アルケミストは考えた

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zoom RSS ISSへの貨物運搬ロケット・ファルコンの1段目が地上への軟着陸に成功か?

<<   作成日時 : 2014/04/19 18:46   >>

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小学生の時の話であるからもう古い話となる。打ち上げ花火を解体して火薬を取り出し、それをアルミ管に詰めてどこまで高く上がるかを試していた。いまならこんなことはしないと思うが、当時はやりたいと思ったことはすぐに試した。

そのうちに、打ち上げたロケットを地上に軟着陸させられないかなどと考えるようになったが、これは小学生には難しい問題であった。

スプートニクが人工衛星になったとのニュースはなぜか鮮明に覚えている。1957年の話なので、わたしは僅かに5歳である。大人たちが話しているのを聞きかじったのかもしれない。また、テレビが出始めていたが、ニュースのオープニング画面に地球の周りを回るスプートニクの画像(合成画像)が使われていた。

人工衛星をその軌道まで投入するにはロケットの強力な推進力を必要とする。それは、地球の重力を振り切るために、地上では7.9km/秒以上の水平速度(宇宙第一速度)が必要だからである。

人工衛星を軌道に乗せるための基本的な考え方はロシアの耳が聞こえない数学者・ツィオルコフスキー(1857−1935)により作り上げられた。当時としてはその斬新な発想ゆえに、私の尊敬する人物のひとりである。また、アメリカのゴダード(1882−1945)もロケット開発の黎明期を担った。ゴダードの作った試験用のロケットの写真を見て、ロケットが打ち上げられた後、空間において上下をどのように識別しているのか、中学生の時には非常に不思議に思ったものである。

そして高校。
久しぶりに高校1年生の時に大きな影響を受けた書籍「宇宙工学概論」を引っ張り出してきた。

本書が出版されるとすぐに取り寄せ、むさぼるように読んだ。基礎知識のないままに年内には一応目を通したと記憶している。今となっては懐かしい思い出であるが、多くの数式、化学式が出てくるので、この本で数学、化学、物理の基礎および応用を学んだことになる。

宇宙工学概論 斎藤利生著 (昭和42年8月、初版、地人書館)
 1,500円  (いまはアマゾンで中古本が1,800円)
   1.ロケット推進の基礎
   2.液体ロケット
   3.液体推進剤
   4.固体ロケット
   5.個体推進剤
   6.混合型ロケット
   7.ロケットの構造
   8.熱防護の基礎
   9.耐熱構造および耐熱材料
  10.材料に及ぼす宇宙環境の影響
  11.人工衛星
    11.1 人工衛星の軌道
    11.2 人工衛星の性能
    11.3 人工衛星の制御
    11.4 制御用機器
    11.5 宇宙電源
  12.再突入

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ページ285からは、今はやりの燃料電池が宇宙用電源として解説されている。ジェミニ計画(1965年)からすでに使用が開始されていたと記憶している。

人工衛星の章を見ても、ロケットの打ち上げから衛星の軌道投入までが数式で示されている。まだコンピュータが十分には発達していない時代であるので、数学を用いる解法は物理の教科書と同じである。今のように基礎物理式(運動方程式)をコンピュータ・プログラム中に登録し、微小時間を積算していくことにより軌道を算出することが難しかった時代である。


人工衛星の打ち上げは、今や大きなニュースにならないくらい日常的になった。少し前にはスペースシャトルが宇宙より地上に滑空して帰り、整備の後に再利用されていた。だが、ロケットが地上に向かって垂直に、しかも減速しながら着陸することは、アポロの月面着陸では実現されたが、大きな重力を持つ地球上ではまだ実現されていない。

下にニュースを引用したが、今回、ファルコン9(英語版はこちら)によりその垂直軟着陸(軟着水)に成功したようである。

ただ、日本経済新聞などのニュースで私が疑問に思っていることは、アメリカ大陸から打ち上げたファルコンの1段目は大西洋上に落下(あるいは着陸)することになる。このとき、エンジンを逆噴射しながら海面上に着水すると、ロケットエンジンが急冷されて損傷を受けるのではないだろうか? そもそも、着陸足と軟着水の関係が私には理解できていない。

それはともかくとして、私が小学生の時に抱いた夢が、ニュースが伝えるように、いよいよ実現されようとしている。



日本経済新聞 4月17日

ファルコン9 ロケット機体 再利用 NASAと米スペースX社
打ち上げ費用を1/100に 1回あたりの燃料費は20万ドル程度、これに機体の点検費用が加わる
スペースシャトルの1回の打ち上げ費用は1500億円であった。
参考までに、日本のH2Aの場合は約100億円。

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Sorae 4月19日

脚付き"ファルコン9ロケット、ドラゴン補給船運用3号機の打ち上げに成功

 スペースX社は18日、ドラゴン補給船運用3号機(CRS-3)を搭載したファルコン9 v1.1ロケットの打ち上げに成功した。ドラゴンCRS-3には国際宇宙ステーション(ISS)へ向けた補給物資が搭載されており、約2日後に到着する予定。また将来のロケットの再使用化に向けた実験として、ファルコン9の第1段の回収が試みられる予定で、さらに着陸脚も装備されており、降下時に展開が試みられる。

(中略)

 また同社では、ファルコン9を将来的に再使用可能な機体にし、さらに打ち上げコストを引き下げる計画を持っている。この再使用可能なファルコン9はファルコン9-Rと呼ばれ、昨年9月の打ち上げでは、第1段の分離後、エンジンを再点火し減速しつつ降下、大西洋上に軟着水させて回収する実験が試みられた。その実験は今回も行われ、またさらに実験的に着陸脚も装備され、降下中に展開する実験が行われることになっている。現時点では、大気圏に再突入後の第1段の姿勢制御には成功したものの、軟着水に関してはデータを分析中のため、現時点では結果は明らかになっていない。




2012年5月26日文書


民間の無人資材補給船「ドラゴン」が国際宇宙ステーションにドッキング 価格破壊の波が宇宙にも及ぶ

<< 作成日時 : 2012/05/26 06:38 >>

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この度、米国の民間ベンチャー企業スペースX社が開発した「ドラゴン」が、資材を積んで国際宇宙ステーションとのドッキングに成功した。先ほど成功した日本のH2Aロケットによる衛星打ち上げ費用は国際水準と比較して3割程度高いと言われている。日本はH2Bを用いて、この7月21日に「こうのとり」による3回目の国際宇宙ステーションへの資材運搬を予定している。「ドラゴン」は「宇宙での価格破壊」(破壊的イノベーション)を標榜している。

「ドラゴン」の衝撃は、詳細な調査は必要であるが、打ち上げ費用は1回あたり約50億円と、日本のH2Bロケットでの約140億円と比較すると、1/3である。しかも国際宇宙ステーションに運べる資材が10トン強と、日本の「こうのとり」の6トンと比較しても優れている。

「破壊的イノベーション」(イノベーションのジレンマ)という言葉があるが、これは無駄な機能を落とし、ある用途に機能を集中させることにより低価格を実現するものである。宇宙においてもこの価格破壊が実現しつつある。



朝日新聞 5月26日

米の民間宇宙船、ISSにドッキング
国際宇宙ステーションにドッキングした無人補給船「ドラゴン」=NASAテレビから

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 米スペースX社(本社・カリフォルニア州)が開発した無人補給船「ドラゴン」が26日未明、民間の宇宙船として初めて国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。

 距離10メートルの地点でISS側のロボットアームに捕まえられ、ドッキングした。

 食料や衣類などを届けた後、今月下旬にはISSを離れ、カプセル部分が地球に戻り、太平洋に着水する予定。日本の無人補給船「こうのとり(HTV)」と同等の補給能力を持ち、ISSでも同じ結合部を利用している。

 米航空宇宙局(NASA)は昨年引退したスペースシャトルの後継として複数の企業に宇宙船の開発を委託。スペースXとは16億ドル(約1280億円)で今後12回分の飛行契約を結んでおり、年2〜3回ずつ打ち上げる予定だ。

 スペースXは「宇宙での価格破壊」を掲げて2002年に設立されたベンチャー企業。打ち上げロケット「ファルコン9」も同社が独自開発した。



スペースX(Wikipedia)

スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ、通称スペースXは、ロケット・宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務とするアメリカ合衆国の企業である。2002年にインターネットベンチャー企業PayPalの創設者、イーロン・マスクにより設立された。

最終的には再利用可能にすることを目指す打ち上げロケットファルコン1、ファルコン9、ならびにファルコン9で打ち上げるドラゴン宇宙船を開発している。スペースXは、費用と品質を管理するために、大部分のコンポーネントを自社で開発しており、その中にはマーリン、ケストレル、ドラコといったファルコンロケットで使われているロケットエンジンとドラゴン宇宙船が含まれる。

ファルコン9の価格は54〜59.5百万USD(約50億円弱)! 宇宙ステーションへの資材補給能力は1回あたり10トン。打ち上げ成功率は2/2。



イーロン・マスク (Wikipedia)

イーロン・マスク(Elon Musk, 1971年6月28日 - )は、南アフリカ共和国・プレトリア出身のアメリカの起業家であり、スペースX社の共同設立者およびCEOである。PayPal社の前身であるX.com社を1999年に設立した人物でもある。

1995年に高エネルギー物理学を学ぶためスタンフォード大学の大学院へ進むが、2日在籍しただけで兄弟のKimbal Muskとともに、オンラインコンテンツ出版ソフトを提供する Zip2社を起業する。この会社はのちにコンパック社の AltaVista 部門に買収され、マスクは3億700万USドルのキャッシュと、ストックオプションで3400万ドルを手にいれる。

1999年にはオンライン金融サービスと電子メールによる支払いサービスを行うX.com社の共同設立者となる。X.com社は1年後にConfinity社と合併し、これが2001年にPayPal社となる。

2002年に彼は3つ目の会社として、宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するスペースX社を起業し、現在CEOならびにCTOに就任している。またテスラモーターズ社に投資し、同社の最初のモデル「0001」を自ら所有する。2008年10月には同社の会長兼CEOに就任した。

マスクの資産は、2005年時点において3億2,800万ドルとされている。



ドラゴン宇宙船(Wikipedia)

ドラゴン(英語: Dragon)はアメリカ航空宇宙局 (NASA) の商業軌道輸送サービス (COTS) の契約に則り、スペースX社が開発している国際宇宙ステーション (ISS) への物資補給を目的とした宇宙船であり、ファルコン9ロケットによって打ち上げられる。2010年12月に初の試験飛行を行い、軌道を2周回したのち帰還し、史上始めて商業的に開発され運用された宇宙機を回収することに成功した。 ドラゴンの耐熱シールドは月と火星からの帰還時の大気圏再突入速度にも耐えられるよう設計されている。[4] 開発費はNASAの商業軌道輸送サービス計画の予算の一部から拠出されている。

2010年12月時点においてスペースX社の生産ラインでは3ヶ月毎に新しいドラゴン宇宙船が生産される。2012年には倍増して6週毎に1機が生産される予定である。



日本の宇宙ステーション補給機(こうのとり、Wikipedia)

H-IIBロケットに搭載されて打ち上げられ、高度約400キロメートル上空の軌道上にある国際宇宙ステーションへ食糧や衣類、各種実験装置などの最大6トンの補給物資を送り届ける。その後、使わなくなった実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入させて燃やす計画である。宇宙ステーションにはハーモニー付近に設置されたロボットアームで掴んでハーモニーの下部の共通結合機構 (CBM) に結合させる方法が採られる。

技術実証機の建造費約200億円を含んだ総開発費は677億円、2号機以降の1機あたり建造費は約140億円である。宇宙ステーションへの資材補給能力は1回あたり6トン。

2011年1月22日14時38分にH-IIBロケット2号機で打ち上げられ、1月27日20時41分にISSのロボットアームに把持され、1月28日3時38分にISSとの電力・通信系の接続が完了しドッキングを完了した。3月28日22時29分にISSから切り離され、3月30日12時9分頃に、ニュージーランド東の海上上空120kmで大気圏に再突入した(いずれも日本時間)。 ミッション期間は67日間だった。


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宇宙ロケット・スペースXの1段目ブースター回収軟着陸は失敗なれどあと少し
下の図は私が中学生時代に考えていたものです。図Aのように、中央に溝を掘った円盤の中心にボールを置き、この円盤を等速度で回転させると、やがてボールが動き出し、遠心力で速度を得てこの円盤より飛び出します。ボールが動き出してからボールが円盤より飛び出すまでの時間と、その飛び出す速度を求めようというものです。 ...続きを見る
アルケミストは考えた
2015/04/15 22:05

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