現代商品開発で考慮しておくべき事柄 これは永遠の真理だろう?
本日のブログは、私が12年前(2002年)に記した文書である。12年を経てもこの文書の中身が色あせていないか?の確認である。きっとまだ、この文書中には成長する企業であるための、多くの真理を含まれていることと思う。
現代商品開発で考慮しておくべき事柄 2002年4月
ポイント
人は商品を買うのではない。商品のもたらす恩恵(ベネフィット)を期待して買うのである。ベネフィットを得るためのソリューションを、商品へと具現化する能力が問われている。
1.今日の商品を取り巻く状況
商品寿命は短くなってきている。買い替えサイクルは長くなってきている。
特徴がない商品は売れない。反環境商品も売れない。
顧客は欲しい商品が何であるかを具体的に述べることができない。
商品に具現化されて、はじめてそれが欲しかったという。
困っていること(ニーズ)は開発者には伝わりにくい。
開発者が顧客の視点でニーズを確認することが必要である。
みんなが買えばそれが欲しくなる(顧客に主体性が乏しい)。
(1)高品質・低価格
中国が世界の生産工場に(生産コストの低減)
多数の企業が同じ土俵で競合、生産過剰に(合成の誤謬)
(2)ブランド・イメージ
ブランドは消費者に安心を提供する
ブランドを通じてその企業と企業の全商品に安心を提供する
二極分化が進む(ブランドに忠誠を尽くす人、価格で決める人)
ブランドは一度傷つくとなかなか元にはもどらない(コンプライアンス)
(3)購買意欲
低成長下で必要性や魅力のない商品の購入は控えられる
商品に購入を促すだけの特徴が必要
高くても購入される商品がある(ブランド品、マニア品等)
爆発的に売れる商品がある(みんなが買うから。ユニクロがそうか?)
(4)購買者
欲望が画一的でなくなってきている(ワンツーワン・マーケティング)
類似商品が多く、特徴のある商品でなければ顧客は欲しがらない
ミリオンセラーは出ない。購買者を層別する方法が重要
高品質、高耐久性であるために買い替え頻度が少なくなる(コンピュータは別)
可処分所得が二極分化してきている
(5)企業
経営資源の集中化ができていない(戦略が不明確⇔ビジョナリー・カンパニー)
経営戦略に誤りがある
開発者が顧客の声を直に聴いていない(思い込みで開発、ミスマッチ)
成功体験が災いする(環境の変化を知らず、柳の下にドジョウを探す)
2.企業はどう対処するか
(1)事業ドメイン
SWOT分析により長中期的な事業ドメインを決定する
コア・コンピタンスを明確にする
わが社はいかなる会社であるかを社内外に知らしめ、開発資源の効率的利用を図る
他社と同じ戦略はとらない(合成の誤謬に陥らない)
開発にはこんなんが予想されるが、成功した時の果実の大きさを狙う
(2)社内
英知の結集(ナレjッジ・ベース、KFSの明確化、シナジーの利用等)
オンリー・ワン企業への協働(目的に向けベクトルを合わせる)
消費者の心理を読む(デザインを含め消費者の心理を捉えられる商品の開発)
開発者は直接に顧客ニーズを知る努力を(顧客の立場に立って考える)
中間製品は最終商品が売れないと商売にならない
開発者がどこまで燃えられるかが勝負(社員が燃える組織作り)
高技術力=矛盾、不可能への挑戦(コクがあってキレがある、リンス入りシャンプー)
思考にタブーはない(駄目、馬鹿げていると言わない企業風土)
失敗を恐れずに果敢に挑戦できる企業風土
発想の原点は異文化コミュニケーション?
開発製品の意味付を忘れない(リエンジニアリング:顧客、競争、変化)
開発時間の短縮(コンカレント、プロジェクト組織、他社等との協力関係)
顧客と自社の双方に満足のいく価格設定(コストパーフォーマンス、顧客満足)
価格設定のための市場調査方法の確立(価格決定に根拠と信念を)
(3)環境
時代の変化を感じ取る
敵(競合他社)を知る(ベンチマーキング、ゲームの理論の応用)
リスクを想定し、対策を講じる
3.メンテナンス
商品を改良する努力(PPM、製品ライフサイクル)
シナジーの探求
クレーム・要望をチャンスに転換(製品開発・改良のニーズ)
4.商品例
ハイブリッドカー
排気ガスの出ない掃除機、洗剤のいらない洗濯機、紫外線脱臭装置(光触媒)
AIBO(ロボット犬)、ウォークマン
形状記憶合金入りブラジャー、スーパードライ、コンパクト洗剤
5.個人的疑問
企業風土は変えられるか → どこでビジョナリー・カンパニーに転換できるか
新商品の開発は結局は人
人を活かせる風土・組織作り、適材適所とCDP、成果に対する褒賞
参考
ビジネス環境3C
Customer(顧客) Competiter(競争環境) Company(自社経営資源)
リエンジニアリング3C
Customer(顧客) Competition(競争) Change(変化)
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現代商品開発で考慮しておくべき事柄 2002年4月
ポイント
人は商品を買うのではない。商品のもたらす恩恵(ベネフィット)を期待して買うのである。ベネフィットを得るためのソリューションを、商品へと具現化する能力が問われている。
1.今日の商品を取り巻く状況
商品寿命は短くなってきている。買い替えサイクルは長くなってきている。
特徴がない商品は売れない。反環境商品も売れない。
顧客は欲しい商品が何であるかを具体的に述べることができない。
商品に具現化されて、はじめてそれが欲しかったという。
困っていること(ニーズ)は開発者には伝わりにくい。
開発者が顧客の視点でニーズを確認することが必要である。
みんなが買えばそれが欲しくなる(顧客に主体性が乏しい)。
(1)高品質・低価格
中国が世界の生産工場に(生産コストの低減)
多数の企業が同じ土俵で競合、生産過剰に(合成の誤謬)
(2)ブランド・イメージ
ブランドは消費者に安心を提供する
ブランドを通じてその企業と企業の全商品に安心を提供する
二極分化が進む(ブランドに忠誠を尽くす人、価格で決める人)
ブランドは一度傷つくとなかなか元にはもどらない(コンプライアンス)
(3)購買意欲
低成長下で必要性や魅力のない商品の購入は控えられる
商品に購入を促すだけの特徴が必要
高くても購入される商品がある(ブランド品、マニア品等)
爆発的に売れる商品がある(みんなが買うから。ユニクロがそうか?)
(4)購買者
欲望が画一的でなくなってきている(ワンツーワン・マーケティング)
類似商品が多く、特徴のある商品でなければ顧客は欲しがらない
ミリオンセラーは出ない。購買者を層別する方法が重要
高品質、高耐久性であるために買い替え頻度が少なくなる(コンピュータは別)
可処分所得が二極分化してきている
(5)企業
経営資源の集中化ができていない(戦略が不明確⇔ビジョナリー・カンパニー)
経営戦略に誤りがある
開発者が顧客の声を直に聴いていない(思い込みで開発、ミスマッチ)
成功体験が災いする(環境の変化を知らず、柳の下にドジョウを探す)
2.企業はどう対処するか
(1)事業ドメイン
SWOT分析により長中期的な事業ドメインを決定する
コア・コンピタンスを明確にする
わが社はいかなる会社であるかを社内外に知らしめ、開発資源の効率的利用を図る
他社と同じ戦略はとらない(合成の誤謬に陥らない)
開発にはこんなんが予想されるが、成功した時の果実の大きさを狙う
(2)社内
英知の結集(ナレjッジ・ベース、KFSの明確化、シナジーの利用等)
オンリー・ワン企業への協働(目的に向けベクトルを合わせる)
消費者の心理を読む(デザインを含め消費者の心理を捉えられる商品の開発)
開発者は直接に顧客ニーズを知る努力を(顧客の立場に立って考える)
中間製品は最終商品が売れないと商売にならない
開発者がどこまで燃えられるかが勝負(社員が燃える組織作り)
高技術力=矛盾、不可能への挑戦(コクがあってキレがある、リンス入りシャンプー)
思考にタブーはない(駄目、馬鹿げていると言わない企業風土)
失敗を恐れずに果敢に挑戦できる企業風土
発想の原点は異文化コミュニケーション?
開発製品の意味付を忘れない(リエンジニアリング:顧客、競争、変化)
開発時間の短縮(コンカレント、プロジェクト組織、他社等との協力関係)
顧客と自社の双方に満足のいく価格設定(コストパーフォーマンス、顧客満足)
価格設定のための市場調査方法の確立(価格決定に根拠と信念を)
(3)環境
時代の変化を感じ取る
敵(競合他社)を知る(ベンチマーキング、ゲームの理論の応用)
リスクを想定し、対策を講じる
3.メンテナンス
商品を改良する努力(PPM、製品ライフサイクル)
シナジーの探求
クレーム・要望をチャンスに転換(製品開発・改良のニーズ)
4.商品例
ハイブリッドカー
排気ガスの出ない掃除機、洗剤のいらない洗濯機、紫外線脱臭装置(光触媒)
AIBO(ロボット犬)、ウォークマン
形状記憶合金入りブラジャー、スーパードライ、コンパクト洗剤
5.個人的疑問
企業風土は変えられるか → どこでビジョナリー・カンパニーに転換できるか
新商品の開発は結局は人
人を活かせる風土・組織作り、適材適所とCDP、成果に対する褒賞
参考
ビジネス環境3C
Customer(顧客) Competiter(競争環境) Company(自社経営資源)
リエンジニアリング3C
Customer(顧客) Competition(競争) Change(変化)
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この記事へのコメント
無くてはならない物か?
無ければ困ることは何か?
有ると良い事は何か?
誰が欲しがる物か?
無ければ困る者は誰か?
おっしゃる通りだと思います。
判断基準は人それぞれであると思います。ただし、存在価値があっても社会に受け入れられないものは、その存在を継続するための基盤が脆弱であるということになるでしょう。資源を使って社会に受け入れられないものを製造することになれば、社会的な損失ですし、製造メーカーの経営状態も不安定になります。
社会に受け入れられるもの。生活を豊かにするもの、健康維持に役立つもの、日々の生活の安全安心を保証するシステムなど、多くのものがあるでしょう。
ただし、先の光ファイバーのように時期が早すぎても、社会に「その時には」受け入れられないということも起こってきますが。
企業は社会のために活動していると考えると、使いうる資源を有効に使い、アウトプットを社会に還元していくという姿勢が大切になると思っています。それを確率よく実施していく手段・方法について言及しました。
消費者大衆を洗脳して「欲しがらせる」「必要と思わせる」「買わせる」です。
即ち「思い込ませる」ですね。
単発・短期に終わってはダメですね。次の開発想品にシナジー効果を及ぼす必要があります。
商品を作り出し販売するためには、それまでに培ってきたノウハウ、社員の技術、設備や装置、立地条件、流通経路、協力企業との良好な関係等、さまざまな財産が必要となります。これらの財産のどれかが有効に利用できれば、シナジー効果が働くことになります。
商品や製品が後追いであるかどうかということと、シナジーとは分けて考えればよいのだと思います。