッキング
 推薦 (Recommended) - 例えばFaculty of 1000(英語版)による推薦など


いずれの方法で評価されるにしろ、研究者は常に世界を、せめて仲間をあっと言わせるような斬新な研究をし、その成果を世に問いたいものである。


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