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zoom RSS 胃がん発症の真犯人、ピロリ菌を確率よく見つける方法が開発された

<<   作成日時 : 2014/05/24 11:47   >>

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ピロリ菌は確かに10年くらい前までは、胃に寄生していることはわかってはいたが無害であるとされてきました。そのピロリ菌が悪者とされたのはオーストラリアの生理学者、ロバート・ウォレンがピロリ菌を自身で飲み、実際に胃潰瘍が起こることを証明してからです。ウォレンはさらに、ピロリ菌が抗生物質で簡単に取り除けることも自身の人体実験で確認しました。ロバート・ウォレン(Wikipedia)には次のように記されています。


1979年にヘリコバクター・ピロリを発見。西オーストラリア大学での同僚バリー・マーシャルと共に、ヘリコバクター・ピロリが胃潰瘍の原因であることを証明し、潰瘍患者のヘリコバクター・ピロリの検出を容易にする便利な診断テスト (14C-urea breath-test) の開発に成功。この業績が認められ、2005年にノーベル生理学・医学賞をバリー・マーシャルと共同受賞した。


さらに、次のような記事もあり、ピロリ菌を除去しさえすれば、胃がんになる確率をゼロとするのも夢ではないことが示唆されています。


ピロリ菌は胃に毒を放出する

朝日新聞(2007年4月2日発行)に掲載された「ピロリ菌が胃癌を作る仕組み」について、除菌したい人向けに解説します。


本来は免疫細胞にしかないはずの酵素がピロリ菌の刺激で現れ、誤作動することが癌の引き金になっているという。これまで知られていなかった新たな発癌メカニズムの解明として注目される。

過去の調査ではピロリ菌が陽性の人の2.9%に胃癌が見つかり、逆に陰性の人には胃癌が全く認められませんでした

このことから胃癌の場合にピロリ菌が存在する確率は100%に近く、ピロリ菌の何らかの性質が胃癌を誘発するとしています。



まずはピロリ菌の有無を確認、そして感染していることがわかれば抗生物質を1週間服用。これで多くの場合、ピロリ菌が駆除できます。上の情報と合わせれば、胃がんになる確率を限りなくゼロに近づけることができたということになります。本人、家族、会社、日本国の医療財政、そして生命保険会社、そのみんなが喜ぶことになります。

このピロリ菌の有無の確認を確実にする検査方法が岡山大学で作り出された(改良された)というニュースが、日本経済新聞で小さく報道されました。記事は小さいですが、この方法は社会の基盤を支える上で重要な役割を果たすものと考えます。





日本経済新聞 5月23日

ピロリ菌、見逃さない 岡山大が高精度検査薬開発

 岡山大の横田憲治准教授(細菌学)らのチームは22日、胃がんや胃潰瘍の原因になるとされるピロリ菌の新たな検査薬を開発したと発表した。日本人が多く感染するタイプの菌の細胞を利用して作っており、欧米人の菌を使った検査薬より見逃しを減らせ、精度を高められるとしている。

 ピロリ菌を持っているかどうかを確認する手段の一つは、ピロリ菌の細胞を抗原として利用して作った検査薬で、血液中の抗体の量を調べる方法だ。

 チームによると、ピロリ菌には遺伝子の違いによりさまざまなタイプがあり、人種によって感染するタイプが異なる。抗体は多くのタイプにある程度反応することから、欧米人の菌を使った検査薬でも大半が検出できるが、4〜5%は陰性と誤判定される可能性があるという。

 日本人の菌を使った検査薬の方がより高い精度で検出できるため、新検査薬は日本人の菌のうち8〜9割を占めるタイプを使用した。約200人の血液で調べた結果、誤判定を全体の1%以下に抑えられた、としている。

 ピロリ菌は保菌者の全てが胃がんになるわけではないが、除菌が効果的といわれる。新検査薬は既に厚生労働省の承認を受けており、横田准教授は「胃がんの予防に役立つ」と話している。〔共同〕



こちらからの転載

272. ピロリ菌に感染していると60歳以上では胃の変形が認められ、悪性腫瘍へと変化する可能性が

 2010年 4月25日掲載  2014年 4月28日再掲

ピロリ菌が胃潰瘍やがんの原因になることが知られてから久しいが、どれほど健康に害を与える菌であるかの認識は薄いように感じられる。事実、私の会社の健康診断でもピロリ菌有無の確認はなされないし、胃検診において問題が発見された場合にもその後の精密検査でピロリ菌に言及されることはないと聞く。

一方、下に引用した研究報告を見るとピロリ菌の健康への影響は顕著である。まず、ピロリ菌に感染している60歳以上では胃に変形(委縮性胃炎)が認められること、また、びらん・潰瘍、ATP(異型上皮)、胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、悪性腫瘍にも大きく関連している。

なかなか衝撃的な研究報告である。

ピロリ菌有無の確認は簡単である。直接に胃を観察しサンプルを採って確認する方法、血液を採取しピロリ菌(高原)によって生じた血清中の抗体を確認する方法、そして炭素同位体を含む尿素の代謝を利用する尿素呼気法がある。

下のレポートによると、3人に2人は感染しており、年齢が若くても安心はできない。逆に若い年齢で感染していると、加齢に従いその危険性は増加していくともいえる。早い機会に検査しておいた方がよいようである。



大同生命厚生事業団

http://www.daido-life-welfare.or.jp/research_papers/19/welfare_8.pdf

血清ヘリコバクタ−ピロリ菌抗体測定の意義
−胃癌検診受診率の向上を目指して−

(背景)ピロリ菌は胃癌発生の温床となる萎縮性胃炎を惹起することが証明されており、萎縮性胃炎の診断が早期胃癌の発見に重要と考えられる。そこで、我々は血清ピロリ菌IgG 抗体(以下ピロリ抗体)とピロリ菌感染の有無萎縮性胃炎の有無、および胃粘膜病変の有無の関係について検討し、胃癌検診におけるピロリ抗体測定の意義を考察した。


(目的)茨城県南地区における胃癌検診受診率の向上を図るため、ヘリコバクターピロリ菌の感染の指標となる血清ヘリコバクターピロリ菌抗体価と胃病変との関連性を検討することにより、地域住民への胃癌危険因子としてのピロリ菌感染の重要性を明示し、胃癌検診受診を促す仕組みを確立する。

(対象および方法)人間ドックあるいは外来を受診し、血清ピロリ菌IgG 抗体を測定した80 名。60 歳未満が27 名(男:14、女:13)、60 歳以上が53 名(男:27、女:26)。ピロリ菌の有無は生検法あるいは尿素呼気試験法により診断した。ピロリ抗体測定は特殊免疫研究所のイムニスピロリ抗体EIA キットにより行い、10 u/ml 以上を陽性とした。

(結果)ピロリ菌抗体陽性は52 例(65%)、陰性は28 例(35%)であった。ピロリ菌検索をなし得たのは抗体陽性例の49 例、陰性例の27 例であり、ピロリ菌の陽性率はそれぞれ76%、26%を示し、抗体および菌の陽性率の間に有意な相関が認められた(P<0.0001)(表1)。ピロリ菌抗体と萎縮性胃炎の関係を年齢別に検討すると、60 歳未満では抗体陽性14 例中6例(43%)が未だ萎縮性胃炎を呈していないのに対し、60 歳以上では38 例中36 例(95%)が既に萎縮性胃炎を呈していた(表2)。更にピロリ菌抗体と胃粘膜病変との関連性をみると、びらん・潰瘍、ATP(異型上皮)、胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、悪性腫瘍は、それぞれ抗体陽性例の69%、0%、35%、64%、100%に認められ</span  以下略

(結論)ピロリ菌抗体陽性は、ピロリ菌感染と有意に相関していた。60 歳以上ではピロリ抗体陽性例の大部分が萎縮性胃炎を呈しており、腫瘍性病変はピロリ抗体陽性例に多くみられる傾向があった。




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