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zoom RSS がんの確定検査、高等教育を受けた医師と微小生物の線虫、どちらを信じる?

<<   作成日時 : 2015/03/12 23:25   >>

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医師:がんがかなり進行しているので、このままでは余命6か月です。
    まずは手術をして、そのあと化学療法という方法しか道はないです。
    手術は早いほどよいのでご家族と相談されてご決断ください。

患者:私が今死ねば家族が路頭に迷います。
    せがれもまだ中学生なので私がここで死ぬわけにはいきません。
    先生、よろしくお願いします。

そして1年後

患者:先生、助かる見込みは10%もないとおっしゃっておられたのに、助けてくださりありがとうございました。
    私は先生のような名医に巡り合って幸運でした。

そしてこの名医のうわさは広がっていくのだが、こういう話を聞くと、最初に下されたがんという診断が本当であったのかとついつい疑ってしまう。私の悪い癖である。


それに対して、本日、各社のニュースで報じられたがんの診断方法は、線虫の匂い識別能力を利用すると、がんの発見確率が95%。そしてがんでない人をがんでないという確率も95%ということだ。さらにすごいことに、がんの種類ごとに匂いが違うから、線虫の種類による匂い識別能力差を利用すればがんの種類も言い当てられる可能性があるという。

実用化までには後10年必要とか。だが、明日からでも利用できる技術であると思う。がん識別確率が通常の検査方法よりも高いという前提付きで。

記事より数字を採録すると、

     全数 242人  健常者 218人  健常判定 207人 がん判定 11人
               がん患者 24人  健常判定   1人 がん判定 23人

このスクリーニングでがん判定とされた人はさらに精密検査に進む。健常判定を受けた208人はほぼがんでない。1人だけ漏れがあるが、たとえばこの検査を年に2回実施し、回数による発見確率が向上すればこの方法をいまにでも使える可能性がある(がんが進行した場合に、1回目の検査では発見できなかったがんも2回目の検査で発見できるとの確証が必要であるが)。

現在、国が定めている健康診断の回数は年に1回であるので、これと比べれば発見確率は高くなるのではないだろうか。とくに1年に1回の検診では、若い人の場合、がんが見つかった時には進行してしまっていて、もはや手遅れというケースが散見される。去年は大丈夫だったのに、今年の検診ですぐ精密検査に行くようにと言われ、その時にはすでに手遅れだとという話である。            



画像



マイナビニュース 3月12日

九州大、線虫を用いて尿1滴からがんを検出する技術を開発

九州大学(九州大)は3月12日、線虫は尿によって高精度にがんの有無を識別することができると発表した。実用化されれば、尿1滴でさまざまな早期がんを数百円で高精度に検出できるようになる。

同成果は九州大学大学院理学研究院/味覚・嗅覚センサ研究開発センターの広津崇亮 助教、伊万里有田共立病院の園田英人 外科部長、九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科の前原喜彦 教授らの研究グループによるもの。3月11日付けの米科学誌「PLOS ONE」に掲載された。

がん患者には特有の匂いがあることが知られており、がん探知犬を用いたがん診断が試みられているが、犬の集中力に左右されるため、1日5検体程度しか調べることができず、実用化は困難な状況にある。一方、線虫は犬と同等の嗅覚を持ち、匂いに対する反応も調べ易い。飼育も容易で、さまざまな実験技術が開発されていることから、がんの匂いおよびその受容体の同定を行うことができると期待される。

テストをした数十種類のがんすべてに反応を示しただけでなく、早期がんに対する反応も確認された。感度(がん患者をがんと診断できる確率)は95.8%、特異度(健常者を健常者と診断できる確率)は95.0%だった。


時事通信 3月12日

がん診断、尿1滴で=線虫の習性利用―10年後の実用化目指す・九大など

 研究チームは健常者218人、がん患者24人の尿を採取。実験皿の上に1滴ずつ垂らし、線虫の走性行動を調べた結果、健常者207人と、がん患者23人を正しく判定した。がん患者をがんと診断できる確率は95.8%に達し、がんの種類や進行度にかかわらず判別できた。

 血液を調べる腫瘍マーカーで、同じ患者らを検査した結果は16.2〜25%だった。
 
 がん患者24人のうち5人は、採尿時にはがんが見つかっておらず、従来のがん検診で見つからない早期がんも判別できる可能性が高いことも分かった。


西日本新聞 3月12日

尿1滴でがん判定 九大、線虫使った検査に成功 [福岡県]

 精度を確かめるため、242人(健常者218人、がん患者24人)の尿を採取してテストを実施。線虫はがん患者24人のうち23人に「陽性」の反応を示し、発見確率は95・8%だった。うち5人は採尿時点では、がんと診断されていなかった。初期の「ステージ0と1」のがんは、血液の成分を調べる腫瘍マーカーの発見確率が0〜33%にとどまるが、線虫による検査では88%以上の確率で発見できたという。

 一方、健常者をがんと誤って判定する確率が5%あることなどから、精度の安定化が今後の課題という。広津助教は「早期発見が難しい膵臓(すいぞう)がんを含む十数種類のがんに線虫は反応した。特定のがんにだけ反応する線虫をつくることにも成功しており、将来的にはがんの種類の特定も可能になる」と話している。




【線虫が匂いを識別するメカニズム】

九州大学 ホームページ 広津グループ

匂いを感じる仕組みの解明

 動物は何万種におよぶ匂い物質を知覚、識別することができます。では、この精巧な嗅覚システムはどのような分子メカニズムによって成り立っているのでしょうか?この興味深い謎を解明するために、私たちは比較的シンプルな神経系を持つ線虫を研究材料とし、特にRas-MAPKシグナル伝達経路が嗅覚システムにおいて果たす役割に着目した研究をおこなっています。

(以下に研究内容が続く)



【さらに可能性が拓けるか?】

johnan ホームページ 2014年9月22日

線虫の嗅覚を活用したバイオセンサー開発に関する共同研究開始


このたび、当社は九州大学 味覚・嗅覚センサ研究開発センター(センター長: 都甲潔 主幹教授)と共同で、線虫の嗅覚を活用したバイオセンサー開発の共同研究を開始します。共同研究の契約締結は10月上旬予定です。

本共同研究では、ヒトと同じ形態の嗅覚受容体を持つ線虫のにおいと受容体のメカニズム解明に関する研究に取り組み、その研究成果を活用して、株式会社日立製作所では線虫のにおい受容体を活用した次世代がん診断システムの開発を、当社では、線虫のにおいと受容体を活用したバイオセンサー装置及びその周辺の消耗品や検査機関で用いる装置等の開発を進める予定です。

当社は、今後ますますニーズが高まると予想されるヘルスケア領域での製品・サービスを提供して行くことを通じて、社会の継続的な発展に貢献してまいります。



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線虫を用いるがん検診は、短時間・高精度・安価になるという夢のような話
昨日のブログは、線虫を用いてがんを高い確率で検出する方法について記した。 ...続きを見る
アルケミストは考えた
2015/03/13 21:54

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
242人(健常者218人、がん患者24人)
ーーーーーーーー
★ 男女比も知りたい。

膵臓(すいぞう)がんを含む十数種類のがん
ーーーーーーーーーーーーー
★ 臓器、皮膚、骨など身体部位別にさまざまあるがんなどの種類別を知りたい。
匿名
2015/03/13 08:21
匿名様

ご質問の件、学術的には重要なポイントです。3月13日のブログに、確認できた情報を記載いたしました。
http://alchemist-jp.at.webry.info/201503/article_13.html
畑啓之
2015/03/14 07:09
匿名様

ご質問に対する情報を3月13日のブログに書き込みました。
http://alchemist-jp.at.webry.info/201503/article_13.html
畑啓之
2015/03/14 11:25

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