「自分の頭で考える人材を育成することこそ真の教育」がユダヤ式教育法

ユダヤ人国際弁護士が教える天才頭脳のつくり方 石角完爾 (2009、朝日新聞出版)

教育とはどうあるべきか? その前に教育により人は何を掴み取るべきかが伝わってくる書である。

著者の石角氏は日本人でありながら、ユダヤ教に転向した数少ない日本人である。仕事の舞台はアメリカ。そのため、日本とアメリカ、ユダヤにおける教育の違いに熟知している。

ユダヤ式の勉強法は、①何事にも「疑問」を持ち、「問い」を設定する能力を身につける、②「読書」によって知識を広げる、③「褒める」ことで自尊心を育む、④「複数言語」を習得する。ユダヤ人は自分たちのことを「問いの民」「議論の民」「学びの民」「思考の民」と自称する。なにしろ、ユダヤ人の歴史は迫害を受け続けた歴史である。生き延びるために利用できるのは「自分の頭のみ」となる。この頭を鍛える方法が歴史的に確立してきたものと考えられる。


迫害の歴史 コミュニティを形成して団結
ユダヤ人が苦難に打ち勝った源泉
 教育(タルムード、ディベート)、実行力、交渉力、お金、ユーモアの精神
物事を徹底的に疑い自由奔放に思考を駆け巡らすこと、問い続けることを、ユダヤの教育は求めている
競争相手のないオンリーワン・ビジネスを作る


ユダヤ人たちが行なった多くの考案はタルムードとしてまとめられている。これは、約400ページの本30巻からなる大著である。この本の中には、多くのユダヤ人たちが考え出した叡智がぎっしりと詰まっている。ユダヤ人は、3才からの早期教育に続いて、この本を13~20才で本格的に勉強する。

ユダヤ人はともかく「しつこい」そうだ。自分が納得するまで質問を繰り返す。これが「問の民」と呼ばれる所以である。日本人は「1を聞いて10を知れ」、一方ユダヤ人は「1000を聞いて100を知る」。すなわち、ある期間をとれば、日本人はシャイなので質問することができず、10の知恵を身に付けたかどうかに不安が残るが、ユダヤ人はこの期間に確実に100の知恵を身に付けるということである。

アメリカにおけるユダヤ人の56%が大学を卒業(全米平均が29%)、25%が大学院を卒業(同6%)となっている。そして、米国の一流大学ではユダヤ人の比率が非常に高くなる。


ハーバード大学

学部も大学院もユダヤ人が約3割
アメリカのユダヤ人は全人口の約2%
全世界のユダヤ人 1500万人 0.2%
イスラエル 700万人、アメリカ 600万人


そして、この一流大学でのユダヤ人の在籍比率が、そのままユダヤ人のノーベル賞授賞者の比率となっているようである。


ユダヤ人のノーベル賞受賞比率

画像
画像



このユダヤ人の学習方法と似た学習方法が米国のビジネススクールなどで取り入れられ、成果を発揮している。米国の大学でも、自ら「問い」を設定し、自ら情報を集め、分析し、論理性に満ちた答えを構築することが求められる。そして、この課題に対処するためには、小さい頃から社会(集団)のなかで揉まれることが重要と考えられる。アメリカにおけるユダヤ人とそれ以外のアメリカ人の高等教育を受ける比率に開きがあるのは、集団による早期教育の有無が大きく関係しているのでは、と私は思っている。


世界の教育方法の比較

画像
画像




書籍「ユダヤ人国際弁護士が教える天才頭脳のつくり方」より

画像




          ブログ一覧に戻る        ホームページ「アルケミストの小部屋」に戻る


"「自分の頭で考える人材を育成することこそ真の教育」がユダヤ式教育法" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント